活発に動き回るお子さん、スポーツに励むお子さん、あるいは日々の成長を見守る中で、怪我の心配をされている方もいらっしゃるでしょう。
牛久市周辺にお住まいの保護者の皆様も、同様に感じられていることと思います。
「すぐに受診が必要なほどではないだろう」「少し痛がる程度だろう」と、つい軽く考えてしまいがちなこともありますが、子供の骨は大人とは異なる性質を持っているため、注意が必要です。
成長途中で柔軟性があるため、大人のように完全に折れるのではなく、竹の若枝が曲がるように、骨の一部分だけが折れる「若木骨折」を起こしやすいのです。
この若木骨折は、外見上わかりにくかったり、痛み方が独特だったりするため、見過ごしてしまうと適切な処置が遅れてしまう可能性も否定できません。
この記事では、子供の骨折、特に若木骨折に焦点を当て、その兆候や、万が一骨折が疑われた際の正しい対応、そして当院での具体的なアプローチについて詳しくご説明します。
お子さんの怪我で不安を感じた時に、この情報がお役に立てれば幸いです。
Contents
第1章:子供の骨折、なぜ大人と違うの?骨の特性を知る
子供の骨折が大人と異なる理由は、子供の骨が持つ特別な成長段階の特性にあります。
子供の骨は、大人に比べて骨密度が低く、しなりやすいという特徴があります。これは、骨の端にある「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる成長軟骨帯が関係しています。
骨端線は、骨が長さを伸ばしていくための重要な部分であり、この領域は骨幹部(骨の真ん中の硬い部分)よりも強度が低いのです。
そのため、強い力が加わると、骨幹部ではなく、この骨端線で骨折が起こることがあります。これを「骨端線損傷」と呼び、成長期のお子さんの骨の成長に影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。

また、子供の骨は、骨を包む膜である「骨膜」が厚く、丈夫です。この丈夫な骨膜が、骨が完全に折れるのをある程度防ぐ役割を果たします。
その結果、骨の表面に近い部分が断裂しても、内側の膜が繋がっているような状態になり、竹の若枝が曲がるように、骨の一部分だけが折れる「若木骨折」という状態が起こりやすくなるのです。
これは、新鮮な木の枝に力を加えると、パキッと完全に折れるのではなく、曲がって表面に亀裂が入るようなイメージです。
子供に多く見られる骨折には、他に以下のようなものがあります。
上腕骨骨幹部骨折(若木骨折): 男の子に多く見られ、特に腕の骨(上腕骨)で起こりやすい骨折です。
橈骨遠位端骨折(若木骨折): 手をついて転んだ際に、手首の少し手前で起こりやすい骨折です。手首の関節に近い場所で起こるため、注意が必要です。
鎖骨骨折(若木骨折): 転倒時の衝撃などによって起こりやすい骨折です。
これらの骨折は、それぞれ受傷のメカニズムや症状が異なりますが、共通して言えるのは、子供の骨の成長や機能に影響を与えないよう、慎重な対応が求められるという点です。
「子供の骨は、成長期特有の構造を持ち、成人の骨とは異なる性質があります。例えば、骨の端にある成長軟骨である『骨端線』の存在や、骨膜の厚さと強度が、子供の骨折の様式に影響を与えます。特に、子供に多い『若木骨折』は、骨が完全に折れるのではなく、竹の若枝がしなるように一部に亀裂が入る『不全骨折』の一種として知られています。」
出典元: 日本整形外科学会「小児の骨折」
第2章:これって骨折?若木骨折の主な兆候と見分け方
子供の骨折、特に若木骨折は、大人の骨折のように明らかな変形が見られないことも多く、見分けるのが難しい場合があります。
しかし、いくつかの兆候に注意することで、骨折の可能性にいち早く気づくことができます。
【受傷直後のサイン】
1.痛み:
- 怪我をした箇所を触ると痛がる、または押されると嫌がる様子が見られます。
- 患部を動かす際に強い痛みを訴えることがあります。
- 打撲でも痛みはありますが、骨折の場合は痛みが持続しやすく、安静にしていても痛むことがあります。
2.腫れ・熱感:
- 怪我をした部分が赤く腫れ上がり、熱を持っているように感じることがあります。これは、炎症反応によるものです。
- 腫れがひどい場合、他の怪我と区別がつきにくくなることもあります。
