マグネシウム不足がこむら返りを招く本当の理由とは?効果的な摂取方法と食事メニュー

繰り返す足のつり(こむら返り)の背景には、様々な原因が考えられますが、特に見過ごされがちなのが「マグネシウム不足」です。

マグネシウムは、筋肉を正常に「リラックスさせる(弛緩させる)」ために不可欠なミネラルであり、これが不足すると筋肉は過剰に緊張し、痙攣を起こしやすい状態になります。

この記事では、なぜマグネシウム不足が足のつりを引き起こすのか、その科学的なメカニズムから、日々の生活で効率的にマグネシウムを補うための具体的な食事メニュー、そして最新の摂取方法までを詳しく解説します。

なぜマグネシウム不足で足がつるのか?筋肉の収縮と弛緩のメカニズム

筋肉がスムーズに動くためには、「収縮」と「弛緩」という2つの指令がバランス良く機能する必要があります。この働きをコントロールしているのが、カルシウムとマグネシウムという2つのミネラルです。

  • カルシウム: 筋肉を「収縮」させるスイッチの役割を担います。

  • マグネシウム: カルシウムの働きを調整し、筋肉を「弛緩」させるスイッチの役割を担います。

この2つはシーソーのような関係にあり、互いにバランスを取り合うことで、筋肉は正常に機能します。

しかし、食生活の乱れやストレス、激しい運動による発汗などでマグネシウムが不足すると、カルシウムの働きだけが優位になります。
その結果、筋肉を収縮させるスイッチは入るものの、弛緩させるスイッチがうまく入らず、筋肉が異常に緊張したままの状態、つまり「足がつる」という現象が引き起こされるのです。

マグネシウムが不足しやすい現代の生活習慣

現代の生活には、知らず知らずのうちにマグネシウムを消耗させてしまう要因が数多く存在します。

  • 加工食品の多い食生活: 食品の精製・加工の過程でマグネシウムは失われがちです。

  • ストレス: 精神的なストレスを感じると、体は抵抗するためにマグネシウムを大量に消費します。

  • アルコールの摂取: アルコールは腎臓でのマグネシウムの再吸収を妨げ、尿からの排出を促してしまいます。

  • 発汗: 運動や入浴で汗をかくと、水分と共にマグネシウムも体外へ失われます。

特にスポーツをする人は、汗で失われる量が多いため、意識的な補給がパフォーマンス維持のためにも不可欠です。

マグネシウムを効果的に摂取する3つの方法

マグネシウムを補う方法は、食事からだけでなく、サプリメントや皮膚からの吸収など、様々な選択肢があります。

1. 食事から摂る(基本)

最も基本となるのは、日々の食事からバランス良く摂取することです。以下の食材を意識的に食事に取り入れてみましょう。

  • 海藻類: あおさ、わかめ、ひじき

  • 豆類: 豆腐、納豆、きなこ、レンズ豆

  • 種実類: アーモンド、ごま、カシューナッツ、かぼちゃの種

  • 野菜・果物: ほうれん草、アボカド、バナナ

  • その他: 玄米、カカオ(ダークチョコレート)

【1日の食事メニュー例】

  • 朝食: 玄米ごはん、豆腐とわかめの味噌汁、納豆

  • 昼食: ほうれん草とチキンのサラダ(ナッツをトッピング)

  • 夕食: 魚の塩焼き、ひじきの煮物、アボカドの和え物

  • 間食: バナナ、アーモンド、ダークチョコレート

2. サプリメントで補う(補助)

食事だけで十分な量を補うのが難しい場合は、サプリメントを補助的に活用するのも有効です。

サプリメントには「酸化マグネシウム」「クエン酸マグネシウム」など様々な種類があります。
特にアメリカ(Google USAの検索トレンドなど)では、健康意識の高い層を中心に、グリシン酸マグネシウムなど、アミノ酸と結合させた「キレートマグネシウム」が注目されています。これらは体内での吸収率が高いとされ、より効率的な摂取が期待できます。

