当院にも時折、踵の痛みでお悩みの患者さんが来院されます。
踵の痛みも年齢や生活スタイルによって、痛みの出る部位に違いがあります。今回のブログでは「踵骨棘」が痛みの原因と言われた踵の痛みについての内容になります。
踵骨棘による踵の痛みの場合、痛みが強くなると、足をつくのが困難になり歩行が障害されます。
踵骨棘の治療には、痛みのある部分の、電気治療やストレッチ、インソール装着などの対処がとられる事が一般的です。場合によっては局所の注射をしたり、棘を切除する手術が行われる場合もあります。
当院にも踵骨棘の痛みで来院される患者さんがいらっしゃいますが、患部を治療するだけでは症状が改善しない場合に遭遇します。
そのような患者様に対して、当院では、患部以外の治療をすることにより良好な成績を残しています。
踵骨棘が原因と診断を受けた踵の痛みにも、痛みの原因が踵骨棘以外に存在します。
今回のブログでは踵骨棘が原因と言われている踵の痛みについて、実際の症例をもとに当院の考え方をご紹介致します。
Contents
踵骨棘とは
上の図は、内側から見た踵をアップにしたイラストになります。
踵骨棘(しょうこつきょく)とはイラスト内の青い丸で囲まれた部分になります。踵の骨に付着する足底腱膜という筋肉に引っ張られて骨がカルシウムが沈着し隆起したものを指します。
踵骨棘のレントゲン
踵から飛び出ている棘が踵骨棘です。
この踵骨棘がレントゲンに映っていると痛みの原因とされます。
踵に痛みが出る→病院を受診する→レントゲンを撮る→「原因は踵骨棘ですね」という構図です。
踵骨棘の原因
- 偏平足
- X脚
- 体重の増加
- 硬い路面の走行
- 立ち仕事などによる負担
- 靴が合わない場合
足底部に負荷が大きくかかった際に発症します。
踵骨棘の症状
- 踵を押したときの痛み
- 痛みのある部分の腫れ
- 起床時の痛み(特に朝の第一歩目の痛みが強いのが特徴的です)
- 歩行時の痛み
等の症状が現れます。
踵骨棘の治療方法
- インソール
- サポーター
- アイシング
- 痛い部分の電気治療
- アキレス腱・足底筋膜のストレッチ
- 裸足での歩行は避ける
これらは日常生活での患部の負担を減らすために行います。当院でも痛みが引くまでの間に患者さんの日常生活が楽に行えるようにお勧めします。
踵骨棘のインソール
踵骨棘の場合に用いられるインソールをご紹介します。下のイラストのように足底部のアーチをしっかりと支えて、扁平足を解消させるために用います。
足底筋膜炎・踵骨棘のストレッチ
踵骨棘の場合のストレッチやセルフエクササイズは痛みがないように行うことが第一優先です。ストレッチやエクササイズ中に痛みが発生するようであれば中止してください。
当院に来院された実際の症例
年齢
60代
性別
女性
痛みの出た原因
友達と電車で上野に行ってきた帰りに痛みが発生。歩行中に突然、痛み出したとの事でした。
来院までの経緯
今までは痛くなると、自宅近くの接骨院で施術をうけていた。
今回は、夫に勧められて、レントゲン撮影のために牛久市内の整形外科を受診する。
診察では、痛みの原因には扁平足が影響しているという事を言われ、レントゲンでは踵骨棘が発見されました。
病院の先生は、レントゲンを指差して「この棘が痛みの原因です!」と説明されたようです。
患者さんの性格にもよりますが、この時のインパクトというのは結構、頭に残ります。
また、「治療して痛みが引かなければ、この棘を削った方がいいかもしれません」とも言われたようです。
病院では、痛み止めと湿布を処方され、扁平足対策のために、インソールを作成しました。
初診時の症状
当院に来院されたのは痛みが出てから1ヶ月半後でした。当院のホームページをご覧になり来院されました。
残念ながら痛みは引いておらず、初診時の症状は患部の圧痛と腫脹、痛みのために跛行を呈する(足を引きずる)状態でした。
問診後にエコー検査をしたところ、確かに踵骨棘が確認できました。
病院を受診して作成してもらったインソールは、足に当たってかえって痛みがでるため使っていないとの事でした。(結構、こういう方は多いです)
当院で行う治療法
以前は踵の痛みに対して、微弱電流通電・マッサージ・ストレッチ・インソール等の治療を行っていました。
ただ、踵の痛身の出ている部分の治療だけでは痛みの引きが悪いという印象がありました。
踵の痛みに限ったことではありませんが、以前のブログでもご紹介したように、痛みの出ている場所は結果であって原因でないということが殆どです。
レントゲンで踵骨棘が写っていても、それが痛みの原因ではない事が殆どです。
踵に痛みを出した原因が別に存在します。
当院は診療のベースとして、脳疲労の事を考えて施術に当たります。
この方の場合にも、踵の痛みが出る前に脳疲労が起きるであろう原因がありました。脳疲労が起きると自律神経バランスが乱れます。それらが、筋肉の緊張や痛み、痺れなどの症状を引き起こします。
痛みの出現個所は、その方の弱点に現れます。
症例の患者さんは「痛みが取れなかったら棘を削る手術をします」という言葉が頭に残り、心に不安もあったようです。
※脳疲労とは、体の疲労と同じように忙しかったり、ストレスがあったり、不安があったりすると発生します。また、脳疲労は年齢を問わず発生します。
また、自律神経のバランスが崩れるため、自律神経症状が出る方もいらっしゃいます。
治療は、脳疲労を回復させるためのBFI療法をメインとし、それに合わせて患部の負担を減らすように日常生活の注意をお話ししました。
踵骨棘のまとめ
踵骨棘が原因と言われている踵の痛みも、レントゲンに映っている棘が痛みの原因ではありません。
また、扁平足が原因でもありません。(インソールをつけなくても良くなります)
以前のブログでもご紹介したように「画像上の、形の異常と痛みやしびれの症状に結びつきはない」という事を認識して頂きたいと思います。レントゲンの変化=痛みの原因ではないという事です。
治療法によって色々な考え方がありますが、当院ではBFI療法の「痛みの原因には脳疲労が関係する」考え方に基づき、患者さんの施術に当たっています。
踵の痛みがあって治療を受けているけどなかなか良くならない方、踵骨棘だけではなく、アキレス腱の痛みやお子さんに見られる踵の痛み(シーバー病)なども同じく脳疲労が関係しています。
お困りの際は、牛久市の蛯原接骨院へのご相談・ご来院をお待ちしております。
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