最近、病院で「足首のリハビリは自分でやって下さい」と言われ、転医されてきた患者様がいらっしゃいます。
自分でリハビリをやってと言われて、やりかたの書いてあるプリントを渡されても、なかなか厳しいものですよね。
足首の怪我でも怪我の仕方や(内捻り・外捻り・外旋・内旋)や損傷スピードによって、損傷程度や損傷する部位が変わってきます。
固定の仕方も損傷程度や部位によって変わります。
また、固定期間中の過ごし方や固定期間によっても、足首の回復具合にも差が出てきます。
捻挫であれば靱帯が修復したら完治、また骨折であれば骨がついたら完治、というわけではありません。
捻挫や骨折を起こした後は、組織の損傷や固定の影響で、関節が固くなったり、筋肉が萎縮するので、リハビリが必要になります。
今回のブログでは、当院で行っている、足首や足部のリハビリ方法についてご紹介致します。
Contents
リハビリの目的
リハビリは、怪我や固定によって低下した損傷部位の柔軟性や、損傷部位周辺の筋力等を回復させるために行います。
しかし、基本的に受傷直後(急性期)は、患部の炎症・出血等を落ち着かせ、損傷部位の回復を図る必要があります。
また、損傷した靭帯や骨などがある程度修復するまでの間(急性期-回復期)は、患部の固定をする事が第一優先になります。
リハビリは、基本的に患部がある程度回復・安定してきてから行いますので、自己判断で痛めたところを無理やり動かしていては、患部の状態が悪化してします。
リハビリの必要性
なぜリハビリが必要なのかを、考えてみましょう。
普段、日課としているウオーキングで転倒してしまい足首を捻ってしまいました。
自力で歩くのはおろか、立っている事でさえも辛く「これはマズイ」と思い、近くの医療機関を受診しました。
検査の結果、腓骨下端部骨折だという事が判り、膝下から足の甲までをギプス固定することになりました。
そして、怪我をしてから4週間が経過し、病院に行って再検査をしたところ、損傷部位の回復が見られたので、足首のギプスが外れてサポーターに変更になりました。
病院での会計も終わり、いざ帰ろうとして立ち上がると、足首に違和感を感じます。
歩き出してもその違和感はとれません。
しゃがんだり正座をしたりというような、体重が乗った状態で足首を極端に曲げ伸ばしする動作は、違和感というより痛みがあり行うことができません。
「なんだこれは!!」という思いと「元の状態に状態に戻るのか!!」という不安が募るばかりです。
このように、損傷した骨や靭帯が修復したから、といって、痛みが無くなる訳ではありません。
痛めた足首をかばって動いていると、腰痛が発生したり、固定により、足首の拘縮や足首周りの筋肉の柔軟性が低下してきます。
この状態になると、リハビリなしでは関節自体の機能の回復が望めないだけでなく、靭帯・関節やその周りの筋肉の柔軟性、また固有知覚(バランス感覚)も回復しないため、競技等で本来のパフォーマンスを発揮できないばかりか、日常生活にも支障を残しかねません。
また、痛めた部位を再受傷しやすくなるだけでなく、足首の固さが原因になり、他の部位の二次的な障害や損傷が出現する可能性もあります。
現在では上記の理由から、早期からのリハビリが必要と考えられています。
但し、医療機関を受診している場合は、スポーツをやっていることを担当医に伝え、その上で早期復帰を目指すことが重要です。
自己判断で固定期間を短くし、無理に関節を動かすことは、危険です。
リハビリ・トレーニングの目的と注意点
足首の怪我に対してのリハビリの目的としては
- 関節可動域(関節の柔軟性)の獲得
- 運動に関係する周囲の筋力の強化
- 固有知覚(バランス感覚)の回復
の3つの項目が挙げられます。
ここでは、特別な道具を用いないでできるリハビリ・トレーニングの具体例を挙げます。
各項目とも、足首にかかる負担が少ない順に記載して最初に記載していきますので、痛みが出ない範囲・力加減でリハビリ・トレーニングを行ってください。
トレーニングを進める途中で痛みが出たり、終わった後に腫れが出るようでしたら、トレーニングに少し無理があるということですので、トレーニングのペースを抑えるようにします。
また、前項でも挙げましたが、可能であればリハビリ・トレーニングの前に温熱療法を行ってください。
温熱療法は患部周辺の軟部組織である筋肉・靭帯等を柔らかくするのでリハビリ・トレーニングの効果を増大させます。
そして、リハビリ・トレーニング後には冷却療法を行ってください。(冷却療法は患部の炎症を抑えます)
その際の方法は温熱療法であれば、入浴時に足を良く温めてそのあとにリハビリ・トレーニングを行って頂くと良いと思います。