3.微熱:
- 骨折やその周囲の組織の損傷により、一時的に微熱が出ることがあります。全身の反応として捉えることができます。
4.変形:
- 骨折の程度によっては、患部の形が不自然に曲がっていたり、長さに違いが出たりすることがあります。
- 若木骨折の場合、見た目にはっきりとした変形が見られないことも少なくありません。
5.機能障害:
- 患部を動かせない、または動かすことを強く拒む様子が見られます。
- 例えば、腕の骨折が疑われる場合、抱っこしようとしても腕をかばって動かさなかったり、足の骨折の場合、体重をかけて歩けなかったりします。
【捻挫との見分け方】
お子さんが「足が痛い」「手が痛い」と訴えた時に、まず捻挫かな?と考える方もいらっしゃるかもしれません。捻挫は、関節を包む靭帯や軟骨が伸びたり、傷ついたりする怪我です。一方、骨折は、骨そのものが損傷を受けている状態です。
両者の見分け方で重要なのは、痛みの強さ、腫れの程度、そして患部の機能です。
痛みの強さ: 一般的に、骨折の方が捻挫よりも痛みが強い傾向があります。
腫れや変形: 骨折の場合、腫れがひどかったり、見た目にわかる変形があったりすることが多いです。
体重の負荷: 足を捻挫した場合でも、少し歩けることはありますが、骨折の場合は、患部に体重をかけることが困難な場合が多いです。特に、お子さんが「歩きたくない」「抱っこして」と強く訴える場合は、骨折を疑うサインとして捉えましょう。
【子供が言葉でうまく伝えられない場合】
特に小さなお子さんの場合、どこが痛いのか、どのように痛むのかを言葉で正確に伝えることが難しいことがあります。そんな時は、お子さんの「様子」に注意を払いましょう。
泣き方がいつもと違う: いつもなら泣き止むはずなのに、いつまでも激しく泣き続ける。
抱っこを嫌がる、または特定の姿勢しか取らない: いつも抱っこをせがむのに、怪我をした場合は抱っこされるのを嫌がる、あるいは体を傾けて抱っこされるのを好む。
特定の場所を触られるのを極端に嫌がる: 腫れている部分や、押さえられた場所を触られると、泣き叫んで抵抗する。
顔色が悪い、ぐったりしている: 痛みが強い場合や、出血を伴う場合は、顔色が悪くなったり、ぐったりして元気がない様子が見られることもあります。
これらのサインが見られたら、骨折の可能性を考慮し、慎重に対応することが大切です。
第3章:お子さんの様子がおかしいな、もしかしたら骨折かも?と感じた時
お子さんの様子がおかしいな、もしかしたら骨折かも?と感じた時、まず慌てず、落ち着いて対応することが大切です。適切な初期対応は、その後の回復に大きく影響します。
専門機関への受診を最優先に
お子さんの骨折が疑われる場合、最も重要なのは、速やかに医療機関に受診をすることです。
医療機関への受診が難しい場合の家庭での応急処置(RICE処置に沿って)
医療機関への受診をするのがすぐには難しい場合に、ご家庭でできる応急処置を行います。これらは、専門的な診断を受けるまでの間、症状の悪化を防ぐことを目的としています。
骨折やその他の外傷に対する応急処置として、以下のRICE処置が基本となります。

Rest(安静):
お子さんが怪我をした部分を動かさないようにすることが最も重要です。患部に体重をかけたり、無理に動かそうとしたりすると、骨折部がさらにずれたり、周囲の組織を傷つけたりする可能性があります。もし、お子さんが歩ける状態であっても、できるだけ安静にするよう促してください。
例えば、腕の骨折が疑われる場合は、お子さんを抱っこし、腕が不自然に動かないように支えましょう。
足を骨折している可能性がある場合は、無理に立たせたり歩かせたりせず、すぐに座らせるか寝かせることが大切です。
Ice(冷却):
腫れや痛みを和らげるためには、患部を冷やすことが有効です。氷嚢(ひょうのう)や保冷剤などをタオルで包み、患部に当てます。
**注意点として、氷を直接肌に当てないでください。**凍傷の原因となることがあります。
一度に15分~20分程度冷やし、その後1時間ほど間隔を空けて、これを繰り返します。冷やしすぎは血行を悪くする可能性もあるため、注意が必要です。
Compression(圧迫):
