【牛久市 蛯原接骨院】鎖骨骨折 保存療法|手術しない整復・固定・リハビリで早期回復

「ある日突然、鎖骨を骨折してしまった…」

スポーツ中のアクシデント、不意の転倒、自転車での事故など、鎖骨骨折は予期せぬ瞬間に訪れます。激しい痛み、思うように動かせない腕、そして「これからどうなるのだろう?」「ちゃんと元の生活に戻れるのだろうか?」という大きな不安…本当にお辛いことと思います。

特に、手術以外の方法である「保存療法」で回復を目指すことになった、あるいはそれを希望されている場合、具体的な治療の流れや本当にきれいに治るのか、様々な疑問や心配事が頭をよぎるのではないでしょうか。

Contents

 鎖骨骨折の保存療法、こんなお悩みありませんか?

患者さん
「保存療法と決まったけれど、固定やリハビリはどう進むのだろう?」
「できるだけ後遺症なく、早く普段の生活に戻りたい!」
「スポーツや仕事への復帰はいつ頃可能なんだろう…」

鎖骨骨折の保存療法を進める中で、このような具体的な疑問やご希望をお持ちの方は少なくありません。

  • 学生アスリートの方へ: 大切な試合や目標に向けて、最善のコンディショニングと早期復帰を実現したい。

  • 子育て世代・主婦(夫)の方へ: 日々の忙しい生活の中で、無理なく確実に回復する方法を知りたい。

  • お仕事をされている方へ: スムーズな現場復帰、社会復帰のために、今できる最善のケアを受けたい。

  • ご高齢の方へ: 今後の生活の質を維持するために、安心して確かな回復を目指したい。

  • ご自身の意思でベストな選択をしたい方へ: 保存療法という選択肢の中で、後悔のないよう最善の結果を追求したい。

牛久市の蛯原接骨院は、こうした多様なニーズに応え、鎖骨骨折の保存療法における豊富な経験と専門知識をもって、数多くの患者様をサポートしてまいりました。画一的な対応ではなく、お一人おひとりの状態と目標に合わせた、当院ならではのアプローチを大切にしています。

特に、以下の3点に徹底的にこだわっています。

  1. 「初期の整復」: 骨片の位置をできる限り本来あるべき状態に整えることの重要性。

  2. 「機能的な固定」: 腕の重みや筋肉の作用まで考慮した固定法。

  3. 「専門的リハビリ」: 将来的な後遺症を残さないための段階的機能訓練。

このブログを通じて、鎖骨骨折の保存療法に関する正しい知識と、当院の考え方・技術に触れていただくことで、あなたの不安が少しでも解消されれほ幸いです。

※接骨院でのケガの対応について※
私たち柔道整復師は、国が認めた資格を持ち、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷といった運動器のケガに対する施術を専門としています。鎖骨骨折が疑われるようなケガをされた場合、適切な初期対応が非常に重要です。当院では、患部の状態を評価し、必要な応急処置(固定など)を行うことが可能です。

その上で、今後の適切な対応やケアプランについてご説明させていただきます。なお、骨折や脱臼の継続的な施術には、当院の顧問医による検査と同意が必要になります。ご自身の判断だけでなく、まずはお気軽に当院へご相談ください。

まず基本から「鎖骨骨折」とはどんなケガか?

ご自身のケガについて正しく理解することが、回復への第一歩です。

鎖骨ってどこ?どんな役割?

鎖骨は首の付け根、胸の前の左右にある細長いS字カーブの骨です。胸骨と肩甲骨をつなぎ、肩や腕のスムーズな動きを支える重要な役割を担っています。また、腕へ向かう神経や血管を保護する役割もあります。

なぜ鎖骨は折れやすいの?

鎖骨は皮膚からの距離が近く、直接的な衝撃を受けやすい上に、S字カーブの中央付近(中外1/3境界部)は構造的に力が集中しやすいため、転倒して手をついたり、肩を直接ぶつけたりすることで比較的骨折しやすい部位と言えます。

骨折のタイプと、知っておくべき「骨片転位(こっぺんてんい)」

骨の折れ方は様々で、お子さんに特有の若木骨折、完全に折れる完全骨折、複数に折れる粉砕骨折などがあります。

さらに重要なのは「骨片転位(こっぺんてんい)」つまり骨が元の位置からずれてしまうことです。鎖骨骨折では、この転位が高頻度に見られます。

なぜ「ずれ」が起こるのか?

折れた骨片は、周りの筋肉の引っ張る力と、腕そのものの重さによって、以下のような方向にずれやすい傾向があります。

  • 内側の骨片(中枢片): 上後方にずれやすい。

  • 外側の骨片(末梢片): 腕の重みで下方にずれやすい。

  • 全体として: 筋肉の影響で短縮する(内側に縮む)方向にずれやすい。

この「転位」を、受傷後できるだけ早期に、可能な限り良好な位置に戻し(=整復)、その状態を維持する固定を行うことが、機能的・整容的(見た目)に良好な回復を得るための極めて重要なポイントとなります。

これって鎖骨骨折?主な症状をチェック

  • 骨折部分の強い痛み(特に腕を動かした時)

  • 急激な腫れ、あざ(皮下出血)

  • 肩のラインの変形(盛り上がりやへこみ)

  • 腕が上がらない、動かせないほどの痛み

  • 痛みを避けようと無意識に腕を支える、首を傾ける姿勢

  • まれに、動かした際の異常な感触(軋轢音)

これらの症状が見られた場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診しましょう。

手術しない「保存療法」- その意義と進め方

鎖骨骨折を「保存療法」で治療する場合、その基本的な考え方と流れを知っておきましょう。

保存療法の基本:身体が持つ治癒力を最大限に活かす

保存療法は、手術に頼らず、体が本来持っている骨を治す力(自然治癒力)を最大限に発揮させることを目指します。そのために、適切な「整復」「固定」「栄養補給」「施術」によって骨がしっかりとくっつく(骨癒合:こつゆごう)ための最適な環境を整えます。

保存療法における接骨院の役割:より良い骨癒合環境と機能回復のサポート

保存療法で良好な回復を目指すには、運動器(骨・関節・筋肉)への専門的視点が役立ちます。骨片を適切な位置に整復し、骨癒合を促す効果的な固定を行うことで、回復を妨げる要因を減らします。さらに、固定除去後の社会復帰やスポーツ復帰を円滑にするため、計画的なリハビリテーションでしっかりとサポートいたします。

保存療法のメリットは?

