「段差を踏み外して足をひねり、激痛が走った」
「病院で『第5中足骨基底部骨折』と診断されたが、これからどうなるのか不安…」
突然の怪我により、歩くことさえままならなくなり、日常生活や仕事、学業への影響を考えると、大きな不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
骨折への対応と聞くと、「長期間ギプスで固めて、あとは骨がつくのをひたすら待つ」というイメージが強いかもしれません。しかし、固定の仕方や固定期間中の過ごし方によって、その後の快適さや回復までの期間は大きく変わってきます。
この記事は、第5中足骨基底部骨折と診断された方の疑問や不安にお答えする総合ガイドです。
そして、この記事の最も重要な目的は、患者様の負担を軽くし、より良い回復を目指すための「当院が実践する固定法と回復への向き合い方」について、詳しくご紹介することです。
当院がなぜ足首を固定しないのか、なぜ受傷当日からケアを始めるのか。その理由と具体的な方法を知っていただくことで、ご自身の身体に起きていることを正しく理解し、前向きに回復への一歩を踏み出していただくきっかけになれば幸いです。
Contents
第1章:まず知っておきたい「第5中足骨基底部骨折」の基礎知識
ご自身の怪我を理解することは、安心への第一歩です。まず、骨折がどのような状態を指すのか、基本的なところから確認しましょう。
骨折とは骨が折れた状態であり、完全に骨が二つ以上に離れてしまった状態(完全骨折)だけでなく、骨にひびが入った状態(不全骨折)や、骨の一部が欠けた状態(剥離骨折、骨端線離開など)も骨折に含まれます。
【出典】 日本整形外科学会「骨折」
この「下駄骨折」について、分かりやすく解説します。
1-1. 第5中足骨基底部とは?
中足骨(ちゅうそっこつ)は、足の甲を形作っている5本の骨です。第5中足骨は、その中で一番外側、つまり小指の付け根にある骨です。この骨折は、その骨の足首に近い部分(基底部)で起こります。

下の写真が実際に、第5中足骨基底部骨折を起こした時のレントゲン画像です。赤い矢印が指している部位が骨折している箇所です。
1-2. なぜ「下駄骨折」と呼ばれるのか?
その名の通り、昔の日本で履かれていた「下駄」が由来です。硬い鼻緒で足が固定されたまま段差などを踏み外して足をひねり、この骨折を起こす方が多かったため、今でも「下駄骨折」という通称で呼ばれています。

1-3. 骨折が発生する主な原因
第5中足骨基底部骨折は、足首を内側に強くひねってしまうことで発生します。
日常生活での原因: 階段や段差の踏み外し、転倒など
スポーツ活動での原因: サッカーやバスケでの方向転換、ジャンプの着地など
これらの動作の際、足首を支える「短腓骨筋」という筋肉が、腱(けん)となって第5中足骨基底部にくっついています。足がひねられると、この腱が骨の一部を強く引っ張り、剥がし取るようにして骨折が起こります(これを裂離骨折といいます)。

1-4. みられる症状
ピンポイントの強い痛み: 足の甲の外側、少し膨らんだ骨の部分を指で押すと、一点に集中して激しい痛みを感じる。
ひどい腫れと内出血: 怪我をした後、時間とともに患部が青紫色に腫れあがる。
歩くのがつらい: 体重をかけると痛みが強まり、歩くことが難しい。
第2章:回復への道のりを左右する、当院の固定・ケアの方針
「ただ患部を固定すれば良い」というわけではありません。当院では、患者様の回復までの生活を第一に考えたアプローチを採用しています。
2-1. 一般的な固定法と当院が実践する固定法の比較
骨折の固定にはいくつかの方法があります。ここでは、一般的なギプス固定などと、当院で主に行っている副子(ふくし)を使った固定法を比較してみましょう。
項目 | 一般的な固定法(ギプスなど) | 当院が実践する固定法(副子) |
固定する範囲 | 足の甲から足首まで全体 | 骨折部周辺のみ |