腫れを抑えるために、患部を軽く圧迫することも有効です。ただし、きつく巻きすぎると血行が悪くなるため、指先の感覚が鈍ったり、色が変わったりしないように注意してください。包帯やテーピングなどを活用しますが、家庭での実施は慎重に行いましょう。Elevation(挙上):
可能であれば、患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れを軽減させる効果が期待できます。クッションなどを利用して、楽な姿勢で患部を少し高くしてあげましょう。
当院では、お子様の怪我に対する保護者の皆様の不安を軽減するため、夜間や休日、祝日であっても、事前にお電話などでご連絡いただければ、可能な限り迅速な対応を心がけております。急な怪我の際にも、お気軽にご連絡ください。
また、当院では、受傷当日や、夜間・祝祭日であっても、お子様の状態に合わせた丁寧な処置を行います。問診や触診に加え、必要に応じて超音波エコー検査も行い、骨折の有無や状態を画像で確認します。これにより、損傷の程度を正確に把握し、より適切な固定処置を行うことを心がけております。
骨折の確定診断や、レントゲン検査などが必要と判断された場合には、医療機関との連携を図りながら、お子さんにとって最善の受診方法や治療計画を検討します。お子さんの回復に向けて、連携を取りながら進めてまいりますので、ご安心ください。
第4章:接骨院での子供の骨折(若木骨折)への対応
お子さんが怪我をして接骨院にご来院された際、保護者の皆様の不安な気持ちに寄り添いながら、お子さん一人ひとりの状態に合わせた丁寧な施術を行います。
若木骨折を含む、子供の骨折に対して、以下のような対応が可能です。
問診と触診、超音波エコー検査による評価
まず、お子さんがどのようにして怪我をしたのか、いつから痛むのか、どのような痛みがあるのかなどを詳しくお伺いします。
保護者の方からいただく情報は、正確な状態を把握するための重要な手がかりとなります。その後、患部の腫れや熱感、痛みのある箇所などを、優しく触診しながら確認していきます。
また、より正確な状態把握のために、超音波エコー検査を行います。超音波エコーは、骨折の有無、骨折線の状態、周辺の軟部組織の損傷などをリアルタイムで画像化し、非侵襲的に評価することが可能です。
これにより、徒手検査だけでは判断が難しい微妙な骨折や、骨折以外の軟部組織の損傷の鑑別にも役立てることができます。お子さんがリラックスできるよう、声かけをしながら慎重に検査を進めます。
整復(必要に応じて)
骨折において、骨折した骨の端がずれてしまっている状態(転位がある場合)では、自然な治癒過程で骨が本来の並びに戻りにくくなったり、将来的に関節の動きに影響が出たりする可能性があります。
このような場合、専門的な手技を用いて、ずれてしまった骨の位置を可能な限り元の状態に戻す「整復」を行います。
徒手整復の重要性
子供の骨折、特に若木骨折では、骨のずれ(転位)が少ない場合でも、成長期のお子さんの骨格形成において、できるだけ正確な位置で骨がつくように整えることが大切です。
徒手整復は、経験豊富な施術者が直接手で骨の位置を調整する手技であり、お子さんの骨の状態を丁寧に把握しながら、可能な範囲で最適な位置へと微調整を行います。
これにより、骨折部位の安定を図り、将来的な骨の変形や関節の機能障害のリスクを低減させ、よりスムーズな回復を促すことが期待できます。
固定(シーネ、ギプスなど)
整復後、あるいは整復が必要ない場合でも、骨折した箇所が安定し、自然に治癒していくためには、適切な固定が不可欠です。骨折の部位や程度に合わせて、様々な固定材を使用します。
シーネ(添え木): 厚紙やグラスファイバー、金属などで作られたもので、患部の固定に広く用いられます。必要に応じて取り外しが可能であるため、状態の確認や清拭がしやすいというメリットがあります。
ギプス: グラスファイバー製の包帯で患部を包み込み、強固に固定します。骨折部位の安定が必要な場合に用いられます。
いずれの固定材を使用する場合でも、お子さんの体に合ったサイズのものを選び、きっちりと固定します。固定材が皮膚に当たって痛くないか、きつすぎないかなどを丁寧に確認し、不快感がないように配慮します。
固定期間中の注意点や、ご家庭でできるケアについても詳しくご説明いたします。
自家矯正と固定の役割