  • 手術に伴う身体への侵襲がない

  • 感染症のリスクが極めて低い

  • 入院期間が不要または短期間で済む場合が多い

  • 手術痕が残らない

保存療法を進める上で知っておくべきこと

一方で、以下のような点も理解しておく必要があります。

  • 変形治癒: 骨が完全に元の形状に戻らないことがあります。多くは機能障害を残しませんが、見た目の変化が残る可能性があります。

  • 固定期間の不便さ: 日常生活がある程度制限されます。

  • リハビリの重要性: 固定により関節の硬さや筋力低下が生じるため、機能回復にはリハビリが不可欠です。

  • 偽関節(まれ): ごくまれに骨癒合がうまくいかず、追加の処置が必要となる場合があります。

これらの点を踏まえ、納得のいく治療選択をすることが大切です。

なぜ初期の「整復」が回復を左右するのか?

「折れたら固定」だけでは不十分な場合があります。特に骨のずれ(転位)がある場合、いかに早期に、そして適切に「整復(骨片の位置を整えること)」を行うかが、その後の回復過程と最終的な結果に大きく影響します。

転位(ずれ)をそのままにすると?

  • 機能面: 肩の動きが悪くなる、力が入りにくくなるなどの後遺症につながる可能性があります。

  • 整容面: 見た目の変形が残ってしまうことがあります。

  • 神経・血管面(まれ): 大きなずれが神経や血管を圧迫し、問題を引き起こす可能性があります。

  • 治癒面: 骨癒合が遅れたり、偽関節のリスクを高めたりする要因になりえます。

クラビクルバンドの限界?全てのケースに万能ではない理由

一般的に使用される鎖骨固定帯(クラビクルバンド)は有用な固定具ですが、骨折のタイプ、特にずれの大きいケースでは、それだけでは良好な位置を保てない場合があると考えています。下方へのずれや短縮するずれに対して、より積極的な位置補正と維持が必要となるケースもあります。

回復の土台を作る「整復」:早期対応が鍵

鎖骨骨折の良好な回復には、最初に骨片を適切な位置に戻す「整復」が、しっかりとした骨癒合とスムーズな機能回復のための重要な基礎となります。時間が経つと整復自体が困難になるため、可能な限り早期の的確な整復処置が、より良い結果を得るために非常に重要です。

牛久市の蛯原接骨院が実践する!こだわりの独自アプローチ

当院では、鎖骨骨折の保存療法に対して、最善の結果を目指すためのこだわりを持って施術にあたっています。

評価:的確な判断のために、状態を詳細に把握

ケガをした状況、現在の症状、骨折部の状態、ずれの程度などを詳細に把握することから始まります。

問診と観察:情報収集

受傷時の詳しい状況や現在のお困りごと、ご不安な点を詳しく伺います。同時に、患部の腫れや変形、皮膚の状態などを視診・触診で確認します。

エコー(超音波画像観察装置)の活用:骨表面の状態を視覚的に確認

補助的な評価手段としてエコーを使用し、骨表面の形状や骨片のずれをリアルタイムで観察します。

整復:骨片を本来の位置へ、専門技術でアプローチ

転位がある場合、可能な限り解剖学的に良好な位置に戻すための整復操作を行います。

整復の基本原則:力学に基づいた最適化

主に、下方にずれやすい末梢片(肩側)を挙上し、短縮転位(縮むずれ)を軽減する方向に、安全に操作します。

当院の整復補助具(鎖骨整復台)の活用:より効果的な整復のために

必要に応じて、当院で独自に用意している整復補助具(鎖骨整復台)を使用することがあります。これにより、胸郭を無理なく拡大させ、短縮転位を軽減しながら、より安定した状態で整復操作を行うことを目指します。(※患者様の状態により使用しない場合もあります)

   

固定:「腕の重み」管理がポイント!当院独自の固定戦略

良好な整復位を維持するための固定を行います。個々の状態に合わせた最適な方法を選択します。

固定における最重要ポイント:「胸郭拡大」と「末梢片の安定化」

①胸郭を適切に拡大(胸を張る姿勢を保つ)し、②末梢片(肩側)が腕の重みによって下方へ転位(ずれ落ちる)しないように支持し、安定させること。この2点を達成することが、良好な骨癒合のためには不可欠だと考えています。

なぜ「腕の重み」の管理が重要なのか?

成人の腕の重さは約3~5kgとも言われます。この無視できない重さが、折れた鎖骨の末梢片に常にかかり、下方へ引っ張る力となります。この下方への負荷を適切に軽減・管理し、末梢片を安定した位置に保つことが、整復後の良好な位置関係を維持し、骨癒合に有利な環境を作るための鍵となります。

 

左のレントゲン写真は、通常通り腕の重さが骨折部にかかっている状態を示しています。
一方、右のレントゲン写真は、腕の重さが骨折部にかからないように工夫した状態です。

骨折部分にご注目ください。
右の写真(腕の重みを除去した状態)の方が、骨片のずれが少なくなり、より本来の形に近い、良好な状態になっていることがお分かりいただけると思います。

このように、腕の重みを適切に管理することが、骨折部を良い状態に保つために重要であることがわかります。

最適な固定のための工夫:材料と技術の組み合わせ

画一的な固定ではなく、特殊なパッドや副子、包帯、三角巾などを状態に合わせて組み合わせ、上記のポイントを実現できるよう工夫します。皮膚への負担軽減や快適性も考慮します。

