新型コロナウィルス報道も終わりを迎える事は無く、不安な毎日を過ごしている方も多いと思います。また、コロナ禍により仕事や生活スタイルが変化した方も多くいらっしゃると思います。
さて、最近、痛みやしびれの症状に伴って、自律神経症状を訴えて来院される患者さんが多いように思います。
通常、梅雨時期には低気圧や日照不足・寒暖差によっても脳疲労が発生し、自律神経バランスの乱れが生じやすくなるのですが、今年はコロナ禍による仕事や生活環境の変化による影響があるような印象です。
そういった背景もあり、当院ではこの度、自律神経測定器を導入しました。
Contents
自律神経測定器を導入した目的
自律神経測定器を導入した第一目的としては、色々なストレス(もちろんコロナ禍の影響も含みます)による脳疲労が原因で起きる、自律神経の乱れを数値化するという事です。
自律神経の乱れを数値化するメリットとして挙げられるのは、患者さん自身が客観的な数字によって、自律神経の状態を知る事ができると言う事です。
また、脳疲労を抱えていることを認識しづらい患者さんに対して、症状の原因が脳疲労にあると言う事を認識してもらいやすくするためです。
そして、脳疲労の原因となっている事柄の、解決に向けての第一歩を踏み出す為のきっかけを作る、という目的があります。
患者さんの症状と、脳疲労の原因となっている事柄を結び付けていく事により、脳疲労の原因に対しての意識や環境の改善が期待できます。
また、治療前後に自律神経測定を行う事により、治療の見える化(治療による変化が良くわかる)が可能になり、患者さんの安心スイッチが入りやすくなる、という目的もあります。
導入した機種
BFI研究会の研修会で、BFI研究会代表の三上先生より、自律神経測定器による「治療の見える化(自律神経の状態を数値化する)」についてのお話を伺っていました。
様々な会社から自律神経測定器が販売されていますが、三上先生からのご紹介により、陽春堂さんにて購入を決めました。
自律神経測定器HRV2018
自律神経測定器の会社 ⇒ 陽春堂のホームページ
自律神経とは?
生命維持や内臓の働きを調整してくれるのが自律神経です。
体温調節、呼吸、血液循環、消化、排泄、生殖、免疫などの機能を、自分の意志とは無関係に24時間、無意識に調節しているものです。
昼間や活動している時に優位になるのが交感神経で、夜間やリラックスしている時に活発になるのが副交感神経です。この2種類の神経がどう作用するかによって、心身の状態に変化が出てきます。
厚生労働省のサイトに同じような内容が記載してありましたので引用します。
自律神経は、交感神経と副交感神経という逆の働きをする2つに分かれています。交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。これらが互いにバランスを取りながら身体の状態を調節していますが、このバランスが崩れることがあり、その原因として、不規則な生活によって自律神経が興奮し続けたり、ストレスによる刺激、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。
全身的症状として、だるい、眠れない、疲れがとれないなど、器官的症状として頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。
精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。e-ヘルスネット 厚生労働省ホームページより引用
自律神経の乱れは、体温調節、呼吸、血液循環、消化、排泄、生殖、免疫、そしてなにより痛みやしびれに大きく関係します。
よって、自律神経が乱れると、身体に様々な症状が表れます。
脳疲労によって自律神経が乱れる
痛みや痺れの原因には、脳疲労が関係している事が殆どです。
特にコロナ騒動に関係して、脳疲労が原因で起きる身体の痛みやしびれ等の体の不調を訴えた方が多かったように思います。
実際にみられた脳疲労の原因をあげると
- 感染に対する不安
- 報道に関する不安
- 仕事に対する不安
- 自粛生活でのストレス
- 通常は日中不在の家族が、毎日家にいるというストレス
- ご飯作りのストレス
- 孫に会えないストレス
- オンライン授業に対するストレス
そこに梅雨時期が重なったというのも要因の一つだと思います。
主に、不安な思いやストレスが形を変えて、身体に痛みやしびれとなって出現します。それらは身体の弱点になっている部位に症状となって出現します。
前回のブログに記載したように、実際のところ、レントゲン検査やMRI検査の画像でみられる、ストレートネック・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄・すべり症などは、必ずしも臨床症状と結びついているものばかりではありません。
