お子さんの成長(低身長や低体重)を心配している方に向けて栄養や体操を含めたお話しです

当院では、超音波エコー検査機を使用して、身長が伸びるかどうかのチェックを行っています。

また、当院ではご自宅で行える、身長が伸びる為に必要な運動や、成長に必要な栄養素についてもお伝えしています。

日々の診療での会話の中で「今後、身長がどれぐらい伸びるのか気になる」という中高生の患者さんが多い事もあり、ご希望の方に骨の測定と栄養指導を行っています。

低身長・低体重の原因が内科系の疾患でなければ、栄養素や運動に気を付けることにより体の成長に大きな差が出てきます。

遺伝だからとあきらめる必要はありません。

今回のブログでは、骨の成長に関係する事や、体の成長に必要な栄養素や運動についてご紹介致します。

Contents

骨の成長について

上のイラストは上腕骨という腕の骨です。

骨の成長を見るうえで重要な指針となる骨端線という軟骨層があります。

黄色い枠で囲ってあるのが骨端線です。

骨端線は、成長期の骨に存在し、成長が終わった骨では骨端線が閉鎖します。

骨は全体的に大きくなっていくわけでは無く、この骨端線が成長していく事で大きくなっていきます。

低身長を低体重を及ぼす原因

低身長・低体重の原因として考えられる代表的なものをご紹介します。

  1. 脳腫瘍
  2. クッシング症候群
  3. 骨・軟骨の病気
  4. 慢性腎不全
  5. 甲状腺機能の低下
  6. 心理的な原因
  7. ステロイド剤の長期内服
  8. 栄養不足
  9. 不規則な日常生活

その他に、身長の伸びに対しては、成長ホルモンが十分に出ていないために身長が十分に伸びていない「成長ホルモン分泌不全性低身長症」という場合もあります。

低身長を及ぼす原因として内科系疾患も考えられますので注意が必要です。問診や超音波エコー検査、施術において内科系疾患が疑われる場合には、適した医療機関をご紹介いたします。

当院では8番の栄養失調と9番の不規則な日常生活が原因で起きる低身長・低体重についてのお話̪しをいたします。

子供の平均身長と平均体重

文部科学省が調査した、令和2年度の平均身長と平均体重についての男女別のグラフを引用します。個人差はあると思いますが、ご自身のお子さんの身長・体重を照らし合わせてみて下さい。

令和2年度の平均身長

 

文部科学省 令和2年度学校保健統計調査の公表についてより引用

令和2年度の平均体重

 

文部科学省 令和2年度学校保健統計調査の公表についてより引用

もちろん身長、体重ともに個人差がありますので、このグラフと比べてみて身長が低かったり、体重が軽いという方もいらっしゃると思います。身長や体重が平均以下でも、がっかりする必要はありません。

骨端線に対する超音波エコー検査

当院で行う超音波エコー検査では、骨端線の状態を確認します。

当院で使用している超音波エコー検査器についての説明は下記をご覧下さい。

当院では捻挫・打撲・骨折・脱臼・肉離れ等の怪我に対し超音波観察装置(エコー)による検査が可能です

成長が進むにつれて骨端線が閉鎖してきますので、その状況を確認してお伝えします。

骨端線がしっかりと確認できれば、まだまだ身長が伸びます。

逆に、骨端線が閉鎖しそうな状況であれば身長の伸びも緩やかになります。(もう、あまり身長は伸びないと言う事です。)

また、骨端線が閉鎖していれば、今後大きく身長が伸びる可能性は少ないと考えられます。

下のレントゲン写真は手の親指が骨折を起こした状態のレントゲン写真です。

 

続いて、骨端線のない大人の指のレントゲン写真です。

成長期のお子さんの骨と、身長が止まってしまった大人の骨では末端部の軟骨層がありません。

このように大人の骨と成長期のお子さんの骨には違いがあります。

この、骨端軟骨は指だけではなく、様々な骨に存在します。

 

