オスグッド・シュラッター病について・大腿四頭筋のストレッチは必要ありません(保険外対応)

最近、オスグッド・シュラッター病の患者様の来院が続けてみられます。

オスグッド・シュラッター病は成長期の活発な男子に多くみられます。

私もかつて経験しましたが、結構痛いしつらいものです。

痛みのある部分をアイシングしたり、痛みをこらえてストレッチしていませんか?ましてや、運動を休んでいるのに痛みが引かない方はいらっしゃいませんか?

大腿四頭筋の硬さが原因と言われることが有りますが、それは真の原因ではありません。大腿四頭筋を緊張させて、膝に痛みを発生させる原因が他に存在します。

また、成長期にみられる膝の痛みですが、成長痛でもありません。

オスグッド・シュラッター病に対する治療法もいろいろですが、患部に注目しているだけでは、痛みが長引く傾向にあります。

今回のブログでは、当院のオスグッド・シュラッター病に対する考え方と施術法についてご紹介します。

お子さんのオスグット・シュラッター病の痛みが引かずにお悩みの方は、お読み下さい。

Contents

膝関節の構造

  

写真の赤丸で囲まれている部分が脛骨粗面といい、オスグッド・シュラッター病の時に痛みが発生する部位です。

大腿四頭筋は骨盤から出発する大腿直筋と大腿骨から出発する外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つの筋肉で膝蓋骨を介して脛骨粗面に付着します。

大腿四頭筋の主な働きは膝関節の伸展(膝関節を伸ばす)させる働きで、大腿直筋は股関節を屈曲させる働きもあります。

オスグッド・シュラッター病の名前の由来

1903年にアメリカの整形外科医ロバート・ベイリー・オスグッドとスイスの外科医カール・シュラッターが別々に症例を発表したことから、この名がついたと言われています。

オスグッド・シュラッター病とは?

オスグッド・シュラッター病の病態としては、大腿四頭筋の過度な収縮を繰り返すことにより脛骨粗面が刺激を受けて痛みや、脛骨粗面部の膨隆が発症します。

好発年齢は小学校高学年~中学生に多くみられ、男子に多く発生します。

症状

  • 脛骨粗面部の圧痛(押した痛み)
  • 脛骨粗面部の膨隆
  • 膝関節の屈曲時痛(曲げた痛み)
  • 運動時痛

上記が主な症状です。

また、これらの症状がオスグッド・シュラッター病であることの判断材料にもなります。

治療

  • 運動の禁止
  • 大腿四頭筋のストレッチング
  • 装具装着
  • 物理療法

上記が一般的な治療法です。

オスグッド・シュラッター病での治療の流れ

当院で行うオスグッド・シュラッター病に対しての治療の流れを紹介します。

  1. まずは問診をします。
  2. ご希望の方には超音波エコー検査、自律神経の検査を行います。
  3. 体の状態をチェック
  4. ご説明
  5. 治療
  6. 再度、日常生活での注意事項をご説明

というのが一連の流れになります。

次に1番から3番までの項目についてご説明します。

問診

痛みの原因、普段の運動量、運動時のシューズについてお聞きします。

その他、脳疲労の原因となっている事柄が無いか、お聞きします。

超音波エコー検査

上の写真はオスグッド・シュラッター病が発症していない脛骨粗面部のエコー像です。

赤い丸で囲まれた部分が大腿四頭筋が緊張することによって牽引され、隆起します。

症状が長期になるほど膨隆が大きくなっていきます。

自律神経測定

オスグット・シュラッター病の場合も、希望者には自律神経測定を行います。

脳疲労によって引き起こされた自律神経の状態が数値化されます。

  • 痛みが長く続いている。
  • 治療を受けているがなかなか良くならない。
  • 痛みをこらえてストレッチをしている。

このような方は特にお勧めします。

自律神経測定についてはこちらの記事(自律神経測定器のご案内)をお読みください。

体の状態をチェック

膝や大腿部のほかに、体全体の筋緊張や各関節の可動域をチェックします。

当院で行うオスグッド・シュラッター病の治療

オスグッド・シュラッター病での一般的な治療法としては

  • 痛みの出ているの部位のアイシング
  • 大腿四頭筋のストレッチ
  • 電気治療
  • サポーター
  • テーピング

上記の治療法が一般的に行われ、痛みの強い間は運動の休止が指示されます。

ただ、患者さんの中には一般的な治療法や運動の休止ではよくならない方がいらっしゃいます。過去に当院に転院されてきた患者さんも、一般的な治療方法では改善しない方が多くいらっしゃいました。

オスグッド・シュラッター病でも自律神経バランスが関係します

オスグッド・シュラッター病の場合も、脳疲労が原因による自律神経バランスの乱れが影響していることがあります。

脳疲労とは年齢を問わず発生します。脳疲労に関しての考察を下記に引用します。

足や腕の筋肉痛って分かりやすいと思いますが、脳の疲労というのは実に分かりにくかったりしますし時に様々な症状として出ていたりするので余計にややこしくなっています。脳というのは非常に特殊な臓器ではあるので足や腕の筋肉痛のように脳疲労を簡便に説明するのは非常に難しいですが、簡単にかみ砕いて言いますと我々の脳は「理性」、「本能」、「自律神経」を司る大きく3つの部位があってそれぞれがうまく調整し合うことで入ってくる情報を次々と処理をしていますが、それがいわゆるキャパオーバーの状態になってくるとそれぞれが絡み合うカタチで脳の動きが鈍くなってきてしまいます。

京都御池メディカルクリニック

オスグッド・シュラッター病における大腿四頭筋の緊張や脛骨粗面の痛みにも、脳疲労による自律神経バランスの不調が影響しています。

脳疲労の原因としては、勉強や部活の事であったり、コーチや先生との事であったり、家庭内の事であったり友人との事であったりと、実にさまざまなものがあります。その内容はマイナスなことを抱えていることが多いです。

