人工関節置換術後の痛みでお困りの症例(保険外対応)

今回のブログは、人工関節置換術後の痛みについてのお話しです。

「手術してしばらく経つのに痛いんです。」という※遺残疼痛にお悩みの方からご相談を受けました。

様々な原因により、手術をして人工関節を入れたにもかかわらず、術後のリハビリを終えても患部や周辺の痛みや筋緊張、可動域制限(動きの制限)などに苦しまれる方がいらっしゃいます。

今回、ご来院頂いた方のように、当院にもそのようなご相談やご来院があります。

今回来院された患者さんは「手術は成功しています」と言われ、「多少の痛みはしょうがありません」と言われたようです。

人工関節置換術後の痛みでお悩みの方も、関節リウマチや大腿骨頭無腐生壊死などの病的なものが無ければ、術前から抱えている「脳疲労」が関係している場合があります。

過去にも、脳疲労を改善させることにより人工関節置換術後の痛みや筋緊張(こわばり)の症状が改善した例が多数あります。

今回のブログでは、変形性股関節症が原因で人工関節置換術を受けたが、痛みがとれず当院に来院された症例をご紹介します。

このような考え方もあるんだと言う事を、人工関節置換術後の痛みでお困りの方に知って頂きたいと思います。

※遺残疼痛とは、手術後3か月を超えて存在する痛みの事を言います。

様々な原因によって手術が選択される

人工関節置換術は、主に股関節や膝関節に行われることが多いようです。

どんなことにも当然、メリットとデメリットが存在します。患者さんの症状や年齢、また人工関節の耐用年数等が考慮され、手術するかどうかの判断がされます。

股関節の人工関節置換術の場合

股関節の変形具合や痛み・筋緊張・脚長差(足の長さの左右差)・股関節の可動域制限等の症状の強さが基準となります。

股関節の場合の手術適応になる病名(原因)を挙げてみます。

  1. 変形性股関節症
  2. 大腿骨寛骨臼インピンジメント
  3. 大腿骨骨折
  4. 大腿骨頭壊死
  5. 関節リウマチ

等が挙げられます。

下の写真は股関節の変化を表したレントゲン写真です。

日本整形外科学会より引用

膝関節の人工関節置換術の場合

続いて、膝関節の場合の原因です。

  1. 変形性膝関節症
  2. 骨壊死
  3. 関節リウマチ

等が挙げられます。

股関節・膝関節ともに、原因もそれぞれ違いますが、骨(関節)の変形が原因であったり、関節リウマチ・骨頭壊死や骨折などの外傷が原因となります。

手術の方法と種類

股関節の場合

手術の方法としては、股関節の場合は人工骨頭置換術(BHA)と全人工股関節置換術(THA)が代表的です。術式の選択としては、患部の状態によって選択されます。

人工骨頭置換術(BHA)は大腿骨頭を切除し、金属あるいはセラミックでできた骨頭を置換する手術です。

全人工股関節置換術(THA)は骨盤骨の臼蓋と大腿骨頭を置換する手術です。

以下は全人工股関節置換術(THA)のイメージイラストです。

①          ②

    

イラストを見てわかるように、股関節の全人工関節の置換術の場合には変形や骨折を起こしている患部を丸ごと取り除いて人工関節に取り替えます。

変形性股関節症による全人工関節置換術後のレントゲン写真です。

以下に、股関節の全人工関節置換術(THA)の説明動画を引用します。

全部で3分30秒の動画です。

是非ご覧下さい。

Nucleus Health Videosより引用

 

