半月板損傷は痛みの原因になるのか?・牛久市役所近くで転倒して当院に来院された症例をご紹介します

膝関節の怪我の中でも、半月板損傷は靱帯損傷に並んで多くみられます。

発生原因も様々ですが、スポーツのみならず日常生活上の何気ない動作が原因の場合もあります。

他院で「膝の痛みの原因は半月板損傷によるものです」と診断を受けてから、当院に来院される方も多くいらっしゃいます。

半月板の損傷状態にも様々なものがあり、中には半月板が骨と骨の間で引っ掛かり、膝関節が動かなくなってしまうこともあります。(ロッキング)

また、半月板損傷と言われた膝の痛みでも痛みの原因は半月板には無く、脳疲労痛みの原因になっている場合が多々あります。

今回のブログでは、当院の半月板損傷に対しての考え方と実際の症例をご紹介致します。

半月板とは

半月板は、膝関節の関節包内に存在し、膝関節にかかる衝撃の吸収や分散などに役立っています。

半月板は左右で形が異なり、内側の半月板のほうが大きくなっています。

膝の屈伸に伴って半月板も動き、内側半月板が6mm程度、外側半月板は12mm程度前後に移動します。

半月板の周囲は、関節包という関節を包む袋と繋がっており、半月板の血管も部分的には走っていますが、全体の10-25%までしか血行がありません。

よって、一般的には、血行がある部位以外の損傷は自然に治癒しないとされています。

半月板は線維軟骨という軟骨で出来ています。関節部分にある軟骨と同じで半月板自体が損傷を受けた際に、痛みを感じる神経がありません。

過去に膝に痛みなどの症状がない方(無症状)を集めてMRI検査をしてみたところ、60代以上の方の60%以上の方に(無症状にもかかわらず)変性や断裂を認めたと言う報告もあります。

早い方では40代から半月板の変性や断裂が見つかったようです。

半月板損傷とは

怪我に伴って起きる半月板損傷では主に内側の半月板の損傷が多くみられます。

発生の仕方としては、足首が固定された状態で上半身が捻じられて膝関節が強く捻じられると発生します。

内側半月板は、内側側副靱帯・前十字靱帯と部分的に癒合している為、靱帯との合併損傷となることも多いです。

半月板単独損傷の主な症状は、痛みではなく関節水腫と膝のロッキングです。

膝関節のロッキングとは半月板が膝関節の中で引っ掛かり動かなくなる状態です。

損傷の形も様々で損傷状態から下記のようにに分類されます。

日本整形外科学会より引用

半月板損傷の診断方法

半月板の診断には、第一段階として主に半月板に圧を加えて診断する方法の徒手検査が行われます。

関節水腫が貯まっている事も半月板損傷の診断材料になります。

当院では問診にて怪我の発生状況をお伺いした後、徒手検査・超音波エコー検査等を行い、半月板損傷があるかどうかを確認します。

また、レントゲンには半月板はうつりませんので、レントゲンのみで半月板損傷を診断する事はできません。

半月板の断裂状態を確認するにはMRI撮影が最も適しています。MRIであれば半月板の状態が確認できます。

当院では靱帯損傷を合併している可能性の高い方には初診時にMRI検査をご案内しています。

また、ロッキングを繰り返している方にもMRI検査のできる医療機関をご紹介します。

半月板損傷の治療法

基本的には保存療法が選択されることが多く、即手術となる事は少ないようです。

まずは物理療法と膝関節の固定が施され、歩行が困難な場合には松葉杖を使用します。

当院でも半月板損傷が疑われる方には、膝関節の固定と松葉杖歩行を行って頂きます。

その他に医療機器を使った物理療法やBFI療法を行います。

半月板損傷後の痛みにも脳疲労が関係していることがあり、半月板損傷と診断を受けた膝の痛みや半月板の内視鏡の手術後に残る痛みにもBFI療法が有効なケースがあります。

また、私が所属するBFI研究会の主宰者の先生より、半月板のロッキング(嵌頓症状)に対しても、BFI療法を行うとロッキングが外れて膝がスムーズに動くようになったとの症例報告がありました。

当院に来院した半月板損傷の症例

当院に実際に来院された症例をご紹介します。

年齢

60代

性別

男性

原因

日課のウォーキングで牛久市役所近くの歩道を歩いていたところ、段差に足が引っ掛かり転倒する。その時に膝関節を捻る。

来院時の症状

  • 膝関節の痛み
  • 膝関節の腫脹
  • 膝関節の屈曲制限
  • 膝関節水腫
  • 徒手検査陽性

当院来院時の処置

上記の症状がみられた為、物理療法とBFI療法を行いました。同時に副子による膝関節固定を行いました。

半月板損傷時の固定期間

この患者さんの場合は関節水腫が落ち着くまでの間、2週間の副子固定を行いました。

松葉杖は2週間経過時に片方の松葉杖にしました。

副子固定を除去した後は、患者さんと相談してサポーターを装着して頂きました。

予後

定期的に通院して頂き、物理療法やBFI療法を行いました。

経過をみて大腿部と下腿部の筋力トレーニングも行いました。症状の回復に伴って膝の動きの改善もみられました。

日課であるウオーキングを再開するまでには初診時より3か月弱かかりました。

まとめ

半月板損傷と言われた膝の怪我や痛みも、脳疲労が原因となり痛みが出ている場合があります。

上にも書いた通り、半月板には痛みを感じる神経がありませんので、痛みの直接の原因は半月板以外の所にあると考えられます。

「膝の痛みの原因は半月板損傷が原因です」と言われて手術するかどうかお悩みの方には是非、手術をする前にBFI療法をお試しいただきたいと思います。

膝関節を捻る前から抱えていた脳疲労が、膝の痛みの誘因となる場合もあるからです。

現在、当院では、半月板のロッキングを頻繁に起こしている症例には、内視鏡による手術をお勧めしています。

ただ、ロッキングがBFI療法によって改善されたとの報告もありましたので、今後、症例経験を積み重ねていきたいと思います。

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蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。