特徴 | ・足首が完全に固定される・取り外しができないことが多い | ・足首は自由に動かせる・必要に応じて取り外しが可能 |
考えられる利点 | ・非常に高い固定力がある | ・関節が硬くなるのを防ぐ・皮膚を清潔に保てる・ケアがしやすい |
考えられる欠点 | ・関節が硬くなりやすい・皮膚のトラブルが起きやすい・固定中のケアがしにくい | ・患者様の協力が必要 |
当院では、患者様の状態に合わせて最適な方法を選択しますが、主に「足首を固定しない」副子固定を行っています。

2-2. 当院が「足首を固定しない」理由
なぜ、あえて足首を固定しないのか。それには、患者様のための明確な理由があります。
関節が固まるのを防ぎ、リハビリ期間を短くする
足首を長い間動かさないでいると、関節の周りにある筋肉や腱(けん)、関節を包む袋(関節包)などが弾力性を失い、硬くなってしまいます。その結果、関節そのものの動きが悪くなる状態を「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」と呼びます。
関節が一度固まってしまうと、その後のリハビリに多くの時間を要していました。当院が実践する足首を固定しない方法では、この関節の固まりがほとんど起こらないため、スムーズな回復が期待でき、リハビリ期間も短くて済みます。腰痛など、他の場所の痛みを防ぐ
足をかばって不自然な歩き方を続けると、膝や股関節、特に腰に負担がかかり、腰痛の原因になることがあります。足首の動きを保つことで、身体全体のバランスが崩れにくくなり、腰痛が発生する頻度も少なくなりました。皮膚を清潔に保てる
私も学生の頃、骨折でギプスを巻いた際、隙間から割りばしを入れて痒い所を掻いていた記憶があります。当院の固定法なら、ご自身で足を清潔に保つことができ、皮膚のかぶれやかゆみといったお悩みも非常に少ないです。
2-3. 固定中から始める積極的なケア
当院では、固定して骨がつくのをただ待っているだけではありません。受傷当日から、回復を後押しするための積極的なケアを始めます。
専門機器によるケア(物理療法):
微弱電流通電: 人間の身体が本来持っている回復力をサポートする、非常に弱い電流を患部に流します。痛みを感じることはなく、組織が元気になるのを促す効果が期待できます。
さらに、骨折した部分に毎日一定時間、この微弱な電流を継続して流すことで、骨のくっつき(骨癒合)を促し、回復にかかる期間の短縮が期待できると研究で報告されています。

超音波浴: 超音波の微細な振動と温かいお湯の作用で、患部の血流を促し、硬くなった組織を和らげます。痛みの軽減や組織の回復サポートが期待できるケアです。
低周波療法: 微弱な電気刺激で筋肉を優しく動かしたり、痛みを感じる神経に働きかけたりすることで、血行を促進し痛みを和らげる効果が期待できます。
温罨法(おんあんぽう): ホットパックなどで患部周辺を心地よく温め、血流を改善し、筋肉の緊張をほぐします。これにより、痛みの緩和やリラックス効果が期待できます。
これらの物理療法を、患者様一人ひとりの状態に合わせて組み合わせ、痛みや腫れを和らげます。
患部以外のトレーニング(運動療法・筋トレ):
怪我をした足は安静にしますが、それ以外の部分は積極的に動かします。体幹や上半身、反対側の足の筋力トレーニングなどを行うことで、全身の筋力が落ちるのを防ぎます。これにより、松葉杖を安全に使えるようになり、歩き始めた時の身体のバランスが崩れにくく、スムーズな復帰につながります。
身体全体のバランス調整(BFI療法など):
足をかばうことで発生する腰痛や、CRPS(複合性局所疼痛症候群)といった厄介な後遺症を防ぐため、身体全体のバランスを整えることも並行して行います。
2-4. 回復を促すための「適切なタイミングでの荷重」
骨の組織は、刺激を受けながら強くなる性質を持っています。具体的には、歩くことなどで適度な体重がかかると、骨の中にある「骨をつくる細胞」が活発に働き始め、骨をより丈夫にしてくれるのです。