極端な話、身体の激痛は、様々な原因によって引き起こされた脳のダメージ(脳疲労)を回復させるために、思考回路の抑制と運動回路の休息を同時に行うべく引き起こされる自衛措置、と考える事も出来ます。
どんな時にその痛みやしびれが出現したか?その時、どのような心境、どのような考え、どのような日常を過ごしていたかというのを思い返して頂くと良いと思います。
そうすると、脳疲労につながる原因が見つかると思います。
脳疲労が起きると、自律神経のバランスに乱れが生じ、痛みやしびれの症状が出現します。
脳疲労の原因に対して、うまく向き合っていけるか、または、原因となっている事柄から離れられるかどうか、と言う事が症状解決に大きく影響してきます。
自律神経検査の方法
指を測定器の中に挟み、自律神経の状態と血流の状態を図ります。
計測時間は1分間です。
BFI療法の施術前後に計測して数値の変化を観察します。
自律神経測定器によって測定できるもの
ANSバランス | 自律神経バランス | 交感神経と副交感神経のバランス |
SNS | 交感神経系 | 緊張・不安・イライラなど |
PSNS | 副交感神経系 | 眠い時・強緩状態・安静状態 |
SNS Activity | 交感神経系活性 | 交感神経系の活性化の程度を表す |
PSNS Activity | 副交感神経系活性 | 副交感神経系の活性化の程度を表す |
ANS Activity | 自律神経活性(トータルパワー) | 自律神経全体の活性度 |
Hisutogram | 脈拍分布 | 測定中の脈拍間隔分布 |
HRV Index | 脈拍変位度 | ヒストグラムの分布を定量化した値 |
検査数値
検査後の数値は以下のように表示されます。
自律神経の検査の結果
実際の症例に対して自律神経の数値を計測してみましたので以下に記載します。
症例1、ぎっくり腰
治療前
治療後
症例2、右股関節痛(小学生)
治療前
治療後
症例3、足のしびれ(病院で椎間板ヘルニアの診断)
治療前
治療後
BFI療法は、主に自律神経のバランスを副交感神経優位にする働きがあります。
また、症例3のように、交感神経の活動度(数値)が極端に低い場合には交感神経の活動度(数値)を優位にする働きもあります。
BFI療法の施術によって分泌されるオキシトシン(幸せホルモン)は、ストレスの軽減に大きな効果を持つことが報告されており、自律神経の安定にも役立ちます。
BFI療法についての説明はこちらをご覧下さい。
数値から得られる安心感
以前より当院には、超音波検査機(エコー)があります。
超音波検査機(エコー)を例に挙げますが、例えば、足首を捻って来院して頂いた際に、以前は症状から推測して捻挫or骨折の判断を行っていました。
実際、皮膚の上から見て損傷した中の状態が透けて見えるわけではありませんので、これまでの臨床経験で得た知識に基づき、歩行状態や痛む場所、触診・腫脹の状態・ストレステスト等で怪我の状態を判断していました。
しかし、超音波検査機を導入してからは、患者さんも一緒に検査画像を確認でき、なおかつ解剖書や骨模型等に照らし合わせて怪我の状況を確認して頂けます。
このように、検査結果を目で見て確認して、それに基づいて説明を受けたほうが安心感を得られるのではないかと思います。
自律神経測定器でも同じような事が言えるのではないかと思います。
言葉で説明を受けるよりは数値化したデータを目にする事が出来、ご自身の現在の状況を把握できることによる安心感を得て頂けると思います。
尚、超音波検査機も、自律神経測定器も、法律上、接骨院での使用は問題ないとされています。
まとめ
今のコロナ禍の状況では、多くの方が心身の疲労を感じたり、また、心の風邪をひく状態です。
また、梅雨時期で雨も多く、気圧の関係で脳疲労を発生し体の不調を訴える方もいらっしゃいます。
今までは「痛みやしびれの原因は、ストレスや感情のねじれによる脳疲労が原因です」と説明しても「・・・・?」という方も多くいらっしゃいました。
今回、自律神経測定器を導入した理由は、脳疲労について説明するツールとして、または施術前後の検査数値を比較する事によって、患者さんの理解度を深めて戴くのが狙いです。
また、自律神経という言葉はなんとなく聞いたことはあるとしても、言葉で説明を受けるのと実際の数値を見て説明を受けるのでは、患者さんの納得度(安心度)が違うのではないかと思います。
当院では以下の方に自律神経測定をお勧めしています。
- 痛み痺れの強い方
- 自律神経症状(頭痛・肩こり・不眠等)がみられる方
- これまで様々な医療機関で治療をしているが、なかなか痛みやしびれの症状が治らない方
- 色々検査したけど画像上での異常が無いと言われた方
牛久市内で自律神経測定を受けられる接骨院・整骨院・治療院は、当院のみとなります。
自律神経検査をご希望の方はご相談、またはご来院下さい。
まずはお気軽にご相談ください。