三角巾の効果を最大限に引き出す!正しい使い方の指導

ただ吊るすだけではない、肘の角度、引き上げる方向、結び方など、腕の重みを軽減し安定性を高めるための「効果的な三角巾の使い方」を指導します。

日常生活での推奨:「ひじ掛け椅子」の活用

ご自宅での座位時には、「ひじ掛けのある椅子」を使い、患側の肘を乗せることを推奨しています。これにより安静度を高め、首への負担も軽減できます。

受傷後~約14日間迄が重要!初期の綿密な管理

受傷後~約14日間迄は、整復位を維持するために最も重要な期間です。この時期に状態をこまめにチェックし、必要に応じて固定を調整することが、最終的な回復に大きく影響します。

回復を加速させるサポート!当院の物理療法アプローチ

鎖骨骨折の保存療法では、適切な整復と固定、そして安静が基本となりますが、当院ではさらに早期の回復と痛みの軽減を目指して、物理療法を積極的に活用しています。安静にしている期間も、できるだけ快適に、そしてよりスムーズに治癒が進むようにサポートするのが目的です。

なぜ物理療法? 早期回復と快適性のためのプラスα

骨折が治るまでには体の自然な働きに時間がかかり、その間は痛みや腫れといった不快な症状が続くことも少なくありません。物理療法は、このような体の自然な治癒過程を穏やかにサポートし、

  • 痛みの軽減: 炎症反応を落ち着かせたり、痛みの感覚を和らげたりする。

  • 治癒力のサポート: 組織の修復に必要な環境を整え、回復を後押しする。

  • 血行促進: 血液循環を改善し、修復に必要な酸素や栄養素を届けやすくし、老廃物を排出しやすくする。

といった効果を期待して行われます。当院では、様々な物理療法機器の中から、特に鎖骨骨折の回復に適していると考えられるものを選択しています。

注目は「微弱電流(マイクロカレント)療法」:細胞レベルからの優しい働きかけ

中でも当院が特に注目し、多くの症例で活用しているのが「微弱電流(マイクロカレント)療法」です。

微弱電流(マイクロカレント)とは?

これは、人間がほとんど感じることのない、非常に弱い電流(μA=マイクロアンペア:100万分の1アンペアレベル)を用いた施術法です。一般的な電気治療器のようなピリピリとした刺激は全くありませんので、電気の刺激が苦手な方でも安心して受けていただけます。

私たちの体には、もともと細胞が正常に機能するために、ごく微弱な電流(生体電流)が流れています。ところが、ケガをすると、その部位の生体電流が乱れてしまい、体の自然な治癒反応がうまく進まなくなることがあると考えられています。

微弱電流療法は、外部から体に感じないほどの弱い電流を流すことで、この乱れた生体電流を整え、損傷した組織の細胞が本来持つ回復力を引き出す手助けをすることを目的としています。

どのような作用が期待されているのか?

微弱電流がどのように体に作用するかについては様々な研究が行われていますが、主に以下のような点が期待されています。

  • 細胞のエネルギー源(ATP)の産生促進: 細胞が活動・修復するためにはエネルギーが必要です。微弱電流が細胞内のミトコンドリアに働きかけ、エネルギー通貨であるATPの合成を促進するのではないかと考えられています。これにより、損傷した細胞の修復活動が活発になることが期待されます。

  • タンパク質合成の促進: 組織の修復には新しいタンパク質の合成が不可欠です。微弱電流が細胞のタンパク質合成能力を高める可能性が示唆されています。

  • イオンバランスの調整: 細胞内外のイオンバランスを整え、細胞機能が正常に働くための環境をサポートする可能性があります。

このような細胞レベルでの働きかけにより、痛みや炎症に関わる物質の排出を促したり、組織修復に必要なプロセスを活性化したりすることが期待できるのです。
近年では、プロスポーツ選手のコンディショニングや早期の競技復帰サポートとしても広く用いられています。

期待される具体的なメリット:早期回復を多角的にサポート

微弱電流療法を鎖骨骨折の保存療法と並行して行うことで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 疼痛の早期軽減: 炎症反応を穏やかにし、発痛物質の排出を促すことで、骨折初期の強い痛みを和らげる効果が期待できます。痛みが軽減することで、精神的な負担が減り、夜間の睡眠の質向上にもつながります。

  • 骨癒合期間の短縮の可能性: 細胞活動を活性化させることで、骨を作る細胞(骨芽細胞など)の働きを助け、骨折部位の修復プロセスをスムーズに進める可能性があります。これにより、結果的に骨癒合にかかる期間の短縮が期待できる場合があります。(※効果を保証するものではありません)

  • 固定期間中の不快感軽減: 痛みが和らぐことで、固定による不快感やストレスを少しでも軽減し、安静期間をより快適に過ごせるようサポートします。

  • スムーズなリハビリへの移行: 痛みが早く軽減し、組織の状態がより良く保たれることで、固定除去後のリハビリテーションをより早期に、そしてスムーズに開始できる可能性が高まります。

【重要な注意点】
微弱電流療法は、あくまで回復を補助する目的で行うものであり、これだけで骨折が治るわけではありません。適切な整復、固定、安静、そしてリハビリテーションが治療の基本となります。また、効果の現れ方には個人差があります。

当院では、患者様お一人おひとりの状態を丁寧に見極めながら、微弱電流療法を含む最適な物理療法を選択し、より質の高い回復を目指してサポートさせていただきます。

機能回復の鍵!蛯原接骨院がおこなう鎖骨骨折後のリハビリテーション

長い固定期間を経て、骨がくっついた後、多くの方が「これで安心」と思われるかもしれません。しかし、元の快適な生活や活動レベルを取り戻すためには、ここからが非常に重要な期間、すなわち機能回復のためのリハビリテーションの開始です。この期間の取り組み方が、後遺症なくスムーズに回復できるかどうかの「鍵」となります。