子供の骨には、成長と共に骨のずれ(転位)が自然に修復されていく「自家矯正力」という素晴らしい特性があります。特に成長期にあるお子さんの骨は、体の変化に合わせて自然に正しい形へとリモデリング(再構築)されていく力を持っています。
しかし、この自家矯正力は万能ではありません。骨のずれの程度(転位)が大きい場合、自家矯正のみでは完全に元の形に戻らないこともあります。
例えば、骨が大きくずれている場合などは、自家矯正だけでは十分な効果が得られないことがあります。
このような転位のある骨折に対しては、まず当院で行う徒手整復によって、できる限り骨を適切な位置に戻すことが重要です。
これにより、お子さんの持つ自家矯正力が最大限に活かされ、リモデリングによってより理想的な形へと近づくことが期待できます。
徒手整復後の適切な固定(シーネやギプスなど)は、この整復された骨の位置を安定させ、自家矯正力が効果的に働くための土台となります。
不適切な固定や、転位が残ったままの状態で放置してしまうと、回復後の変形につながる可能性も否定できません。
部位別の自家矯正許容範囲の目安
自家矯正によって自然に修復される骨のずれの角度には、部位によってある程度の許容範囲があります。
以下に一般的な目安を記載しますが、これはあくまで目安であり、お子さんの年齢や骨折の正確な状態によって異なります。必ず専門家の判断を仰ぐようにしてください。
部位 | 自家矯正の許容範囲の目安 | 特記事項 |
上腕骨(二の腕) | ・前額断面(正面から見た時の)ずれ:約10~15度程度・水平断面(体の断面)でのずれ:軽度であれば許容される場合が多い | 回旋方向のずれ(ねじれ)は、軽度であれば許容されますが、ずれが大きい場合は注意が必要です。 |
前腕骨(肘と手首の間) | ・橈骨(親指側)と尺骨(小指側)のずれ:軽度な角度(約5~10度程度)であれば自家矯正が見込める | 特に回旋(ねじれ)のずれは、自家矯正による修復が難しい場合があります。骨のねじれは、見た目や手の動きに影響を与える可能性があります。 |
大腿骨(太もも) | ・角度のずれ:約5~10度程度 | 成長期にあるため、比較的自家矯正力が大きい部位ですが、転位(ずれ)や回旋(ねじれ)が大きい場合は注意が必要です。大腿骨のずれは、歩行や姿勢に影響を及ぼす可能性があります。 |
下腿骨(すね) | ・脛骨(すねの太い骨)と腓骨(すねの細い骨)のずれ:比較的自家矯正力はありますが、特に腓骨のずれが大きい場合は注意が必要。・角度のずれ:約5~10度程度 | 下腿骨、特に腓骨のずれが大きい場合は、自家矯正のみでは完全な修復が難しいことがあります。正確な整復と固定が、将来的な歩行や運動機能に影響を与えます。 |
接骨院では、お子さんの骨折の状態を丁寧に評価し、自家矯正で対応できる範囲なのか、それとも医療機関での専門的な処置が必要なのかを判断いたします。お子さんの健やかな成長のために、最善の方法をご提案いたします。
骨癒合を促進する治療法(微弱電流療法など)
近年、骨折の治癒を早めるための治療法として、微弱電流療法が注目されています。これは、骨折部位に微弱な電流を流すことで、細胞の活性化を促し、骨の形成を促進する効果が期待できるものです。
骨癒合の促進: 微弱電流は、骨芽細胞の増殖を促し、コラーゲン生成を助けることで、骨折部の早期修復をサポートします。これにより、通常の治癒期間よりも早く、骨がしっかりとくっつくことが期待できます。
ギプス固定期間の短縮: 骨癒合が促進されることで、ギプスなどの固定期間を短縮できる可能性もあります。これにより、お子さんが早く日常生活やスポーツに復帰できることが期待できます。
痛みの軽減: 微弱電流には痛みを和らげる効果も期待できるため、患部の不快感を軽減する助けにもなります。
当院では、お子さんの状態に合わせて、このような治療法も積極的に取り入れています。 骨癒合の促進をより確実にするためには、微弱電流を通電するための通院が重要となります。受傷日からの継続的な物療(電気療法など)を開始することで、回復を最大限にサポートいたします。
後療法(リハビリテーション)
骨折が順調に治り、固定を外すことになったとしても、しばらくは患部の筋肉が弱っていたり、関節の動きが悪くなっていたりすることがあります。そこで重要になるのが「後療法」、つまりリハビリテーションです。
