手首を強く打ってしまったとき、「骨は折れていないだろうか?」と心配になりますよね。骨折の検査と聞くと、多くの方が整形外科での「レントゲン撮影」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、私たち接骨院では「超音波エコー(超音波画像診断装置)」という検査機器を用いて、より多角的に体の状態を観察しています。
この記事では、コーレス骨折が疑われる際に、この超音波エコー検査がどのような役割を果たし、具体的に何がわかるのかを詳しく解説します。
超音波エコー検査とは?レントゲンとの違い
まず、超音波エコーがどのような検査かをご説明します。
超音波エコーの仕組みと安全性
人体には聞こえない高い周波数の音波(超音波)を体の表面から当て、内部の組織から跳ね返ってくる反射波をコンピューターが処理して映像化する検査です。産婦人科で胎児の状態を見るのと同じ技術で、痛みや放射線被ばくの心配は一切ありません。
レントゲンとの最大の違いは「見えるもの」
レントゲンは骨の全体像を静止画で写し出し、骨折線などを確認するのに非常に優れています。一方で、超音波エコーの最大の強みは、レントゲンには映らない筋肉、靭帯、腱、関節包といった**「軟部組織」の状態をリアルタイムの動画で観察できる**点にあります。
コーレス骨折の疑いで超音波エコーを使う3つの目的
コーレス骨折が疑われる患者さんに対して、私たちは主に3つの目的で超音波エコー検査を行います。
目的1:骨の状態をリアルタイムで詳細に観察する
超音波エコーは、骨の「表面」の状態を非常に鮮明に映し出します。
骨折線や微細な損傷の確認
骨の連続性が途切れている「骨折線」や、骨表面のわずかな凹凸、微細な損傷を詳細に観察できます。
骨の「ずれ」の立体的把握
骨がどの方向に、どの程度ずれている(転位している)かを立体的に把握できます。これは、骨を元の位置に戻す「整復」を行う上で極めて重要な情報となります。
整復時のリアルタイムガイド
施術者が骨を動かしている様子をリアルタイムで画面に映し出せるため、骨が正しい位置に戻っていくのを確認しながら、より正確な整復を行うことが可能です。
目的2:レントゲンには映らない「軟部組織」の損傷を確認する
コーレス骨折のような強い外力が加わった怪我では、骨だけでなく、その周りの組織も同時に傷ついているケースが少なくありません。
靭帯・腱の損傷評価
手首を支える重要な靭帯や、指を動かすための腱が伸びたり切れたりしていないかを確認できます。
内出血や腫れの程度の評価
関節内部や筋肉内での出血の有無や範囲を視覚的に捉え、炎症の程度を判断する材料になります。
これらの軟部組織の損傷を見逃すと、骨が治った後も痛みが続いたり、手首の動きが悪くなったりする原因になります。骨と軟部組織の両方の状態を把握することで、より精度の高い治療計画を立てることができるのです。
目的3:回復の過程(治癒過程)を継続的に観察する
超音波エコーは放射線被ばくがないため、**身体に負担をかけることなく、何度でも繰り返し検査を行えます。**この利点を活かし、治療の経過を定期的に観察します。
仮骨(かこつ)形成の確認
骨折した部分が修復される過程でできる「仮骨」という組織が、順調に形成されているかを確認します。
回復状況に合わせたリハビリ計画の調整
回復状況に合わせて、リハビリの強度や内容を適切に調整するための客観的な指標となります。
まとめ:正確な状態把握が、適切な治療への第一歩
超音波エコー検査は、コーレス骨折の疑いがある際に、骨の表面の状態から周囲の軟部組織の損傷、そして回復の過程までを詳細に把握できる、非常に有用な検査方法です。
「骨が折れているか、折れていないか」だけでなく、「他に傷ついている場所はないか」「順調に回復しているか」を正確に知ることが、後遺症を残さずスムーズに回復するための鍵となります。痛みや被ばくの心配もない安全な検査ですので、安心してご相談ください。
コーレス骨折全体の情報や、具体的な治療法、リハビリテーションについては、こちらの総合案内記事もご覧ください。
→ 【監修・柔道整復師】コーレス骨折の治療とリハビリ|手術以外の選択肢と後遺症を残さないための注意点
一日も早く手首の不安を解消し、快適な毎日を取り戻すために、私たちと一緒に治療とリハビリに取り組んでいきませんか?
【お問い合わせ】
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
【接骨院詳細】
【蛯原接骨院】
住所: 〒300-1222 茨城県牛久市南2-1-12
電話番号: 029-872-2653
診療時間:
曜日 午前 午後 月~金 8:00~12:00 15:00~20:00 土 8:00~12:30 休診 日 休診 休診
アクセス: JR常磐線「牛久駅」徒歩5分
駐車場: 5台分有り
【監修】
蛯原 吉正(柔道整復師)
詳しいプロフィールはこちらのページをご覧ください。
【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。症状や治療法は個々の状態によって異なりますので、必ず専門家(医師、柔道整復師など)にご相談の上、適切な診断と治療を受けてください。記事の内容に基づいた自己判断による行動で生じたいかなる不利益についても、当院は一切の責任を負いかねます。