「固定が取れたのに腕が動かない…」はなぜ?リハビリの絶対的な必要性

「固定が外れたら、すぐに元通りに腕が上がるはず」と考えていると、実際に動かしてみた時の肩の硬さや力の入らなさに驚かれるかもしれません。これは決して異常なことではなく、長期間肩関節とその周りを動かさなかったことによる、以下のような自然な身体の変化なのです。

  • 関節拘縮(かんせつこうしゅく): 関節を包む袋(関節包)や靭帯、筋肉などが硬くなり、本来動くはずの範囲(関節可動域)が狭くなってしまいます。まるで長期間使われなかった機械の部品が動きにくくなるような状態です。

  • 筋萎縮(きんいしゅく)と筋力低下: 使われなかった筋肉は、細く(萎縮)、そして弱くなってしまいます。筋肉は使わないとすぐに衰えてしまう性質があります。

これらの状態を放置してしまうと、「腕が特定の高さまでしか上がらない」「力を入れると痛む」「以前のように重いものを持てない」といった機能的な問題が、永続的な後遺症として残ってしまう可能性が高まります。

リハビリテーションは、このような固定後の身体の変化から回復し、失われた機能を取り戻すために絶対に不可欠な取り組みなのです。

 リハビリのゴール:痛みからの解放と、日常生活・仕事・スポーツ復帰

リハビリテーションは、単に「動けば良い」というものではありません。患者様お一人おひとりが目指すゴールに到達できるよう、以下の具体的な目標達成を目指してサポートします。

  • 関節可動域の回復: 日常生活(着替え、洗髪、高い所の物を取るなど)や趣味、仕事でのあらゆる動きを、痛みや制限なく行えるように、肩関節や肩甲骨が本来持っていた柔軟性と滑らかな動きを取り戻します。

  • 筋力の再獲得: 腕をしっかりと支え、安定した動作を行い、さらにはスポーツなどで力強い動きをするために必要な筋力を回復させます。特に、肩関節を安定させるインナーマッスルと、大きな動きを生み出すアウターマッスルのバランス良い強化が重要です。

  • 運動パターンの再学習: 痛みや固定期間中に身についてしまった不自然な動き(代償動作)を修正し、肩や腕に負担をかけない、本来の効率的な身体の使い方を再習得します。

リハビリ開始のタイミング:専門家による時期の見極め

「早く動かしたい!」というお気持ちはよく分かりますが、リハビリ開始のタイミングは非常に重要です。

  • なぜ適切な時期が重要か?

    • 開始が早すぎると、まだ骨が十分にくっついていないため、動かすことで再び骨片がずれたり(再転位)、骨癒合が妨げられたりするリスクがあります。

    • 逆に開始が遅すぎると、関節の硬さ(拘縮)や筋肉の衰えが進行してしまい、機能回復に余計な時間と労力がかかってしまう可能性があります。

  • どうやって開始時期を判断するのか?

    リハビリ開始の適切なタイミングは、骨折部の安定性や回復状況を注意深く見極めて判断する必要があります。当院では、以下のような情報を総合的に評価し、安全に運動を開始できる時期を慎重に判断しています。

    • 臨床症状の確認:

      • 触診: 骨折部を優しく触れて、不安定感がないか、異常な動きがないかを確認します。

      • 腫れ・熱感: 骨折初期に見られる腫れや熱感がどの程度落ち着いてきているかを確認します。

      • 圧痛: 骨折部を押したときの痛みがどの程度軽減しているかを確認します。

      • 自動運動・他動運動時の反応: 関節を動かした際の痛みや不安感の程度、動かせる範囲などを評価します。

    • 超音波エコー(観察装置)による補助的評価:
      エコーを用いて骨の表面を観察し、骨折線の状態や、骨癒合過程で見られる仮骨(新しい骨の芽)の形成状況などを視覚的に評価する補助とします。(※エコーは骨内部の詳細な状態を診断するものではありません)

    • 骨癒合期間の目安(グルトの分類など)の考慮:
      一般的な骨癒合にかかる日数(例えばグルトによる骨癒合分類など)も参考にしますが、これはあくまで目安です。年齢、骨折の部位や程度、全身状態などにより個人差が非常に大きいため、個々の回復状況を最も重視します。

    これらの情報から、骨折部がある程度安定し、運動を開始しても再転位や治癒の妨げになるリスクが低いと判断できた時期に、リハビリを開始します。
    一般的には、固定が除去された直後から段階的に開始することが多いですが、状態によっては固定中からごく軽い運動(例:手指の曲げ伸ばしなど)を開始することもあります。

  • 自己判断は絶対に避けてください: 「もう痛くないから大丈夫だろう」といった自己判断でリハビリを開始したり、負荷を上げたりすることは非常に危険です。必ず専門家の指示に従い、安全に進めていきましょう。

当院のリハビリプログラム:個々の状態に合わせたアプローチ

牛久の蛯原接骨院では、マニュアル通りの画一的なリハビリは行いません。患者様それぞれの年齢、体力、骨折の状態、生活背景、そして目標に合わせて、最適なプログラムを立案し、段階的に無理なく進めていきます。

Step 1: 評価と準備段階 – まずは現状把握、動かすための土台作り

リハビリ開始にあたり、まずは現在のあなたの状態を正確に把握します。

  • 詳細な評価: 痛みの程度や性質(どんな時に痛むかなど)、関節がどのくらい動くか(可動域測定)、筋力がどの程度か、腫れや熱感はないかなどを、問診、視診、触診、各種テストを用いて丁寧に評価します。

  • 初期の目的: この段階では、主に炎症を落ち着かせ、痛みを緩和し、過剰な筋緊張を和らげることが目的です。温熱療法などで血行を促進し、筋肉や関節をリラックスさせます。また、優しい手技(軽擦、揉捏など)を用いて、これから動かしていくための準備を整えます。無理に動かすのではなく、まず「動かせる環境」を作ることが重要です。