骨折した箇所がしっかりと回復し、お子さんが以前のように元気に動き回れるようになるため、段階を踏んだリハビリテーションを行います。
関節可動域訓練: 硬くなった関節の動きをスムーズにするためのストレッチや運動を行います。
筋力トレーニング: 弱くなった筋力を回復させるための、無理のない運動メニューを提供します。
運動療法: お子さんの成長に合わせて、日常生活での動きや、スポーツに復帰するための動きを段階的に練習していきます。
これらのリハビリテーションを通じて、お子さんの運動能力の回復を図り、怪我による影響を軽減することを目指します。
保護者の方へのアドバイス(栄養面について)
お子さんの骨折治療において、適切な栄養摂取は、骨癒合の促進と身体機能の回復をサポートする上で非常に重要です。特に、お子さんの成長期と骨折からの回復期が重なる場合、普段以上に栄養バランスに気を配ることが推奨されます。
以下に、骨折回復期に推奨される栄養素とその摂取源についてまとめました。
重要栄養素 | 役割・効果 | 推奨される摂取源 | 摂取のポイント |
タンパク質 | 骨や筋肉、皮膚などの組織を構成する基本材料。骨折部位の修復、新しい骨組織の生成、筋肉の維持・強化に不可欠。 | 肉類(鶏むね肉、ささみ、豚ヒレ肉など)、魚類(鮭、サバ、アジなど)、卵、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど) | 毎回の食事で必ず摂取することを心がける。間食としても、ゆで卵やヨーグルトなどを活用すると良い。加熱調理の際は、揚げ物よりも蒸す、茹でる、焼くといった調理法を選ぶと、脂質を抑えつつタンパク質を効率的に摂取できる。 |
カルシウム | 骨や歯の主要な構成成分。骨の強度を保ち、骨折部位のカルシウム沈着を促進する。 | 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、小魚(いわし、しらす干しなど)、大豆製品、緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草など) | タンパク質やビタミンDと一緒に摂取すると吸収率が高まる。お子さんの好みに合わせて、牛乳を飲む、ヨーグルトをデザートにする、チーズを料理に加えるなどの工夫をする。 |
ビタミンD | カルシウムの吸収を助け、骨の形成を促進する。また、免疫機能の調整にも関与する。 | 魚類(鮭、サンマ、サバなど)、きのこ類(干し椎茸など)、卵黄。日光を浴びることでも体内で生成される。 | 魚を積極的に食べる機会を設ける。天気の良い日には、お子さんが外で安全に遊ぶ時間を確保することも大切。ただし、日焼け止めなどによる過度な遮断はビタミンD生成を妨げる可能性があるため、バランスを考慮する。 |
ビタミンC | コラーゲンの生成を助け、骨や軟骨の健康維持に重要。また、鉄分の吸収を助け、免疫機能のサポートも行う。 | 果物(オレンジ、キウイ、いちごなど)、野菜類(パプリカ、ブロッコリー、じゃがいもなど) | 生で食べられる果物や野菜を積極的に取り入れる。調理する際は、加熱時間が短い方がビタミンCの損失を抑えられる。食事の最初に果物を食べるなど、摂取しやすい工夫をする。 |
マグネシウム | 骨の代謝に関与し、カルシウムの働きを助ける。 | 大豆製品、種実類(アーモンド、くるみなど)、緑黄色野菜、海藻類、玄米、雑穀など | バランスの取れた食事を心がけることで、自然と摂取できる。ナッツ類をおやつにする、雑穀米を炊くなどの方法がある。 |
亜鉛 | 細胞の分裂や成長に不可欠であり、骨の形成にも関与する。 | 肉類(特に赤身)、魚介類(牡蠣、エビなど)、大豆製品、種実類 | 亜鉛は吸収率が低い栄養素でもあるため、様々な食品から摂取することを意識する。 |
その他(水分) | 体内の様々な代謝活動を助け、栄養素の運搬や老廃物の排出に関わる。 | 水、牛乳、お茶(カフェインの少ないもの)、果汁(薄めたもの) | 十分な水分補給は、子供の健康維持の基本。特に安静にしている間も、発熱などがある場合は脱水に注意し、こまめな水分補給を促す。 |
摂取の際の注意点:
無理のない範囲で: お子さんの好き嫌いや食欲に合わせて、楽しく食事を摂れるように工夫することが大切です。無理強いせず、少しずつ新しい食材に挑戦する機会を作るなど、ポジティブなアプローチを心がけましょう。
調理法: 揚げ物ばかりになるのを避け、蒸す、茹でる、焼くといった調理法をバランス良く取り入れることで、栄養素を効率的に摂取しやすくなります。
当院としての栄養相談: 食事に関して不安がある場合や、お子さんの食が細い、特定の栄養素の摂取が心配な場合など、お気軽にご相談ください。お子さんの状態や回復状況に合わせた、一般的な食事に関するアドバイスを提供いたします。
お子さんの状態観察と早期相談: 日々のお子さんの様子をよく観察し、痛みの変化や腫れの具合、普段との違いなど、気になる点があれば、遠慮なくご相談ください。早期に状態を把握し、適切に対応することが大切です。
【実際の症例】接骨院での子供の骨折への対応事例
ここでは、実際に接骨院に訪れたお子さんの骨折ケースを、より詳しくご紹介します。
症例:小学3年生の女の子、自転車での転倒による橈骨遠位端骨折(若木骨折疑い)
ある日の午後、自転車に乗っていて転倒したという、小学3年生の女の子が保護者の方と一緒に来院されました。お子さんは、右手首を強く打ち、すぐに痛みと腫れが出現したとのことでした。
保護者の方は、初めての経験で戸惑いながらも、以前から知っていた当院へ連れてこられました。
初回の状態と評価:
来院時、お子さんは右手をかばい、ほとんど動かそうとしませんでした。右手首の関節付近には明らかな腫れと熱感がみられ、軽く触れただけでも痛そうに顔をしかめました。保護者の方の話によると、転んだ後に泣き止むまで時間がかかり、痛みが強く、右手で物を持つことも難しかったとのことでした。
見た目には、骨の明らかな変形は確認できませんでしたが、痛みと腫れ、機能障害の程度から、骨折の可能性が高いと判断しました。
当院での対応:
まず、お子さんが安心できるよう、優しく声かけを行いながら問診を行いました。その後、超音波エコー検査を実施したところ、橈骨(手首の骨)の遠位端(関節に近い部分)に、骨皮質の連続性が途切れている箇所が確認され、若木骨折の所見と合致しました。
骨折のずれが軽度であったため、徒手整復を行いました。お子さんの手を取り、骨の位置を調整する手技を行いました。その結果、整復前にみられた軽度のほねのずれが解消され、骨の位置が整いました。
整復前の確認:
この整復操作の前に、受傷時に神経や血管に損傷がないかどうかのチェックを丁寧に行います。これは、整復操作がお子さんの体に影響を与えないことを確認するための、非常に重要なステップとなります。
その後、お子さんの成長に合わせて、腕を固定するためのシーネ(添え木)を作成し、固定しました。シーネは、過度な圧迫がなく、お子さんの動きを妨げすぎないように配慮しました。
さらに、骨癒合の促進と痛みの軽減を目的として、微弱電流療法を開始しました。受傷当日から開始し、その後も定期的な通院を促しました。
通院の際には、シーネの状態確認、皮膚の清潔保持、そしてお子さんの痛みの度合いなどを伺いました。
経過と回復:
受傷から約1週間後には、初診時よりも痛みが軽減し、腫れも落ち着いてきました。その後も継続してリハビリテーションを行いながら、約3週間後に超音波エコー検査を実施したところ、骨折部位の仮骨形成(骨がくっつき始めている兆候)が確認されました。
シーネを外した後は、関節の可動域訓練と筋力トレーニングを組み合わせたリハビリテーションを継続しました。
お子さんが積極的にリハビリに取り組んだこともあり、約1ヶ月半後には関節の動きがスムーズに回復し、以前のように右手で鉛筆を持ったり、軽くボールを投げたりすることができるようになりました。
最終的に、受傷から約2ヶ月後にスポーツへの復帰も安全に行える状態となりました。
この症例のように、子供の骨折は早期に適切な処置を行い、その後のリハビリテーションを進めることが、お子さんの健やかな成長と活動的な生活を取り戻すために重要です。
第5章:スポーツ活動への復帰と再発予防
お子さんが怪我から回復し、また大好きなスポーツを始められるようになることは、喜びが大きいことです。しかし、スポーツへの復帰は、焦ってはいけません。
復帰までのプロセス