また、運動量が多くオーバーワークになっているお子さんにも、脳疲労が起きる傾向にあります。

ご自身が対応できる量を超えて精神的負担がかかると脳疲労が発生し、自律神経バランスの乱れが発生します。

脳疲労が原因による自律神経バランスの乱れが発生すると、体の負担のかかっている部位や弱点に筋肉の緊張や痛み等の症状が発生します。このことが、大腿四頭筋の筋緊張や脛骨粗面に痛みを出す原因になります。

大腿四頭筋のストレッチ

ちなみに一般的には行われることが多い大腿四頭筋のストレッチですが、当院では行わず、患者様への指導もしません。

その理由としては、大腿四頭筋の硬さが痛みの原因ではないからです。

先ほど、ご説明したように大腿四頭筋の硬さや脛骨粗面の痛みを出している脳疲労の改善が第一優先になります、

脳疲労が解消されれば、痛い膝に対して無理にストレッチをしなくても筋肉の柔軟性も回復し痛みで曲がらない膝の可動域も改善します。

以前、他院から転院されてきた患者さんのお母さんに「前に通院していた接骨院では、施術の度に痛いストレッチをされ、接骨院の玄関を出た後に痛くて泣くんですよ。」といった事もありました。

痛みの出ている膝に対して負荷のかかるストレッチをすると言う事は、まだ小さな患者様に対して拷問以外の何物でもないと考えます。

また、一生懸命ストレッチをしても症状の解決には繋がりません。

オスグット・シュラッテル病のサポーター

膝のサポーターもいろいろな種類のものが発売されていますが、オスグット・シュラッテル病に対してのサポーターも発売されていますのでご紹介します。

オスグット・シュラッテル病のサポーターはシュラッテルバンドと呼ばれています。膝蓋骨(お皿の骨)と赤い丸の脛骨粗面の間にパットが当たるようにしてベルトを締めます。この時血流障害に注意します。

患部の負担を減らすための目的で使用します。

オスグット・シュラッテル病のテーピング

オスグット・シュラッテル病のテーピングについて動画を作成しました。

サポーターと同じように患部の負担を減らすために行って頂きます。

キネシオテープを使用してテーピングを貼ります。テーピングを貼るときのコツは引っ張らないように貼ることです。詳しい貼り方やテーピングを貼る前の準備に関しては、動画をご覧下さい。

当院で行うオスグット・シュラッテル病に対しての治療例

実際の症例をご紹介いたします。

症例

性別 男

年齢 11歳

原因

ミニバスケットをしている患者さんで、徐々に右膝の痛みが出現する。市販薬で市販薬で様子をみていたけど痛みが引かないので近所の接骨院を受診する。

近所の接骨院では、電気治療、ストレッチ、サポーターの治療を受ける。痛い間は運動の休止を指示される。

約3か月通院するも痛みが改善が見られず、知人より当院を紹介され来院する。

最後の頃にはこの膝の痛みは「成長痛だから、ある程度はしょうがない」と言われたという事です。

発症から4か月経過後に当院に転院されました。

来院時初検

ご本人の訴え

  • 膝を曲げると痛い
  • 膝の出っ張りを押すと痛い
  • 治らないんじゃないかという不安

このような訴えがありました。

まずは患部の状態を確認します。その時に超音波エコー検査を行い左右の膝を確認します。超音波エコー検査にて、左右を比較すると痛みの出ている膝の脛骨粗面に隆起がありました。

今までの治療で痛みが改善しなかったこという事は、的が外れているという事と痛みの原因が他にあることを説明して治療に入りました。

脳疲労に関してお聞きしたところ、該当する項目がありました。

初診時にBFI療法を用いて治療し、膝が曲がるようになり脛骨粗面の痛みにも変化を感じてもらえました。その時の患者さん本人のうれしそうな顔とお母さんのびっくりした表情が印象的でした。

その後、治療を繰り返すことで膝関節の痛みは薄れていき、それと同時に体の緊張も緩和し、運動復帰となりました。

まとめ

今までに当院に来院されたオスグッド・シュラッター病の患者さんには、体全体を評価してBFI療法を行うことにより良好な治療成績をあげています。

オスグッド・シュラッター病における大腿四頭筋の緊張や脛骨粗面の痛みにも、脳疲労による自律神経バランスの不調が影響しています。

脳疲労の原因としては、勉強や部活の事であったり、コーチや先生との事であったり、家庭内の事であったり友人との事であったりと、実にさまざまなものがあります。

運動量が多い子ほど脳疲労が起きやすい傾向もあります。

オスグット・シュラッター病も脳疲労が密接に関係しています。

子供ながらにも、体はもとより、脳疲労(脳が疲れている状態)が発生していることが多くあります。

運動での疲れも、筋肉の疲労ではなく脳疲労が原因という報告もあります。

運動量が多い子ほど脳疲労が起きやすい傾向もあります。

オスグッド・シュラッター病の痛みが改善しないでお困りの方、膝に電気治療をしてストレッチしているだけでは痛みの改善が厳しいと思います。

また、湿布を貼って様子を見てはいけません。

早期に施術をする事により、運動復帰までの時間が短縮されます。

以前も、ご紹介したように、脳疲労による痛みは、シップや飲み薬や電気治療では改善しません。

今までとは違うオスグット・シュラッター病に対する考え方や治療法ですが、ぜひ一度体験して頂きたいと思います。

学生生活はあっという間ですし、痛みで運動ができない我が子を見ているのもつらいものがありますよね。

お困りの際は、牛久市の蛯原接骨院にご相談またはご来院ください。

ABOUTこの記事をかいた人

蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。