Step 2: 可動域の改善 – 硬くなった関節に、優しく動きを取り戻す

固まった関節を少しずつ動かしていく段階です。

  • 低負荷・他動運動から: 最初は肩に負担の少ない運動から始めます。代表的なのは「振り子運動(コッドマン体操)」です。腕の力を抜き、重力を利用してゆっくりと腕を振ることで、安全に関節を動かせます。また、私たち施術者が患者様の腕を支えながらゆっくりと動かす「他動運動」や、ご自身のもう片方の手で補助しながら動かす「自動介助運動」なども行い、徐々に動かせる範囲を広げていきます。

  • 痛みのない範囲で行うこと【極めて重要】:
    この段階で最も重要なのは、決して無理をせず、痛みを誘発しない範囲で行うことです。「痛いのを我慢して動かす」のは逆効果になる可能性が高いです。痛みは、体が発している「これ以上は危険」というサインです。それを無視して無理やり動かすと、炎症が悪化したり、かえって筋肉が防御的にこわばってしまったりして、回復を遅らせる原因となりえます。

    さらに、外傷後に注意が必要な状態として「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」があります。これは、ケガの程度とは不釣り合いな激しい痛みや腫れ、皮膚の色の変化などが持続する、非常に治りにくい状態です。明確な原因は不明な点も多いですが、神経系の過剰な反応などが関与していると考えられています。
    強い痛みを我慢しながら無理なリハビリを続けることは、このようなCRPSの発症や悪化の引き金となる可能性も指摘されています。

    ですから、痛みのサインには細心の注意を払い、それを適切に管理しながら慎重にリハビリを進めることが、合併症を防ぎ、より安全でスムーズな回復を目指す上で非常に大切なのです。ご自身の感覚を遠慮なく私たちにお伝えください。

Step 3: 筋力の再獲得 – 眠っていた筋肉を目覚めさせ、安定感を取り戻す

関節が少しずつ動くようになってきたら、次は低下した筋力を取り戻していきます。

  • なぜ筋力が必要か? 筋力は、単に物を持ち上げるためだけでなく、肩関節を安定させ、スムーズで正確な動きを制御するためにも不可欠です。特に鎖骨骨折後は、肩周りの筋肉バランスが崩れやすい状態になっています。

  • 段階的な負荷設定: まずは、関節を動かさずに筋肉に力を入れる「等尺性運動」や、ゴムチューブなどを使った軽い抵抗運動から開始します。これにより、眠っていた筋肉を安全に刺激し、目覚めさせていきます。徐々に、軽いダンベルを用いた運動などに移行し、肩を安定させる深層の筋肉(インナーマッスル)と、大きな動きを生み出す表層の筋肉(アウターマッスル)を、バランス良く、かつ機能的に強化していきます。

Step 4: 実践的な動きへ&BFI療法の活用 – より複雑で、より高度な機能を目指して

基本的な肩の動きや力が戻ってきたら、次はあなたの日常生活や仕事、スポーツなど、より実際の活動に近い動きをスムーズに行えるように練習していきます。

  • 体全体の連動性を高める:
    私たちの体は、肩を動かす際にも、背骨や骨盤、足など、全身がうまく連動してバランスを取っています。この段階では、肩だけでなく、体全体を使った自然で滑らかな動きを取り戻すための練習を行います。

  • 目標動作の反復練習:
    洗濯物を干す、パソコン作業をする、ボールを投げるなど、あなたが目標とする具体的な動作を、安全かつ効率的に行えるように反復練習します。必要な筋力や柔軟性、正しいフォームなどを確認しながら進めます。

  • BFI療法(Brain-Finger Interface)によるサポート(保険外診療):
    リハビリを進めていく中で、「痛みがなかなか取れない」「動きがぎこちない」「なんとなく以前と感覚が違う」といった、改善が停滞するような場合があります。このような時、当院ではBFI療法というアプローチを取り入れることがあります。

    これは、指先を使った非常に優しい、ソフトなタッチで全身の皮膚や関節に働きかける手技療法です。この繊細な刺激は、体にある感覚センサーを通して脳に伝わり、体の動きやバランスを調整している脳機能のバランスを整えることを目指します。

    ケガの後、痛みや動かしにくさが長引く背景には、体の問題だけでなく、「脳の疲れ」や神経系の過剰な反応が関係している場合があると考えられています。BFI療法の優しい刺激は、脳のリラックスを促し(「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌を助けるとも言われます)、神経系のバランスを整えることで、長引く痛みや違和感、動きにくさといった症状の改善をサポートします。

    強いマッサージや関節を鳴らすような施術とは全く異なり、体への負担が非常に少ないため、リハビリ後期のデリケートな時期や、痛みに対して過敏になっている方にも安心して受けていただきやすい施術です。動きの質を高め、最終的な目標達成を後押しする目的で行います。

  • (※BFI療法の詳細については、別途ご説明ページをご覧ください。)

このステップを通じて、鎖骨骨折からの完全な機能回復と、あなたが望む活動レベルへの復帰を目指します

Step 5: セルフケアと再発予防 – 自分で守る、良い状態を維持する力

リハビリは施術室だけで完結するものではありません。良い状態を維持し、再発を防ぐためには、ご自身でのケアが非常に重要です。

  • ホームエクササイズの指導: ご自宅でも安全かつ効果的に行えるストレッチやトレーニングメニューを作成し、正しい方法を丁寧に指導します。無理なく継続できることが大切です。

  • 生活習慣・動作指導: 普段の姿勢、物の持ち方、スポーツ時のフォームなど、鎖骨や肩に負担のかかりにくい身体の使い方をアドバイスします。ちょっとした意識の変化が、再発予防につながります。

リハビリ期間の目安:回復への道のりは、あなたのペースで

「いつになったら完全に治りますか?」とよく聞かれますが、回復にかかる期間は、骨折の状態、年齢、元の体力レベル、リハビリへの取り組み状況など、多くの要因によって個人差が大きいのが実情です。