膝関節の場合

続いて、膝関節の人工関節置換術ですが股関節と同様に患部を切除し人工関節へと入れ替えます。

変形性膝関節症のレントゲン写真です。変形した部分を切除し、人工関節へと作り替えます。

以下のイラストは膝関節全体の置換術についての物ですが、部分的に置換する方法もあります。

人工関節ドットコムより引用

以下に膝関節の全人工関節置換術の説明動画を引用します。

全部で40秒ほどの動画です。

関節ライフより引用

股関節人工関節置換術後の禁忌動作

股関節の全人工関節置換術は、動かし方(禁忌肢位)によっては脱臼する事があります。脱臼は股関節周囲の組織が不安定な、術後3か月以内に発生しやすいと言われています。股関節周囲の安定感が得られると脱臼率は低下します。

また、それらは術式(筋肉や腱のダメージをどのように減らすか)によって脱臼する確率に差がでるようです。

一般的に股関節を90度以上深く曲げたり、股関節に捻じる動作が加わると脱臼しやすくなります。

靴を履く時の姿勢にも気をつけなくてはいけません。股関節が深く屈曲されたり股関節が内側に入る事が無いように、靴ベラなどを利用してスムーズに靴が履けるように工夫して頂けると良いです。

また、物を拾う時なども股関節が深く屈曲する事が無いように注意しましょう。

また、椅子やトイレの立ち上がり動作時も股関節が深く屈曲しますので十分に注意しましょう。可能であれば手の届くところに手すりをつけて頂くと良いでしょう。

椅子の高さも股関節が深く曲がらないように低い椅子は避けましょう。

寝方についても注意が必要です。横を向いて寝る場合には、手術を受けた側を上にして膝の間に枕や座布団などを挟み、股関節が内側に入らないように気をつけます。

膝関節人工関節置換術の場合の禁忌動作

膝立ちなどで膝をつく場合に、膝をついた状態で捻じる動きが加わると膝蓋骨(お皿の骨)が脱臼を起こす場合があります。

四つん這いでの動作(ぞうきんがけ)などは気をつけましょう。

なぜ、人工関節に交換したのに痛むのか?

誰でも手術はしたくないと思っていると思います。ただ、手術を決断した時は痛みや変形が強くどうにもならない状態で、手術を決断されたことだと思います。

そこで、人工関節に交換したし、リハビリも頑張ったのになぜ痛いのか?

 

ここで考えてみましょう。

 

手術前に見たレントゲンは変形も強く、いかにも痛そうでしたよね。

そして、手術後に見たレントゲン写真は綺麗な関節へと変わっていたはずです。

しかし、手術によって変形をしていた部分は全部取り除いたはずです。それなのに、術後に痛みがあると言う事は頭の中は疑問や不安で一杯になりますよね。

患者さんの頭の中には、手術前の検査や説明により「変形=痛い」「変形しているから痛い」と言う図式が出来上がっているのではないでしょうか?

以前からこのブログでもお伝えしている通り「変形=痛み」ではありません。

変形があっても痛みのない方は沢山いらっしゃいますし、膝関節の場合では痛いほうの膝より、痛みのない反対側の膝の方が変形が強いなんて言う事もよくあります。

また、画像に全ての痛みの原因が写るわけではありません。レントゲンやMRIでは原因が確認できない痛みも存在します。

術後の痛みが残っていると言う事は、画像に写るもの以外に他の原因が考えられるし、患部以外に目を向ける必要があります。

そこで、「脳疲労」という視点が重要になります。

以前にもご紹介しましたが、変形性関節症の患者さんは大きな悩みやストレスを抱えている方が多く、その悩みやストレスにより脳疲労が起き自律神経のバランスが崩れ、弱点である関節や関節周囲に筋肉の緊張や痛みが起きて、その後、変形が起きています。