ただし、過剰に摂取するとお腹が緩くなることがあるため、製品に記載された目安量を守ることが重要です。

3. 皮膚から吸収する(経皮吸収)という選択肢

最近、アスリートや健康意識の高い層の間で、皮膚からマグネシウムを補給する方法が注目されています。この方法について、「精神科医こてつ名誉院長のブログ」では、以下のような方法が紹介されています。

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)入浴
こてつ名誉院長のブログによると、エプソムソルトなどを入れたお風呂に浸かることで、皮膚からマグネシウムが吸収され、こむら返りの予防や筋肉痛の改善が期待できるとされています。特に、汗をかいてマグネシウムが失われやすい夏場こそ、ぬるめのお湯で長めに入浴することが推奨されています。

マグネシウムオイル・スプレー
同ブログでは、塩化マグネシウムのスプレーを足がつった際に使用すると、クリームよりも即効性が期待できると述べられています。運動後のケアなど、気になる部分に直接アプローチしたい場合に適している方法として紹介されています。

公的機関の情報を知る

厚生労働省も、マグネシウムの摂取基準を定めています。

【引用】
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の摂取推奨量を成人男性で340~370mg、成人女性で270~290mgとしています。(年齢により推奨量は異なります)

[出典: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」]

多くの現代人は、この推奨量を満たせていない傾向にあると言われています。

マグネシウム摂取に関するQ&A

Q1. マグネシウムを摂りすぎるとどうなりますか?
A1. 通常の食事で過剰摂取になる心配はほとんどありません。サプリメントで一度に大量に摂取した場合、浸透圧性の下痢を引き起こすことがあります。腎機能に問題がある場合は、高マグネシウム血症のリスクがあるため、摂取前に必ず医師に相談してください。

Q2. サプリメントはいつ飲むのが効果的ですか?
A2. 胃酸が分泌される食後に飲むと吸収が助けられると言われています。また、マグネシウムには神経の興奮を鎮める働きも期待できるため、リラックスしたい就寝前に摂取するのも良いでしょう。

Q3. 他の栄養素との食べ合わせで気をつけることはありますか?
A3. カルシウムとマグネシウムは、カルシウム2:マグネシウム1のバランスで摂取するのが理想的とされています。また、ビタミンDはマグネシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムだけに偏らず、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

Q4. スポーツドリンクでもマグネシウムは補給できますか?
A4. 製品によってはマグネシウムが含まれているものもありますが、その含有量は限定的です。
また、一般的なスポーツドリンクは、素早いエネルギー補給のために多くの糖分を含んでいます。糖分の過剰摂取は血糖値の乱高下を招く可能性があり、日常的なミネラル補給の手段としては推奨されません。運動時のミネラル補給には、糖質を抑えた電解質パウダーなどを活用する方が効果的です。

マグネシウムは重要。しかし、それが全てではありません

この記事では、足のつりの大きな要因である「マグネシウム不足」に焦点を当てて解説しました。
しかし、セルフケアを続けても症状が改善しない場合、水分不足や冷え、身体の歪み、脳の疲労など、他の原因が複雑に絡み合っている可能性があります。

以下の「まとめ記事」では、足のつりを引き起こす様々な原因を網羅的に解説し、身体の専門家としての視点から、より根本的な解決策についてご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

『くり返す足のつり(こむら返り)、原因は?今すぐできる対処法から専門的なアプローチまで徹底解説』

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院長:蛯原 吉正(EBIHARA YOSHIMASA)
資格:柔道整復師

痛みのある箇所だけに対処するのではなく、なぜそこに痛みが生じているのか、その背景にある本当の原因を追究することを信条としています。

一人ひとりの身体の状態や生活習慣と真摯に向き合い、不調が再発しにくい身体づくりをサポートすること。そして、来院された方が不安なく、健やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをすることを目指しています。

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本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。症状が改善しない、または悪化する場合には、速やかに専門の医療機関を受診してください。