一般的な目安としては、

  • 日常生活での動作がほぼ問題なく行えるようになるまで: 固定除去後、数週間~3ヶ月程度

  • スポーツ(特にコンタクトスポーツや投球動作など)や重労働への完全復帰: 3ヶ月~半年以上
    かかることもあります

焦りは回復の妨げになることもあります。大切なのは、ご自身の体の声を聞きながら、無理なく、しかし着実にステップアップしていくことです。私たち専門家が、あなたの状態を正確に評価し、適切なペース配分でサポートしますので、安心して二人三脚で頑張っていきましょう。

当院での回復事例をご紹介

(※個人情報保護のため内容は一部変更・要約)

事例1:「最後の大会へ!」サッカー高校生A君(16歳 男性)

概要: 試合中骨折、手術回避希望。転位あり。
当院対応: 初期整復、独自固定(約3週)、微弱電流。リハビリ(関節可動域訓練、筋トレ、競技復帰、BFI)。
結果: 約3ヶ月で完全復帰。「諦めなくてよかった」。初期対応と段階的リハビリが奏功。

事例2:「抱っこが辛い…」育児中のBさん(40代 女性)

概要: 転倒骨折(外端部)。安静困難で不安。
当院対応: 負担少ない固定(約5週)、生活指導(抱っこ法等)、精神的ケア。リハビリ(拘縮予防重点)。
結果: 約3ヶ月で日常生活復帰、抱っこ可能に。「相談して心強かった」。生活背景への配慮が重要。

回復された患者様からの声をご紹介します

(※個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません)

【40代 男性 C様(会社員・自転車事故)】
「事故で鎖骨を折り、仕事のこともあって正直へこんでました。でも蛯原先生に診てもらって、最初の対応がすごく丁寧で。前の固定より全然楽でしたし、生活での注意点も的確で本当に助かりました。リハビリも熱心に付き合ってくれて、おかげでちゃんと復帰できました。ありがとうございます。」

【10代 男性 A様(サッカー部)】
「試合で折れてマジで焦りましたけど、手術はイヤで…。ここの先生は骨を戻すときもちゃんと説明してくれて安心でした。リハビリで全然腕が上がんなくて『ヤバい』って思った時も、『大丈夫!』って励ましてくれて。家でやることも分かりやすかったし、思ったより早く普通にサッカーできるようになって、ホント感謝してます!」

【70代 女性 D様(転倒)】
「家で転んで折れた時は、一人暮らしだから本当にどうしようかと思いましたけど、先生は痛みにとても気を遣ってくださったんです。通うたびに『その後どうですか?』って親身に聞いてくださるのが嬉しかったです。もう腕もちゃんと上がるようになって、楽しみにしていたゲートボールにも行けるようになりました。本当にお世話になりました。」

知っておきたい!固定期間中の日常生活 注意点と工夫

鎖骨骨折の保存療法において、固定期間中は何かと不自由を感じることが多いものです。しかし、いくつかのポイントを押さえて生活することで、痛みや不快感を軽減し、より安全かつ快適に過ごすことができます。ここでは、日常生活で特に注意していただきたい点とその工夫について、詳しく解説します。

① 安静の範囲:動かさない勇気と、動かすべき場所の見極め

「安静にしてください」と言われても、どの程度安静にすれば良いのか迷うかもしれません。骨折の回復には、適切な安静が不可欠ですが、全ての動きを止めるわけではありません。

  • なぜ安静が必要か?: 骨折した部分(骨折部)は、治癒の初期段階では非常に不安定です。患側の肩や腕を不用意に動かしてしまうと、せっかく整えた骨片が再びずれたり(再転位)、骨がくっつこうとする働きを妨げたり、強い痛みを引き起こしたりする可能性があります。特に、腕を上げる動作、重いものを持つ動作、急なひねり動作などは、骨折部に直接的な負担がかかるため、厳禁です。当院で具体的に禁止する動作や注意点をお伝えしますので、それを必ず守ってください。

  • 動かすべき部分とその理由: 一方で、固定されている肩や腕以外(特に固定されていない手指や手首、場合によっては肘)は、痛みや指示のない範囲で意識的に動かすことが推奨されます。長時間まったく動かさないと、血液の循環が悪くなってむくみが出たり、関節が硬くなってしまったり(拘縮)、筋肉が衰えたりすることがあります。軽いグーパー運動や、手首をゆっくり曲げ伸ばしする程度の運動は、これらの二次的な問題を防ぎ、リハビリ期へのスムーズな移行を助けます。

  • 動かす際の注意点: あくまで**「痛みがない範囲で、ゆっくりと」**が原則です。少しでも痛みや違和感を感じる場合は、すぐに中止してください。どの程度の動きなら問題ないか不安な場合は、自己判断せず、必ずご相談ください。

② 固定具の管理:回復を支えるパートナーとの正しい付き合い方

装着している固定具(バストバンド、三角巾、当院独自の固定など)は、骨折部を安定させ、回復を助ける重要なパートナーです。その効果を最大限に発揮させ、トラブルを防ぐために、適切な管理が欠かせません。

  • なぜ管理が重要か?: 固定が緩んだりずれたりすると、骨折部が不安定になり、痛みが出たり、治癒が遅れたりする可能性があります。また、不適切な装着や管理不足は、皮膚のかぶれや蒸れ、圧迫による痛みなどの皮膚トラブルを引き起こす原因にもなります。

  • こまめなチェックポイント:

    • 緩み・ズレ: 固定具が適切な位置にあるか、緩すぎたり締め付けすぎたりしていないか、定期的に確認しましょう。例えば、バンドと体の間に指が1〜2本入る程度の締め付けが目安になることが多いですが、種類によって異なりますので、当院での指示に従ってください。

    • 皮膚の状態: 固定具が当たっている部分や、その周辺の皮膚に、赤み、かぶれ、湿疹、あせも、傷、強い圧迫痕などがないか、毎日チェックすることが大切です。特に汗をかきやすい時期や、皮膚がデリケートな方は注意が必要です。

  • 清潔保持と皮膚トラブル予防策:

    • 汗対策: 固定具の下に、吸湿性の良い薄手の肌着やガーゼを挟むと、汗を吸い取り、皮膚への刺激を和らげることができます。

    • 清潔を保つ: 清拭などで、可能な範囲で皮膚を清潔に保ちましょう(入浴の項目参照)。固定具自体も、汚れが目立つ場合や臭いが気になる場合は、洗濯可能なものであれば指示に従って洗い、しっかり乾かしてから使用してください。(替えがある場合は交換しましょう)

  • 異常を感じたらすぐに相談: 固定による強い痛み、しびれ、皮膚の異常などを感じた場合は、我慢せずに速やかに当院へご相談ください。締め付け具合の調整や、当て物の工夫などで対処できる場合があります。

③ 着替えのコツ:焦らず、楽に、安全に行うために

固定期間中の着替えは、日常の中でも特に不便を感じやすい動作の一つです。ちょっとしたコツを知っておくだけで、痛みなく、スムーズに行うことができます。

  • 服装選びのポイント:

    • 前開きが基本: ボタンやファスナーで前が全開になるタイプの服(シャツ、カーディガン、パジャマなど)が圧倒的に楽です。頭からかぶるタイプの服は、腕を通す際に肩を大きく動かす必要があるため、避けましょう。

    • ゆったりサイズ・伸縮素材: 体にフィットしすぎる服や、伸縮性のない素材は、着脱時に腕や肩に負担がかかります。少し大きめのサイズで、伸びの良い素材を選ぶと良いでしょう。

    • 袖の広さ: 袖口が広いデザインだと、腕を通しやすくなります。

  • 着替えの基本手順:「痛い方から着て、痛くない方から脱ぐ」

    • 着る時: まず、患側(固定している方・痛い方)の腕から袖を通します。次に、健側(痛くない方)の腕を通し、最後に前を閉じます。こうすることで、患側の肩関節の動きを最小限に抑えられます。

    • 脱ぐ時: まず、健側の腕から袖を抜きます。次に、服の首周りや前開き部分を広げながら、患側の腕をそっと引き抜きます。脱ぐ時も、患側への負担を避けることが大切です。

  • その他の工夫:

    • 座って行う: 立ったままだとバランスを崩しやすいので、椅子などに座って行うと安全です。

    • 焦らない: 時間に余裕をもって、ゆっくりとした動作で行いましょう。

    • 下着について: 女性の場合、ホックが前にあるタイプのブラジャーや、スポーツブラ、カップ付きキャミソールなどが比較的着脱しやすいでしょう。

    • 介助: ご家族などの介助者がいる場合は、上記の手順を伝え、無理な力がかからないようにサポートしてもらいましょう。

④ 入浴:清潔保持と安全確保のバランス

固定期間中であっても、体を清潔に保つことは大切です。しかし、骨折部や固定具を濡らすことは避けなければなりません。状況に応じた適切な入浴方法を知っておきましょう。

  • なぜ濡らしてはいけない?: 固定具が濡れると、乾きにくく不衛生になり、皮膚トラブルの原因となります。また、水が入ることで固定効果が弱まったり、骨折部に細菌が感染したりするリスクも考えられます。

  • 初期段階(骨折部が不安定な時期):

    • 原則、患部・固定具は濡らさない: シャワーも含め、上半身を濡らすのは避けましょう。

    • 推奨される方法:

      • 下半身のみシャワー: 立位または椅子に座り、上半身や固定具が濡れないように注意しながら、腰から下だけシャワーを浴びます。

      • 清拭: 蒸しタオルや、市販の清拭シート、水のいらないシャンプー(ドライシャンプー)などを活用し、上半身や頭部を拭いて清潔を保ちます。これは、衛生面だけでなく、気分転換にも繋がります。

      • 当院でのサポート: 通院時には、可能な範囲で当院スタッフ(女性スタッフも在籍)が温かいタオルで上半身の清拭をお手伝いすることも可能ですので、ご希望の方はお申し付けください。

  • 安定期:

    • 全身シャワーの開始: まずは、短時間での全身シャワーから開始します。固定具を外してシャワーを浴びる場合は、その間の患部の安静保持に十分注意してください。防水カバーなどを使用する場合は、水が入らないよう確実に装着します。浴室内は滑りやすいため、転倒には細心の注意が必要です。手すりを利用したり、滑り止めマットを敷いたりするなどの安全対策を講じましょう。

    • 湯船に浸かるのは慎重に: 湯船に浸かるのは、骨癒合がさらに進み、安定性が十分に得られてからにしましょう。温まることで血行が良くなりますが、長湯は避け、出入りの際の転倒リスクにも十分注意が必要です。

⑤ 睡眠:痛みと負担を軽減し、質の高い休息をとるために

質の高い睡眠は、体の回復にとって非常に重要です。しかし、鎖骨骨折の固定中は、寝返りなどで痛みが出やすく、快適な寝姿勢を見つけるのが難しい場合があります。少しでも楽に眠るための工夫をご紹介します。

  • なぜ寝方が重要か?: 不適切な寝姿勢は、骨折部に余計な圧迫やねじれの力を加えてしまい、痛みやずれの原因となる可能性があります。また、痛みのために睡眠が妨げられると、心身の回復を遅らせることにもなりかねません。

  • 推奨される寝姿勢:

    • 仰向け: 基本的には仰向けが最も安定しやすい姿勢です。患側の肩や背中の下に、折りたたんだタオルや薄いクッションを挟むと、角度がついて楽になる場合があります。

    • 健側を下にした横向き: 横向きで寝る場合は、必ず健側(痛くない方)を下にします。患側の腕は、体の前に抱き枕やクッションなどを置いて、その上に乗せるようにすると、腕の重みが直接骨折部にかからず、安定しやすくなります。

  • 避けるべき寝姿勢:

