転んだり、スポーツで手をついたりして手首を痛めたとき、「ジンジンするけど、まあ捻挫だろう」「湿布を貼って様子を見よう」と自己判断で済ませてしまうことはありませんか。
しかし、その「ただの捻挫」だと思っている症状が、実は骨折のサインである「コーレス骨折」の初期症状かもしれません。
この記事では、コーレス骨折で見逃されがちな軽度の症状、自己判断の危険性、そして専門家へ相談することの重要性について詳しく解説します。
そもそも「捻挫」と「骨折」はどう違うのか?
まず、二つの怪我の基本的な違いを理解しておきましょう。
捻挫(ねんざ)
関節を支えている靭帯や腱などの軟部組織が、許容範囲を超えて伸びたり、部分的に切れたりして損傷した状態です。
骨折(こっせつ)
骨にひびが入ったり、折れたりした状態です。コーレス骨折は、手首の親指側の骨(橈骨)が折れることを指します。
問題なのは、特に骨のずれが少ない軽度のコーレス骨折の場合、症状が捻挫と非常によく似ていることです。そのため、専門的な検査をしなければ正確な判断は困難です。
要注意!コーレス骨折で見逃しやすい初期症状のサイン
激しい痛みや明らかな変形があれば、多くの方がすぐに医療機関を受診します。しかし、注意すべきは以下のような「我慢できてしまう」程度の症状です。
痛みの種類
激痛ではなく、「ジンジン」「ズーン」と響くような鈍い痛みが続く。
腫れの程度
派手に腫れ上がってはいないが、手の甲や手首のくるぶし周りが少しむくんでいる感じがする。翌日になってから腫れが目立ってくることもある。
内出血
怪我の直後は目立たなくても、数日経ってから手首や指の付け根に青紫色のあざがじわじわと現れてくる。
動かしたときの痛み
手首を特定の方向に動かしたときだけ、ピリッとした鋭い痛みが走る。
力の入りにくさ
ペットボトルの蓋を開ける、ドアノブを回すといった動作で力が入らなかったり、痛みを感じたりする。
指先の軽いしびれ
指先が少しだけピリピリ、ジンジンする感覚がある。
これらのサインは、「そのうち治るだろう」と軽視されがちですが、骨折している可能性を示す重要な手がかりです。
なぜ「様子を見よう」という自己判断が危険なのか?
「捻挫だと思っていたら、実はコーレス骨折だった」というケースで、適切な処置が遅れると、以下のようなリスクが高まります。
リスク1:骨がずれたまま固まる「変形治癒(へんけいちゆ)」
骨がずれたまま、あるいは不適切な位置でくっついてしまう状態です。手首の見た目が変形するだけでなく、将来的に手首の動きが悪くなったり、痛みが出やすくなったりする原因になります。
リスク2:関節が硬くなる「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」
痛みのために手首を動かさない期間が長引くと、関節が硬くなってしまい、もとの可動域まで回復させるのに時間がかかります。
リスク3:回復の遅れ
不適切な固定や安静は、骨の癒合を妨げます。本来であれば数ヶ月で回復するところが、それ以上の期間を要してしまう可能性があります。
たかが捻挫、と侮ることが、将来の生活に影響を及ぼす後遺症につながることもあるのです。
専門家への相談が「回復への最短ルート」である理由
「おかしいな」と感じたときに専門家へ相談することは、決して大げさなことではありません。むしろ、それがスムーズな回復への最短ルートとなります。
理由1:超音波エコーで正確な状態がわかる
接骨院などでは、超音波エコー検査を用いて骨の状態を詳しく観察できます。骨折の有無はもちろん、レントゲンでは映らない靭帯や腱の損傷具合まで確認できるため、痛みの原因を正確に特定できます。
理由2:最適な初期対応で後遺症リスクを減らせる
万が一骨折していた場合、最も重要なのが初期の固定です。専門家による適切な整復(骨を元の位置に戻すこと)と固定は、骨が正しい位置で癒合するために不可欠です。これにより、変形治癒のリスクを大幅に減らすことができます。
理由3:「何でもない」とわかるだけでも安心できる
「骨は折れていなかった」とわかるだけでも、安心してその後の療養に専念できます。逆に骨折が見つかっても、今後の治療計画や見通しが立つことで、漠然とした不安が解消されます。
まとめ:その手首の痛み、専門家への相談が回復への第一歩です
手首の痛みは、捻挫か骨折かをご自身で判断するのは非常に困難です。特に、ご紹介したような「我慢できてしまう」軽度のサインがある場合は注意が必要です。「これくらい大丈夫」という自己判断が、回復を遅らせ、後遺症のリスクを高めてしまう可能性があります。手首に少しでも違和感が残るようであれば、ためらわずに専門家へご相談ください。
コーレス骨折全体の情報や、具体的な治療法、リハビリテーションについては、こちらの総合案内記事もご覧ください。
→ 【監修・柔道整復師】コーレス骨折の治療とリハビリ|手術以外の選択肢と後遺症を残さないための注意点
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本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。症状や治療法は個々の状態によって異なりますので、必ず専門家(医師、柔道整復師など)にご相談の上、適切な診断と治療を受けてください。記事の内容に基づいた自己判断による行動で生じたいかなる不利益についても、当院は一切の責任を負いかねます。