例えば、重力の影響が少ない宇宙空間に滞在する宇宙飛行士は、骨への刺激が減るため骨が弱くなってしまうことが知られています。このことからも、骨の健康には適度な負荷がいかに大切かがわかります。
しかし、ここで非常に重要な注意点があります。この「負荷をかける」というアプローチは、どんな骨折にも当てはまるわけではありません。骨折の場所や折れ方によっては、むしろ一定期間しっかり安静にすることが回復への一番の近道となるケースも多くあります。
そのため当院では、超音波画像観察装置(エコー)などを用いて骨折の状態を確認します。その上で、個々の状態に合わせて「このタイミングで、この程度から体重をかけていきましょう」と、最も安全で効果的な荷重の開始時期をご案内しています。
痛みを我慢して無理に体重をかけることは、かえって回復を妨げることにもなりかねません。自己判断で荷重を始めることは非常に危険ですのでお控えください。専門家の管理のもとで、骨の性質を安全に活かしていくことが、着実な回復への鍵となります。
第3章:回復に向けた4つのステップ ― 具体的な運動の進め方
当院では、以下の4つのステップに沿って、計画的に身体の状態を整えていきます。下の表で、回復までの全体の流れを確認してみましょう。
ステップ | 期間の目安 | 主な目的 | 主な内容 |
ステップ1:安静とケアの期間 | 受傷直後~約3週間 | ・痛みと腫れを抑える・動かせる部分の機能を保つ | ・RICE処置・専門機器によるケア・怪我をしていない部分の筋トレ |
ステップ2:動き始めの期間 | 約3週~6週後 | ・関節の動きを取り戻す・安全に体重をかける練習 | ・足裏や足首を動かす運動・少しずつ体重をかける練習・エコーで状態を確認し運動開始 |
ステップ3:歩行の安定期間 | 約6週~10週後 | ・安定した歩行を目指す・筋力とバランスを向上させる | ・かかと上げ、チューブ運動・片足立ち・歩き方の癖を直す |
ステップ4:復帰への準備期間 | 約10週後~ | ・日常生活やスポーツへの復帰 | ・ジョギング、ジャンプ・方向転換など実践的な動き |
各ステップでは、当院が患者様の状態をしっかり確認しながら、最適な運動やケアを進めていきます。
第4章:【状況別】回復までの進め方とサポート内容
この骨折によるお悩みは、年齢や日々の過ごし方によって様々です。ここでは、具体的な状況に応じたお悩みと、それに対する当院のサポート内容をご紹介します。
4-1. 【学生アスリートの場合】競技復帰に向けた計画的なサポート
「大会に出場したい」「ライバルに差をつけられたくない」という焦る気持ちは、競技に打ち込む方にとって当然の感情です。しかし、焦りは禁物です。計画に基づかない復帰は再発のリスクを高め、結果的により長く競技から離れることにもなりかねません。
【よくあるお悩み】
競技復帰までどのくらいかかるのか?
トレーニングできない間に筋力や体力が落ちるのが怖い
また同じ怪我をしたくない
【当院のサポート】
当院では、骨の回復状態や競技の特性を考慮し、復帰までの大まかなスケジュールと各段階の目標を明確に提示します。見通しを立てることで、日々のコンディショニングに集中しやすくなります。
物理療法として、骨の回復を早める効果が期待される微弱電流などを積極的に用い、回復期間の短縮を目指します。
栄養面では、骨の材料となるタンパク質やカルシウム、ビタミン類を効率的に摂取するための食事指導も行います。
また、怪我をしている間も、体幹や上半身、反対側の足のトレーニングなど、できることはたくさんあります。復帰期には、スポーツ復帰に向けた専門的なトレーニングを段階的に行い、再発しないための身体づくりまでをトータルでサポートします。
4-2. 【主婦・主夫の場合】家事・育児と両立させる工夫
お子様の世話や買い物、料理、掃除など、日常生活は待ってくれません。松葉杖での生活は、心身ともに大きな負担となります。
【よくあるお悩み】
松葉杖での家事が大変すぎる
お風呂はどうしたらいいのか?
いつになったら普通の生活に戻れるのか?