そうすると、症状を解決する為に何よりも優先しなくてはいけないのは脳疲労の改善になります。

脳疲労について

脳疲労とは、読んで字の如く脳が疲れた状態です。

現在の生活環境において大人子供に限らず脳疲労につながる要素(原因)は沢山あります。

特に現在は新型コロナウィルスが蔓延しており、マスクをする生活や、学校生活や仕事のスタイルなどが大きく変わりました。

連日のコロナ報道により、不安な気持ちが強くなり、暗い気持ちになりがちです。不安や焦りなどもストレスとなり脳疲労の原因になります。

脳疲労が起きると、今以上にストレスから脳を守る為に、脳が自衛措置として体の弱点に痛みや痺れなどの症状を出します。それに合わせて自律神経のバランスが乱れます。

脳疲労の原因としては、年代や性別により異なります。

お子さんですと、スキンシップの時間が満たされなかった時や自分自身に嫌な事があった時などが該当します。

スマホやゲームなどにおいても長時間使用する事により脳疲労が発生します。

運動をやっているお子さんなどでは、運動がきつかったり、仲間やコーチとの人間関係などでも起きます。

大人では、自分自身か身の回りにマイナス面での変化が起きている事が多いようです。

最近はコロナ疲れによる日常生活や仕事スタイルの変化や、繰り返されるコロナウィルス関連の報道により、脳疲労を起こして痛みや痺れの症状を出している方が多いのが現状です。

これらの出来事の大きさによって症状の出方が変わってきます。

また、症状の回復の仕方や期間も変わります。

脳疲労に関する書籍

最近では、脳疲労に関する事がテレビ番組や書籍で目にするようになってきました。

脳疲労で検索して頂いてもかなり多くの情報が確認して頂けます。

脳疲労に関する書籍も多く販売されていますが、実際に読んだ書籍をご紹介します。

脳疲労を研究されている大阪大学医学部教授の梶本 修身先生が書かれた「すべての疲労は脳が原因」という書籍です。

書籍の中では脳疲労に関して、項目別に分けて説明されています。
中でも印象に残ったのが、日常感じている「体の疲れ」は実は体の疲れではなく「脳の疲労」にほかならないという所です。
ご興味を持たれた方は是非ご覧いただくと良いと思います。

BFI療法により股関節人工関節の手術後の痛みが改善された症例

次に、実際に茨城県稲敷郡阿見町からご来院頂いた方の症例をご紹介します。

股関節に限らず、膝関節の人工関節置換術後の痛みを訴えている患者さんのご相談やご来院もあります。

手術をした担当の先生に話をすると、「手術はうまくいってます」「オペは成功してます」と言われて終わってしまう事が多いようです。

「ある程度の痛みはしょうがありません」と言われた患者さんもいらっしゃいます。

今回、ブログでご紹介する患者さんも、股関節の全人工関節置換術後の痛みに悩まれて来院された患者さんです。

症例

患者60代 女性

来院経緯

股関節痛と股関節の可動域制限から始まり、次第に痛みが強くなったと言う事でした。

自宅近くの接骨院・整体院等で施術をうけていたが、痛みが改善しない為に、整形外科を受診する。

そこで、レントゲン検査の結果、変形性股関節症という診断を受ける。

変形性股関節症の診断を受け、痛みや関節可動域制限と脚長差(足の長さの違い)があり、最終的には全人工関節置換術となりました。

術後の痛みで悩んでいたところ、知人の紹介で当院に来院されました。

来院時初検

  • 股関節部の痛み
  • 股関節周囲の筋緊張(筋肉のこわばり)
  • 同姿勢・同動作を継続すると股関節周囲に筋緊張と痛みが出現
  • 脚長差なし

等の症状がみられました。

自律神経測定

施術前

 

施術後

BFI療法の施術前後で、自律神経の数値の変化も見られました。

施術内容

  1. 脳と痛みの関係をお話しする。
  2. 不安やストレスを発散させてもらう事
  3. BFI療法
  4. ミラーセラピー

を行いました。

手術を受けた病院の先生からは多少の痛みはしょうがないと言われていたみたいですが、通院回数を重ねていくうちに股関節周囲の痛みや関節の可動域に改善がみられました。

症状に対する不安が段々と薄れていき、患部の痛みや筋肉の緊張も消失し、施術終了となりました。

また、初診時にはついていた杖も痛みや筋肉の緊張が無くなる事によって、必要が無くなりました。

変形性関節症に関する筋力トレーニング

今回ご紹介した症例の患者さんは、痛みを改善させるために物理療法の他に筋力トレーニングを指導されたようです。患者さんは痛みに堪えながら教わったトレーニングを行ったようです。

