骨折をした時の骨癒合期間(骨折した骨がつく期間)の目安について

私は、小学生時代の肘の骨折をはじめに、手首と足の親指、あとは肋骨骨折の経験があります。

骨折すると、不自由だし、とっても痛いし、早く良くなりたいですよね。

また、固定期間中の方は、どの位で骨がつくのか気になりますよね。

骨折を起こした骨によって、期間の違いがありますが、骨癒合(骨がつく)の目安というものがあります。

今回のブログでは、骨がつく期間の目安について、実際の症例を含めてご紹介いたします。

Contents

骨折の修復過程

まず、骨折した時の修復過程について、まとめてみます。

①炎症期
骨折の起こった直後から骨軟骨形成(仮骨形成)が生じるまでの期間。

骨折部の血管は損傷され血腫が形成され、骨折端では血流が遮断されるために、骨折部の細胞が死ぬ。

また、骨形成細胞の増殖が骨髄内・骨膜周囲の軟部組織からも毛細血管の増殖が起こる。

②修復期
骨折部位を取り囲んで、新しく形成された修復組織に骨形成および軟骨形成が生じる。

骨形成は主として、骨折部からやや離れた骨膜下にみられ、膜性骨化が起こる。

③再造形期
形成された仮骨が層板骨に置換される程度である。

海綿骨化した仮骨は再造形によって、皮質骨と骨髄腔が形成され、仮骨量の減少とともに構造も正常化する。

この再造形を完了するのに数年間を要する。

これだとよくわからないですよね。

ただ、骨折の起こった直後から骨折部を修復させる働きが起こっています。

当院での骨折治療は、ギプスを巻いて骨がつくまで待つだけではありません。

骨がつくまでの間には、BFI療法でCRPSの発生を予防したり、微弱電流を骨折部に通電して、骨折部の修復を早めます。

微弱電流の効果は、細胞レベルで組織を修復する事と、発痛物質の除去=痛みの抑制効果があります。

骨がつく期間の目安とは

学生時代の教科書に「グルトの骨癒合日数」というものが載っています。

グルトの骨癒合日数とは、骨が硬化する日数の目安です。

分かりやすくいえば、骨折した時に、その骨がつくまでの日数の目安ですね。

ただし、骨がつくまでの日数の目安というのは、骨折が治ってしまう日数ではありませんのでご注意下さい。

中手骨 ―――― 2週間
肋骨 ――――― 3週間
鎖骨 ――――― 4週間
前腕骨(橈骨・尺骨) ――― 5週間
腓骨 ――――― 5週間
上腕骨骨幹部 ――― 6週間
脛骨 ――――― 7週間
下腿両骨 ――― 8週間
大腿骨骨幹部 ――― 8週間
大腿骨頸部 ――― 12週間

あくまで目安の期間となります。

固定期間について疑問をお持ちの方へ

このように、骨がつく期間には目安があります。

骨折中の方は、ご自分が病院の先生から言われた期間と比べてみて参考にしてみて下さい。

実際には、年齢や骨折してからの過ごし方や治療状況・栄養状態によって違いが出てくると思います。

ちなみにレントゲン画像上で骨折線が消える状態まで固定するすると、固定期間が長期となり機能回復が遅れます。※年齢により骨癒合期間の違いがあります。

勿論、固定期間は必要なんですが、必要以上に長くする必要はありません。

レントゲン写真上で骨折線が確認で来ても、ある程度の期間が経過していれば修復は進んできており、患部は安定してきています。

当院で行う超音波検査でも仮骨(新しい骨)を確認する事が出来ます。

当院では定期的に超音波検査を行いますので修復過程を患者さんの目でご確認して頂けると思います。

まとめ

骨がつく期間はには、大体の目安があります。骨折した部位の違いや年齢の違い、患者さんの栄養状態によって多少の違いはあります。

上にも書きましたが、レントゲン写真で骨折線が見えなくなるまで固定していては、固定期間が長すぎてしまいます。

受診した先生によっても、固定期間に違いがあるのではないかと思います。

今回のブログが固定期間に疑問をお抱えの方の参考になれば幸いです。

ABOUTこの記事をかいた人

蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。