【当院のサポート】
当院で用いる副子固定は取り外しが可能なため、専門スタッフの指導のもとで安全に入浴が可能です。また、リュックを活用して両手を空ける、キャスター付きの椅子に座って料理をするなど、日々の生活に合わせた具体的な工夫を提案します。
物理療法では、温罨法や低周波などで日々の活動による痛みやむくみを和らげ、心身のリラックスも促します。
栄養面でも、忙しい中でも手軽に摂れるヨーグルトや納豆、小魚など、骨の回復を助ける食品についてアドバイスします。「家族に申し訳ない」と感じる気持ちにも配慮し、精神的なサポートも心がけています。
4-3. 【デスクワーク中心の会社員の場合】仕事への影響を少なくするために
満員電車での通勤や長時間の会議など、デスクワーク中心の業務でも骨折は仕事に大きな影響を及ぼします。
【よくあるお悩み】
毎日の通勤が苦痛
運動不足なのに、さらに動けなくて体力が落ちるのが心配
痛みが残ったりしないか
【当院のサポート】
時差出勤の活用や、オフィスで台に足を乗せてむくみを防ぐといった職場でのケアについてアドバイスします。また、デスクワーク中に座ったままできる簡単な運動を指導し、血流を良くして機能が落ちるのを防ぎます。
物理療法では、長時間座っていることによる血行不良やむくみに対し、来院時に低周波や超音波浴などでしっかりケアします。
栄養面でも、外食が多くなりがちな生活で骨の健康を意識したメニュー選びをサポートします。回復期には、痛みをかばうことで生じた歩き方の癖を修正し、膝や腰への二次的な負担を防ぎます。
4-4. 【アクティブシニアの場合】再び趣味を楽しむための身体づくり
「このまま歩けなくなってしまうのでは」「また転んだらどうしよう」という不安は、活動的な方ほど大きいものです。
【よくあるお悩み】
年齢的に骨がつきにくいのではないか
筋力が落ちてしまうのが心配
また転ぶのが怖い
【当院のサポート】
栄養面では、骨粗鬆症予防の観点からも、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成に関わるビタミンKの重要性など、食事に関するアドバイスを丁寧に行います。
物理療法として、痛みを和らげ血行を促進する温罨法や超音波浴などを活用し、安心してリハビリに取り組める土台を作ります。
その上で、今回の怪我の原因である「転倒」そのものにも目を向け、バランス能力を高める訓練や下半身の筋力強化も行います。小さな「できた!」を積み重ねて自信を取り戻し、再びウォーキングやハイキングといった趣味を楽しめる日まで、個々のペースに合わせてサポートします。
4-5. 【お子様が受傷された保護者の場合】保護者へのサポート
大切なお子様が怪我をされ、将来への影響など、ご本人以上に心を痛めていらっしゃることでしょう。
【保護者の方のよくあるお悩み】
子どもの骨の成長に影響はないか?
どこにリハビリを任せればいいのか?
親として何をしてあげられるだろうか?
【当院のサポート】
子どもの骨にある成長のための軟骨部分(骨端線)に配慮し、医療機関と密に連携しながら、成長に影響が出ないよう細心の注意を払ってサポートプランを作成します。
物理療法では、お子様でも安心して受けられる、痛みのない微弱電流などで回復をサポートします。
栄養面では、成長期に必要な栄養素と骨の回復に必要な栄養素を両立させた食事のポイントを具体的にアドバイスします。
保護者の方にも内容を丁寧に説明し、お子様の気持ちを前向きにするための声かけといった精神的なケアについても一緒に考えていきます。
第5章:より良い回復を目指すための当院の考え方
骨折への向き合い方は、日々新しい情報や技術が出てきています。当院では、「ただ固定して骨がつくのを待つ」だけが最善の方法ではないと考えています。なぜなら、固定期間中の過ごし方や、固定を外した後のケアによって、その後の回復に大きな差が出てくることを、日々の現場で感じているからです。
例えば、長期間ギプスで固定したままでいると、固定が外れた時に痛みや関節の硬さが残り、快適な状態に戻るまで時間がかかってしまうことがあります。当院では、固定中から適切なケアを行うことで、こうしたお悩みを少しでも和らげ、スポーツや日常生活への復帰がよりスムーズになるよう努めています。
また、この骨折では、骨がくっついた後も足首周りの動きの悪さが残ることがあり、リハビリテーションが非常に重要になります。過去には、「リハビリはご自身で」と伝えられ、どうすれば良いか分からずお困りになって当院へご相談に来られた方もいらっしゃいました。
私たちは、古い常識にとらわれることなく、患者様の負担を少しでも軽くできるような新しい知識や技術、材料を積極的に取り入れるよう心がけています。怪我でお困りの際は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
第6章:よくあるご質問 Q&A
ここでは、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. お風呂はいつから、どのように入れますか?