次に先ほどの指の部分に超音波エコー検査を行った画像です。

下の写真は画像を圧縮していますので、実際にはもっときれいな画像を確認していただけます。

超音波エコーを使用すると、放射線被曝をすることがなく四肢の各関節をチェックすることが可能です。

成長に関係する栄養素

成長に関する栄養素についてですが、以前のブログでご紹介した精神科医の藤川先生の理論を参考にお伝えしています。

藤川先生は、タンパク質やビタミン等の重要性を唱え、質的栄養失調についてSNSで情報発信をされています。

また、タンパク質やビタミンが心や体の成長にも密接に関係していると仰っています。

また、お子さんからお年寄りまでの各疾患に対する症例報告をして頂いています。

下記は低身長認定を受けた小学生のお子さんの症例報告です。

ADHD+自閉症スペクトラムの小学生
症例;小学5年生、男性。
小学4年生の時、低身長で認定を受けた。
ADHD+自閉症スペクトラムと診断されている。
協調運動障害あり。
人とのコミュニケーションが苦手。
小学3年生までは授業中にウロウロしていた。
喘息あり。
母親が本を読み、R1.5当院受診。
131cm、26.5kg、
他院での採血、BUN12.0、フェリチン22。
少し前から、卵、肉を増やしている。
量は食べられる。
→インクレミン処方。
プロテイン*2。
アドバンストフェロケル、ナイアシンアミド、C1000開始。
R1.6、
プロテイン10g*2が飲めている。
ナイアシンアミド500*2+C1000*2。
・体力がついた。
・運動会の練習がこなせた。
・勉強の理解が良くなった。
R1.7、
プロテインが美味しいと言って、自ら作って飲める。
・雨、暑さに左右されなくなった。
R1.8、
BUN13.7、フェリチン54。
・忘れ物は多い。
・頭の回転は良くなった。
R1.11、
・落ち着きが出てきた。
・しかし、忘れ物が多い。
→ナイアシンアミド増量、B50追加。
R1.12,
ナイアシンアミド500*4飲める。
B50は苦手であまり飲めない。
R2.1、
・1年で6cm伸びた。
・漢字テスト、計算テストが今までの最高点が取れた。
・会話が上手になった。
R2.3、
BUN18.5、フェリチン63。
・とても大人しくなった。
・しかし、鉄を切らすと症状が再燃し、多動になる。
→E400追加。
(この頃からは不定期に通院)
R2.12、
・勉強が出来るようになり、成績が上がった。
・朝起き良く、体力がついた。
・指示が通り、ほぼ普通。
R3.2、
142cm(+11cm)、30kg(+3.5kg)。
BUN15.7、フェリチン92。
プロテイン10g*2。
ナイアシンアミド500*4、B50*1、C1000*2、E400*1。
・自分で朝起きられるようになった。
R3.3、
・20分走、クラスで完走できたのか本人を含めて2人のみ。
・喘息が出なくなった。
・一年間無欠席だった、クラスで1人のみ。
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約2年で体力がつき、優等生になった。
タンパク質、鉄が成長に使われるため、BUN、フェリチンの数値がなかなか上がらない。

残念ながら、市内には、藤川先生の理論を用いて診察を行っている先生はいらっしゃいません。

一般的に言われている成長に必要な内容とは違いますので、なかなか受け入れづらい面はあると思います。

ただ、今までの常識をすてて、取り組むだけの価値が十分にあると思います。

当院の待合室には、
  • うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった
  • うつ消しけしごはん
  • メガビタミン健康法
  • すべての不調は自分で治せる
  • 食事でよくなる!子供の発達障害

等の藤川先生やともだかずこさんの著書がおいてあります。手に取ってご覧いただけます。

 

当院でお話している内容を少しご紹介しますと、骨の成長にはカルシウムやマグネシウムも大事ですが、何よりもたんぱく質摂取を第一優先にするようお話ししています。

一番手軽で安価なものでタンパク質摂取ができるのは卵です。

卵1個のタンパク質量は約6gです。また卵にはタンパク質だけではなく、ビタミン・カルシウム・鉄などの栄養素が豊富です。

骨が成長するために必要なホルモンが、骨端部の軟骨細胞に働きかけることにより、細胞が増殖して骨が伸びていきます。

たんぱく質は、軟骨細胞の原料となり、骨の成長に関しても重要な役割を果たしています。

また、これらの栄養についてのお話は、発達障害(発達個性)の改善にもつながる内容になります。

骨の成長に必要な運動

骨は、骨に必要な刺激を与えることで強くなり、成長していきます。

したがって、成長期に定期的な運動は骨への適度な刺激となり、骨の成長にいい影響をもたらせます。

当院では、自宅でも行える簡単な方法を2つお伝えします。

睡眠時間の確保も骨の成長には重要です

睡眠時間の中でも身長を伸ばすためのゴールデンタイムが存在します。

調べてみると、午後10時から午前2時の間という説や睡眠し始めてから2~3時間という説もあります。

どちらにしても、午後10時ころには布団に入って夜更かしせずに、ある程度の睡眠時間を確保することが好ましいと思います。

まとめ

個人差はありますが、骨年齢が男子では17歳以上、女子では15歳以上になると、骨端線が閉鎖して骨の成長が止まると言われています。

我が子の成長はとても気になりますよね。

早めに骨の成長に必要な栄養や運動を身体に満たすことにより、心や体の成長にも変化が出てきます。

我が家にも食べ盛りの子供たちがいますので妻が試行錯誤してくれています。

ちなみに、我が家は1日1パックの卵を消費しています。

成長は、遺伝だけが関係するわけではありませんので、色々と実践して頂きたいと思います。

骨の成長が止まってしまってからでは効果がありません。

「もっと早く知りたかった・・・」「もっと早くからやればよかった!」と悔やむことが無いように、今日から始められることもありますので、早めの対策をお勧めします。

検査を希望の方は、受付で申し出て下さい。

また、その際の費用は自費負担となります。

 

まずは、お気軽にご相談ください。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。