手首の骨折(橈骨遠位端骨折・コーレス骨折)の施術法と当院の考え方

今回のブログは、手首の骨折についての当院の考え方と、その施術法を実際の症例を踏まえてご紹介します。

手首の骨折は転倒して手をついた時に発生する事が多く、年齢による骨の性質によっての違いや、怪我をした時の外力の加わり方によって骨折のタイプが変わります。

手術が治療の選択肢とされることもありますが、骨折してずれた骨を正しい位置に戻す事、固定の維持が出来れば、手首の骨折の殆どは手術しなくても十分に治ります。

手術をしないメリットとしては、感染症の心配がないと言う事・皮膚に傷がつかないと言う事、入院の必要がなく、料金負担が少ないと言う事です。

また、当院では骨がつくのをただ待っているだけではなく、固定期間中も微弱電流通電を行う事により、骨癒合期間の短縮を図ります。

私も高校時代の柔道の練習中に左手首の骨折を経験しておりますので、患者さん側の気持ちや大変さも分かります。

もちろん、手術するかしないかの選択肢は患者さんにあるわけです。

手術するかお悩みの方でこのブログをお読みの方には、治療の選択肢の1つとして保存療法の事を知って頂きたいと思います。

手首の骨

手首の骨は親指側の骨を橈骨(とうこつ)小指側の骨を尺骨(しゃっこつ)と言います。

肘に近い部分を近位端(上端部)指先に近い部分を遠位端(下端部)と言います。

手首の骨折では橈骨遠位端が骨折し、場合により尺骨(茎状突起)も骨折する場合があります。

手首の骨折の受傷原因

 

手首の骨折は怪我の仕方により骨折のタイプが変わります。

転倒した際の外力(青矢印)と接地面からの反発力(黒矢印)に捻転力(赤矢印)が加わり発生します。

手首の骨折の分類

骨は年齢によって骨の状態(性質)に違いがあります。

成長期の骨には柔軟性があり、若木を折ったように骨折することが多い為、若木骨折と呼ばれます。

高齢者の場合では骨粗鬆症等の影響もあり骨の損傷状態が異なります。

そのような骨の性質の違いにより手首の骨折のタイプも異なります。

また、骨折発生時の外力の加わり方によっても骨折のタイプが異なります。

  • コーレス骨折(発生頻度が1番高い)
  • スミス骨折
  • 背側バートン
  • 掌側バートン

牛久駅付近で転倒して発生した、橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)の実際の症例

次に実際の症例を元に当院の施術法をご紹介します。

年齢

50代

性別

男性

受傷原因

牛久駅付近を歩行中に足が滑って転倒する。その際に手掌(手のひら)をついて受傷。

症状

フォーク背状変形・銃剣状変形・左手関節部の腫脹・左手関節周囲の腫脹・骨折部の圧痛・左手関節の可動域制限

コーレス骨折では骨のずれ方によって外見上の変化を起こします。

柔道整復学・理論編改訂第5版より引用

当院来院時には上の図のような大きな変形・転位(骨のずれ)がありました。

当院での施術法

  1. 超音波画像検査で骨折の転位をチェックする
  2. 患部の冷却と微弱電流通電をする
  3. 整復操作(骨折した事によってずれた骨を正しい位置に戻す)
  4. 湿布処置・包帯・金属副子にて固定
  5. 三角巾で手を吊る

その後、骨折治療の同意をいただくために顧問医にてレントゲン検査を受けました。

ご自宅での過ごし方や骨の再生に必要な、タンパク質やカルシウムの摂取についてのお話もします。

レントゲン所見

 

橈骨下端部に骨折を認めました。初診時にあった変形は改善されていましたので、施術と固定を継続していく事としました。

固定方法

 

当院では手首の骨折の場合、主に写真のように金属副子という添木とアルフェンスシーネ等を用いて、包帯とテーピングを使って固定をします。

金属副子で背側(手の甲側)と掌側(手のひら側)を固定し小指側の側面にアルフェンスシーネで固定します。

治療経過

受傷日より、患部の冷却や微弱電流治療による治癒促進を行います。

定期的に通院して頂き、皮膚の管理・施術・包帯の交換を行います。

後に温熱療法やマッサージを加えます。

症状によってBFI療法も行います。

固定期間

この症例の方の場合は3週間程、金属副子での固定をし、その後は柔軟性のある固定を継続しました。

柔軟性のある固定は、痛みや可動域(手首の動き)の回復具合により除去します。

成長期のお子さんの場合は、個人差はありますが3週位の固定期間で済みます。

また、高齢者の場合は骨の性質や骨折の程度も異なるという理由から、5~6週間の固定が必要な場合が多いです。

リハビリ

リハビリは超音波検査で骨折部の修復を確認してから行います。

リハビリは指の運動から始まり肘関節・手関節の運動を行います。

肩関節に拘縮が出現する方もいらっしゃいます。

握力の低下に対しても回復を図ります。

また、リハビリはCRPSの事を考えて、痛みを伴わないように行う事を心がけています。

この患者さんの場合は、3か月半で日常生活上が不自由なく行えるようになり、施術終了としました。

手首の骨折でギプス固定をしない理由

当院が、手首の骨折の場合にギプス固定をしない理由は、骨のずれの有る骨折の場合、腫脹が引いてくるのと同時にギプス内に隙間ができ、ギプス内で骨のずれが生じる事が多いからです。

ギプス内で骨がずれる場合は、痛みも音もなくずれます。

骨がずれていない(転位のない)骨折であれば、ギプス固定でも良いと思います。

過去には、他院にてギプス固定を受けたものの、腫脹が引いてきてギプスが緩んできて心配になった方、また、固定期間が長期間で心配になった方、プレート手術後に不調を訴えた方、リハビリに困っていた方などが当院にご相談にいらっしゃいました。

まとめ

手首の骨折での施術法として、保存療法と手術療法があります。

手術するかしないかの選択権は患者さんにあるわけですが、当院としては保存療法をお勧めします。

基本的に手首の骨折の場合は、きちんと整復動作を行い、骨がずれないように固定の維持管理ができれば、手術の必要はないと思います。

成長期のお子さんの場合は、骨折によってずれた骨の形が徐々に元の形に戻る、という自家矯正力というものがあります。

自家矯正するにも許容角度がありますので、できればしっかりと整復や固定の処置を受ける事をお勧めします。

自家矯正すると言われても、ご両親は心配ですよね。

また、大人の場合は骨のずれが残ったまま固定をすると、最終的には骨は曲がったままくっついてしまいます。

曲がったまま骨がつくと、見た目の問題はもちろんのこと、関節の動きが大きく損なわれるケースもあります。

きれいに治るかどうかは、正直、担当の先生の技量が大きく関係すると思います。

当院では数多くの症例経験があります。

手術をご希望でない方やリハビリにお困りの方のご相談・ご来院お待ちしております。

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蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。