A1. 当院で用いる副子(ふくし)は取り外しが可能ですので、お風呂に入ることができます。ただし、骨折の状態によって入浴を許可できるタイミングが異なりますので、必ず「お風呂に入っても良いですよ」と当院がお伝えしてからにしてください。
入浴の際は、安全のため以下の点にご注意ください。
滑り止めマット: 浴槽の中や洗い場には、滑り止めマットを敷きましょう。
シャワーチェア: 椅子に座って身体を洗うと、転倒のリスクが減り安全です。
患部に体重をかけない: 洗う時や浴槽をまたぐ時は、怪我をした足に体重をかけないよう注意してください。
Q2. 腫れや痛みがぶり返したときはどうすれば良いですか?
A2. 無理をせず、基本のRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)に戻ってください。アイスパックなどで15~20分ほど冷やし、患部を心臓より高くして休むと楽になります。痛みが続く場合は、自己判断せず、必ず当院にご相談ください。
Q3. 骨の回復を助ける食事や栄養素はありますか?
A3. はい、バランスの取れた食事が基本ですが、特に骨の回復を後押ししてくれる栄養素があります。これらはチームで働くので、組み合わせて摂ることが大切です。
【最重要】タンパク質:骨の「土台」をつくる
骨はカルシウムの塊と思われがちですが、その約半分はコラーゲンというタンパク質でできています。丈夫な骨の土台(鉄筋)を作るために、タンパク質は最も重要な栄養素です。多く含まれる食品: 肉、魚、卵、大豆製品(豆腐・納豆など)、乳製品
カルシウム:骨の「強度」を高める
タンパク質の土台に沈着して、骨を硬く丈夫にする(コンクリートの役割)のがカルシウムです。多く含まれる食品: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、小松菜、豆腐
ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける
カルシウムを効率よく体に取り込むために不可欠な栄養素です。多く含まれる食品: サケ、サンマ、きのこ類
日光を浴びることでも体内で作られます。
ビタミンK:骨にカルシウムを定着させる
吸収されたカルシウムが、しっかりと骨になるのを助けます。多く含まれる食品: 納豆、ほうれん草、ブロッコリー
ビタミンC:コラーゲンの生成をサポートする
土台となるタンパク質が、良質なコラーゲンになるのを手伝います。多く含まれる食品: 果物(柑橘類、キウイなど)、ピーマン、ブロッコリー
まずは毎食タンパク質をしっかり摂ることを意識し、それに加えてカルシウムやビタミン類をバランス良く食事に取り入れることをお勧めします。
Q4. 靴はいつから履けますか?どんな靴を選べばいいですか?
A4. 靴選びは、回復の段階によってポイントが変わります。
【副子で固定している期間】
副子と包帯で足に厚みが出るため、普段の靴を履くことはできません。この時期は、甲の部分がベルトで調整できるサンダルや、ゆったりとしたクロックスのような履物が便利です。反対側の足は普段の靴を履き、左右の高さをできるだけ合わせるようにしましょう。【固定が外れた後】
固定が外れ、松葉杖なしでしっかりと歩けるようになったら、スニーカーなどに切り替えます。まだ少し腫れが残っていることも多いため、以下の点に注意して靴を選んでください。つま先が広い: 足指を圧迫しない、ゆとりのあるデザインが良いでしょう。
クッション性が高い: 歩行時の衝撃を和らげてくれます。
かかとが安定する: かかと周りがしっかりしていて、足を支えてくれる靴がおすすめです。
回復期にハイヒールや底の硬い革靴などを履くのは、足に負担がかかるため避けてください。
Q5. 仕事や学校にはいつから行けますか?