冷却療法はビニール袋に氷と水を入れて患部に当てて下さい。冷たすぎる場合は袋と皮膚の間にタオルなどを挟んでください。
関節可動域の獲得(足首を動くようにするためには)
怪我をした患部の直接のリハビリ・トレーニングになりますので、必ず痛みの出ない運動範囲で行うようにしてください。
受傷後早期にはじめてよいもの(ただし痛みの出ない範囲で)
椅子に座って、足首を背屈(上に曲げる)する。
次に足首を底屈(下に伸ばす)する。
これを各10回ずつ、2~3セット行う。
歩行時の痛みが減少(もしくは消失)してから行うもの
椅子に座って、爪先で床に字を描くようなイメージで内側や外側に動かす。慣れてきたら足首を回すように動かしてみる。
内・外各方向に10回ずつ、2~3セット行う。
立位もしくは座位にて、足首を使うことを意識して、空中にアルファベット26文字を書く。1セット行う。
特定動作(しゃがむ・正座等)以外での日常生活での痛みが消失してから行うもの
腓腹筋・アキレス腱のストレッチと足関節背屈可動域の拡大を目的としたエクササイズです。
- 壁に胸の高さで両手を着き、痛めた方の足を後ろに引いて立ちます。
- 両足はまっすぐ前に向け踵はしっかりと床につけたまま体重を手で支え、前足の膝を曲げ後ろの膝はそっと伸ばします。
- 後ろ足を床に6~10秒間押し付ける。
- 2秒休んで腰を前に動かし、後ろ足をまっすぐ伸ばしふくらはぎが引っ張られる感覚を意識しつつ、さらに6~10秒伸ばす。
- この時は、呼吸は止めずに行なってください。
入浴時、浴槽に浸かって行う正座の練習(足関節底屈可動域の拡大を目的とする)
この方法では足首の前側の腱や筋肉が伸ばされます。
湯を貯めた浴槽の中で正座の姿勢をするようにします(浮力が作用する為、通常より楽に座れる筈)
これで痛みが出なければ、痛めた方の足の甲の下にタオルを折りたたんだものを当てて正座する。徐
々に慣らしていき、最終的には痛めた足を反対側の足の上に重ねるように正座をする。
そうすることにより関節可動域の拡大がみられます。
足関節の運動に関係する筋力強化
腓骨筋の強化
タオルを横長に床の上に置き、怪我した足の小指側とタオルの端を合わせ、タオルの下端部を足の指の付け根で踏むような形にポジショニングする。
踵を床から外さずに、足を外側に返すようにしながら、親指とその付け根部分を使ってタオルを手繰り寄せていく(踵を軸に足部を外側に回旋させる。このとき下腿はなるべく回旋させないようにする)
慣れてきたら、抵抗を増すために、本等おもりになるものをタオルの逆端に乗せ、同様に行う。
端から端まで全て手繰り寄せて1セット。2~5セット程繰り返して行う。
固有知覚(バランス感覚)の回復
人間が、目をつぶったままでも姿勢をコントロールできるのは、固有知覚(バランス感覚)が発達しているためです。
固有知覚は、中枢神経と各部位の筋肉、腱、靭帯との微妙な相互バランスで保たれているので、怪我をして各関節の様々な機能が低下すると、当然、固有知覚も低下します。
外傷後、固有知覚が早期に回復すると、スポーツ復帰したときの再受傷の危険性が減少しますが、固有知覚の回復が不十分だと、使いすぎにより起こる障害や急性の損傷を引き起こしやすくなります。
足部や足関節の外傷後に行う固有知覚の回復訓練の仕方は、怪我した方の足で片足立ちしながら、反対側の足で、アルファベット26文字を描きます。
この時は、脚全体を使うことを意識して行います。痛みや不快感があれば26文字書かなくても結構です。
少しずつ文字数は増やして戴ければと思います。
いずれにしても、片足立ちでバランスを崩すと再受傷の可能性もありますので、壁のそばなど、すぐそばに身体を支えるものがあるところで行ってください。
足首のリハビリに対するまとめ
足首のリハビリについてご紹介してみました。怪我を起こした組織の修復だけでは不十分という事が判って頂けたかと思います。
リハビリを行う際の注意点として、まずは傷みが無いように行う事。
リハビリを行って痛みや腫れが出た場合は、リハビリの開始時期が早いか回数が多いか、やりかたが間違っていますのでリハビリを中止してリハビリ内容の再確認が必要です。
また、CRPS体質の方は無理なリハビリにより悪化しますので、専門家の元でリハビリをして頂く事をお勧めします。
今回ご紹介した足首のリハビリ方法はご自宅でも行える初期の段階のものです。損傷程度や部位によってはこれ以上の内容が必要になってきます。
こじれた症状ではなく、通常の足首の怪我であれば上記の方法で日常生活に問題ない位には回復してくると思います。
お困りの際は牛久市の蛯原接骨院にご相談、または、ご来院下さい。