    • 患側を下にする: 骨折部に直接体重がかかるため、絶対に避けましょう。

    • うつ伏せ: 肩や首に負担がかかり、骨折部の安定を損なう可能性があります。

  • 痛みが強い時期の工夫:上体を少し起こす
    特に骨折初期で痛みが強い場合や、仰向けでも寝苦しい場合は、完全に横になるのではなく、背中に複数の枕やクッション、丸めた布団などを当てて、上半身を少し起こした状態(セミファーラー位のような体勢)で休むと、呼吸が楽になり、骨折部への負担も軽減できることがあります。リクライニング機能のあるベッドやソファを活用するのも良いでしょう。

  • 寝返りや起き上がりはゆっくりと: 寝返りを打つ際や、朝起き上がる際は、急な動きを避け、患側の腕を健側の手で支えるなどして、ゆっくりと動くように意識しましょう。

これらの工夫を試しても痛みが強く眠れない場合は、遠慮なくご相談ください。

回復をサポートする食事と栄養のポイント

適切な固定やリハビリと並んで、体の内側から骨の修復をサポートすることも大切です。骨折の治癒には多くのエネルギーと栄養素が必要となります。バランスの取れた食事を心がけることで、よりスムーズな回復が期待できます。

特に意識したい栄養素とは?

骨の主成分であるカルシウムはもちろん重要ですが、それ以外にも骨の健康や修復には様々な栄養素が関わっています。

  • タンパク質: 骨の「骨基質」と呼ばれる土台部分を作る主要な材料です。筋肉や皮膚など、体を作る全ての基本となるため、不足しないようにしっかり摂取しましょう。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに豊富に含まれます。

  • ビタミンD: カルシウムの吸収を高める働きがあります。食品(魚介類、きのこ類など)から摂取するほか、日光(紫外線)を浴びることでも体内で生成されます。ただし、骨折直後は安静が必要なため、食事からの摂取を意識すると良いでしょう。

  • ビタミンK: 骨の形成を助け、骨の質を高める働きがあると言われています。納豆、緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなど)に多く含まれます。

  • マグネシウム: カルシウムとともに骨の健康維持に関わるミネラルです。ナッツ類、海藻類、大豆製品などに含まれます。

  • ビタミンC: 骨基質の主成分であるコラーゲンの生成を助けます。また、抗酸化作用により、骨折部位の炎症反応を穏やかにする助けにもなる可能性があります。果物(柑橘類、キウイ、イチゴなど)、野菜(ピーマン、ブロッコリーなど)、いも類に多く含まれます。

【参考情報】
健康な骨を維持するためには、カルシウムだけでなく、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質など様々な栄養素をバランスよく摂取することが重要であるとされています。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」 (外部サイト)

バランスの取れた食事が基本

特定の栄養素だけを大量に摂取するのではなく、様々な食品からバランス良く栄養を摂ることが最も重要です。主食(ごはん、パン、麺類)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ類、海藻類)を揃えることを意識しましょう。

固定期間中は活動量が減るため、食べ過ぎに注意しつつも、体を作るために必要な栄養素、特にタンパク質は不足しないように心がけることが大切です。食欲がない場合でも、消化の良いものを選んだり、少しずつでも栄養価の高いものを摂取したりする工夫をしましょう。

鎖骨骨折に関するよくあるご質問

Q1: 固定はいつ取れますか?

A1: 骨のつき具合によりますが、当院の方法では一般的な目安として3~4週間程度です。最終判断は骨癒合を確認してからとなりますので、自己判断は絶対にしないでください。

Q2: リハビリは痛いですか…?

A2: 「痛みを出さない・悪化させない」が基本です。動かし始めの違和感はありますが、激痛を伴うことはありません。常に確認しながら進めますのでご安心ください。

Q3: 接骨院での施術に健康保険は使えますか?

A3: 骨折に対する施術(応急処置を除く継続施術)は、医師の同意に基づき健康保険が適用されます。(顧問医をご紹介します)一部、保険適用外の施術もありますので詳しくはお尋ねください。

Q4: 折れた鎖骨、完全に元の形になりますか?

A4: 機能回復は十分に可能ですが、保存療法では骨の形状が完全に元通りにならない(軽度の変形)可能性はあります。当院では変形を最小限にする努力をしますが、機能回復を最優先とします。

Q5: スポーツ復帰はいつから?

A5: 骨癒合の確認、十分な関節機能・筋力の回復、競技動作での無痛が条件です。焦らず段階的に進める必要があり、期間は状態によります。専門家として復帰時期を慎重に見極めます。

まとめ:鎖骨骨折は「初期対応」で差がつく!諦めずに、牛久市の蛯原接骨院にご相談を

鎖骨骨折の保存療法について、基本的な情報から当院の専門的なアプローチまでご理解いただけたでしょうか。

より良い回復のために、私たちが最も重視するポイントは:

  1. 初期の的確な「整復」

  2. 機能的な「固定」

  3. 専門的な「リハビリテーション」

特に、受傷後すぐの適切な対応(初期対応)が、回復の質を大きく左右します。

「このまま保存療法で良いのか不安…」
「できるだけきれいに、早く治したい!」
「後遺症なく、元の生活に戻りたい!」

そんな強い想いをお持ちでしたら、ぜひ一度、牛久市の蛯原接骨院にご相談ください。国家資格者としての専門知識、豊富な臨床経験、そして鎖骨骨折治療への熱意をもって、独自の整復・固定法や最新の物理療法、リハビリテーションを提供し、あなたの早期回復と機能改善を全力でサポートします。

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【監修】

蛯原 吉正(柔道整復師)

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ABOUTこの記事をかいた人

蛯原接骨院院長です。怪我と痛みの専門家として、教科書通りの施術ではなく、代々伝わる伝統的な施術と最新の知識・技術を取り入れて、怪我の施術を行っています。また、茨城県内では数少ない、脳と痛みの関係に注目した痛みの治療を行っています。交通事故はもちろんの事、怪我や怪我の後遺症にお悩みの方、身体の痛みに対し、何をやっても良くならない・どこへ行っても良くならないという方を、一人でも多く救いたいという思いからブログでの発信を行っています。