骨折が治癒し、固定を外した後すぐに、以前と同じように激しい運動を再開することは、まだ骨や関節が完全に元の状態に戻っていない可能性があるため、リスクが伴います。
段階的な負荷: まずは軽い運動から始め、徐々に運動の強度や時間を増やしていきます。例えば、ランニングから始め、次に軽いジョギング、そしてダッシュへと移行していくといった具合です。
痛みの有無の確認: 運動中に痛みが生じないか、常に注意を払います。もし痛みが出た場合は、無理せず運動を中止し、ご相談ください。
機能評価: スポーツ動作に必要な筋力や柔軟性が十分に回復しているかを確認します。
復帰の時期は、骨折の種類、重症度、お子さんの年齢、そして運動するスポーツの種類によって大きく異なります。専門家の指示に従い、安全な復帰を目指しましょう。
再発予防策
一度怪我をした箇所は、無理をすると再び怪我をしやすくなることがあります。そのため、日頃からのケアが非常に大切になります。
ウォーミングアップとクールダウン: スポーツ前後のストレッチは、筋肉や関節の柔軟性を高め、怪我の予防につながります。特に、成長期のお子さんの場合は、入念に行うことが重要です。
正しい体の使い方: スポーツ動作における正しいフォームや体の使い方の指導は、怪我の予防だけでなく、パフォーマンス向上にもつながります。もし、お子さんがスポーツで悩みを抱えている場合も、ご相談ください。
十分な休養と栄養: 体が十分に回復するためには、適切な休息と、バランスの取れた食事が不可欠です。特に成長期には、タンパク質やカルシウムを十分に摂取することが大切です。
お子さんに合わせたトレーニング: 体力レベルや成長段階に合わせたトレーニングを行うことで、怪我をしにくい丈夫な体を作ることができます。
怪我の治療だけでなく、お子さんが将来にわたって健康的にスポーツを楽しめるよう、再発予防や体作りに関するアドバイスも積極的に行っています。
まとめ:牛久市周辺の保護者の皆様へ
お子様の怪我、特に骨折の疑いがある場合、保護者の皆様は大変ご心配のことと存じます。しかし、お子様の骨には、適切な処置とケアを受けることで回復していく力が備わっています。
牛久市にお住まいで、お子様の骨折や若木骨折でお悩みの方、あるいは「もしかしたら骨折かもしれない」とご心配な保護者の方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、お子様一人ひとりの状態を丁寧に把握し、その方に合った治療計画を立てます。経験豊富な施術者が、お子様に寄り添いながら、安心できる施術を心がけております。保護者の皆様の不安や疑問にも、分かりやすく丁寧にお答えし、お子様の回復に向けたサポートをいたします。
些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
【接骨院詳細】
【蛯原接骨院】
住所: 〒300-1222 茨城県牛久市南2-1-12
電話番号: 029-872-2653
診療時間:
曜日 午前 午後 月~金 8:00~12:00 15:00~20:00 土 8:00~12:30 休診 日 休診 休診
アクセス: JR常磐線「牛久駅」徒歩5分
駐車場: 5台分有り
【監修】
蛯原 吉正(柔道整復師)
詳しいプロフィールはこちらのページをご覧ください。
免責事項
当ブログ記事は、子供の骨折、特に若木骨折に関する一般的な情報提供を目的として作成されています。掲載されている情報は、読者の皆様の参考となることを意図しておりますが、個別の医療相談や診断、治療に代わるものではありません。
お子様の骨折に関する症状や治療法については、その種類、重症度、お子様の年齢や成長段階、個々の体質など、様々な要因によって異なります。そのため、本ブログ記事の内容のみに基づいて自己判断や治療を行うことは、予期せぬ結果を招く可能性があります。
お子様に骨折の疑いがある場合や、怪我の症状についてご心配な点がございましたら、必ず速やかに医療機関を受診し、専門的な診断と指示に従ってください。当接骨院では、医療機関と連携しながら、お子様の回復をサポートしてまいります。
当ブログ記事の情報の利用によって生じたいかなる結果についても、当院は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。