A5. お仕事の内容(デスクワークか、立ち仕事か)や、通学・通勤の方法によって大きく異なります。デスクワークであれば比較的早く復帰できることが多いですが、立ち仕事などの場合は業務に耐えうる機能回復が必要です。いずれの場合も、自己判断で復帰の時期を決めず、必ず当院へご相談ください。お身体の状態を正確に確認し、安全に復帰できるタイミングを見極めることが重要です。
第7章:当院での実際の回復例のご紹介
ここでは、実際に当院でケアを受けられた方の例を、ご本人の許可を得てご紹介します。
※回復の経過には個人差があります。あくまで一例としてご覧ください。
【患者様】
50代 男性 会社員(デスクワーク中心)
【来院までの経緯】
ご自宅の階段を降りる際に、最後の一段で足を踏み外し、足部を強くひねって負傷されました。「バキッ」というような音が聞こえ、その場にうずくまるほどの激痛だったとのことです。
【初回来院時の状態】
足の甲の外側(小指側)に、強い腫れと内出血が見られました。
ピンポイントで押すと、飛び上がるほどの強い痛みがありました。
自力で体重をかけることができず、松葉杖なしでは歩行が困難な状態でした。
【当院での対応と経過】
1. 初回の評価と連携
まず、丁寧にお話をお聞きし、患部の状態を観察しました。さらに、エコー(超音波画像観察装置)で骨の状態を確認したところ、第5中足骨基底部に骨折が強く疑われました。
ご本人にその旨を説明し、診断と後療支持を受けるため、当院の顧問医である医療機関にご紹介し、レントゲン撮影を行っていただきました。
2. 診断とケアプランの開始
診断の結果は「第5中足骨基底部骨折(下駄骨折)」でした。
診断に基づき、当院では以下のプランでケアを開始しました。
固定: 関節が硬くなるのを防ぐため、足首は固定せず、骨折部周辺のみを保護す「副子固定」を行いました。
初期ケア: 受傷当日から、骨の回復をサポートする微弱電流の通電や、腫れと痛みを和らげるための物理療法を開始。また、体幹や反対側の足のトレーニングも指導しました。
3. 回復へのステップ
【〜3週目】
松葉杖を使いながら、無理のない範囲で少しずつ体重をかける練習を開始。来院時には物理療法を継続し、ご自宅でも教わったケアを続けていただきました。副子が取り外せるため、衛生的で快適だったとのお声をいただきました。【3週目〜】
固定を除去。心配されていた足首の硬さはほとんどなく、スムーズにリハビリへ移行できました。足指や足首を動かす運動から始め、徐々に筋力トレーニングの強度を上げていきました。【6週目〜】
松葉杖がなくても、安定して歩けるようになりました。この時期は、痛みをかばう歩き方の癖が残らないよう、フォームの修正を集中的に行いました。【8週目〜】
通勤や日常生活での不安はほとんどなくなり、趣味のウォーキングも再開できるまでに回復されました。
【ご本人の声】
「最初に骨折と聞いたときは、長期間ギプスで固められると覚悟しましたが、足首が動かせる固定だったので本当に楽でした。早い段階から色々なケアをしてもらえたので、回復していく実感があり、安心して通うことができました。」
このように、個々の状態とライフスタイルに合わせたプランで進めることで、日常生活へのスムーズな復帰を目指すことが可能です。
まとめ:より良い回復への一歩を踏み出すために
第5中足骨基底部骨折は、適切な知識と向き合い方で、その後の回復が大きく変わる怪我です。
回復のために大切なのは、「固定の仕方」「固定期間の過ごし方」そして「信頼できる施設で適切なサポートを受けること」です。
当院では、医療機関と連携しながら、柔道整復師という国家資格者が、個々の状態を的確に評価し、それぞれに合わせたサポートプランで、回復まで責任を持って対応いたします。
足の痛みや将来への不安を一人で抱え込まず、ぜひ一度、当院へご相談ください。お持ちの不安が和らぎ、希望を持って回復に取り組めるよう、全力でサポートさせていただきます。
【お問い合わせ】
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【蛯原接骨院】
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【監修】
蛯原 吉正(柔道整復師)
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身体の不調や怪我に関しては、自己判断で対処せず、必ず国家資格を有する専門家にご相談の上、適切な治療を受けてください。
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