変形性関節症に限らず、ほとんどの疾患において痛みを改善させるための筋力トレーニングは患部に悪影響を及ぼすことが考えられるのでお勧めしません。

現に、筋力トレーニングを行わなくても痛みの改善がみられた方が多数いらっしゃいます。

この方も筋力トレーニングは行わずに痛みの改善がみられました。

筋力トレーニングを行うのならば、ある程度痛みが落ち着いてから無理のないように行う事が望ましいです。

脳疲労改善の為にご自分で出来る事として

人工関節にも交換してリハビリを終えたのに、しばらくしても痛みやこわばり等の症状が残る場合には、上記したように術前から抱えている脳疲労や症状に対しての不安が大きな影響を及ぼしています。

そんな時に、ご自分で出来る事として

  1. 脳疲労につながる事柄が無かったか確認してみる。
  2. 不安やストレスを吐き出す。(不安やストレスは抱え込んではいけません。不安やストレスをはき出せない場合には、自分の心にある不安やストレスを紙に書いてみる。書いた紙を見られて困る場合は破って捨てる)
  3. 原因となる事柄を解決させる事が一番有効なのですが、時にはどうにもならない場合もあります。そんな時は原因となっている事柄から離れてみる事もお勧めします。
  4. 腹式呼吸を意識する。(不安やストレスなどがある時は、呼吸も浅くなることが多い)
  5. 何もしない日・時間をつくる(頭を空にしてぼーっとする時間が大切です)
  6. 五感を刺激する。

五感とは

  • 視覚
  • 聴覚
  • 味覚
  • 嗅覚
  • 触覚

これらの5つの感覚を刺激すると言う事です。好きな音楽を聴いたり、美味しい物を食べたり、良い匂いを嗅いだり、ご自分にとって心地よい空間や時間を作り出すことを意識して行って頂くと良いと思います。

現在、リハビリを行っている方や痛みにお困りの方は、これらの事を実行して頂けると良いと思います。

これらの事を試してみてもご自身の痛みが良くならない場合は、是非、当院にお任せ下さい。

まとめ

今回のブログで一番お伝えしたい事は、人工関節置換術後の痛みでも脳疲労が関係している事が有るので、なかなか痛みが良くならない時には患部以外にも目を向けなければいけないと言う事です。

また、手術を否定するものではありません。人工関節置換術は、十分に安全な手術となっています。人工関節置換術の大きなメリットとしては、脚長差・アライメントの改善(姿勢・O脚の変化)がありますので、日常生活に大きく支障が出ている方には手術をお勧めします。

ただ、痛みに関しては、足の長さや関節の形が整っても不調を訴える方がいらっしゃるのも事実です。

痛みや変形が強くなって、日常生活に支障が出る前に、初期の段階で対処をすることをお勧めします。早めに対処を行う事により、変形の進行を抑えられる可能性があります。

脳疲労が原因である場合の股関節の全人工関節置換術後の痛みやこわばりに対しては、股関節周囲に電気をかけたりマッサージをするだけでは改善しません。

また、脳疲労によって起きた症状であれば、例え薬や注射を使っても改善しません。そこには脳疲労の改善が必要になってきます。

脳疲労を改善させるためには、脳へのソフトな刺激を行う事が出来るBFI療法が適しています。

いくら「手術は成功しています」「関節は綺麗になっている」と言われても、痛いものは痛いですよね。

痛みでお困りの方のご相談、ご来院をお待ちしております。

また、コロナ対策をしっかり行っています。ご確認の上、ご来院をお願い致します。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。