当院では無血整復技法という代々伝わる技法にて、骨折の保存療法に当たっています。
今日は、手首の骨折の中でも発生頻度が一番高い前腕下端部骨折の一種の「コーレス骨折」についての整復法(ずれた骨を元の位置に戻す治し方)を動画にまとめてみました。
今回は手首の骨折に関しての整復動作の動画ですが、手首の骨折だけではなく、各部位の骨折ごとにそれぞれ整復法・固定法などが確立されています。
今回のブログでは、けがをして骨が折れたりずれてしまったときに、手術をする方法としない方法についてまとめてみましたのでご覧ください。
Contents
骨折の治療方法
前回のブログでもご紹介しましたが、手首の骨折に限らず、骨折した部位に骨のずれ(転位)が起きた場合、ずれた骨を正しい位置に戻す必要があります。
その方法の選択肢として、保存療法と手術療法というものがあります。
保存療法とは、手術をせずに骨折を治す方法です。
もう一つの手術療法というのは、皮膚を切開してずれてしまった骨を正しい位置に戻し、金具によって固定するという方法です。
特定の条件以外の骨折に対しては、保存療法が骨折治療の第一選択になります。
特定の条件とは
- いい位置に骨を戻せなかった場合
- 固定中に骨がずれてきた場合
- ずれやすい骨折の仕方だった場合
- 開放性の骨折
- 粉砕骨折
等が考えられます。
手術をしたほうがいい骨折
また、骨折を起こした部位によっても手術療法をお勧めします。特に下肢(主に大腿骨)の骨折は、骨折を起こした部位によっては骨癒合が期待できないことや、骨癒合までに長期間を必要とする為、手術療法の適応になります。
ベッド上で安静にしていると、筋肉の重量は1日で約3%減少するといわれております。よって、早めに骨を安定させることによって早期にリハビリに移行したほうが日常生活への復帰がはやくなります。
骨折治療には保存療法をお勧めします
それ以外の日常でのけがで起こる四肢の骨折においては、基本的には保存療法が第一選択肢となります。我々柔道整復師は、骨折の保存療法を得意としております。
しっかりと整復ができて適切な固定と管理ができれば、傷跡を残すことなく、また感染のリスクを伴わずに骨折を治すことができます。
骨折を正しい位置に戻すためには、解剖学の知識はもちろんですが、実際の整復を想定して一連の整復動作が身につくまで訓練(練習)が必要となります。
整復動作は繰り返し行ってはいけない
しかし、骨折の患者さんの転位を一度で戻し切れずに繰り返し整復動作を行うと、骨折面が摩耗して骨折部が不安定な状態になってしまいます。
過去には、他院で繰り返し整復動作を受けたものの、骨の位置が戻らずに手術をすすめられて、その当日に当院に相談されてきた方もいらっしゃいます。
こちらのブログ記事にも記載しましたが、例えば手首の骨折の場合であれば、当院ではほとんどの骨折を徒手での整復動作のみで骨折のずれを治すことができます。
橈骨下端部の整復動作の動画
今回の動画の内容は専門的な内容ですが、患者さんにもわかりやすいように、なるべく専門的な言葉を使わずに作成したつもりです。
動画内でご紹介した整復法ですが、実際の場合は年齢・骨のずれ方に合わせて力の入れ具合や捻り具合は調整して行います。
それでは、実際の動画をご覧ください。
橈骨下端部の際に行われる手術動画
同じ橈骨下端部骨折の治療で行われる手術療法のイラスト動画もご紹介します。
実際の手術動画も検索すれば見ることが可能ですが、皮膚の切開部分などもあるためにイラスト動画を選択しました。
実際の手術動画をご覧になりたい方は「橈骨下端部骨折 手術 動画」で検索してみてください。
まとめ
繰り返しになりますが、骨折治療の選択肢としては保存療法と手術療法があります。特別な場合を除けば保存療法が第一選択になります。
手首の骨折は、手術をしなければ治らないということはありません。ただ、気を付けなくてはいけないのは、ある一定期間が経過すると骨の修復作用により、たとえ曲がったままでも骨同士がつながっていればそのまま骨がくっついてしまいますので、早めの判断が必要になります。
「曲がった状態で骨がついてしまい主治医から手術を切り出された」ということで相談に見える方もいらっしゃいますが、骨がついてしまってからでは手術なしに形を元に戻すことはできません。
もし、骨折されたのちに現在受けている治療に不安を感じているようであれば、当院に一度ご相談ください。
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