「最近、うちの子『疲れた』ばかり言っている…」
「頭痛や腰痛を訴えるけど、勉強を休みたくて大げさに言っているだけ?」
「励ましたいのに、どう声をかければいいのか分からない…」
大切なお子さんが人生の大きな岐路に立ち、必死に頑張っている姿は、保護者様にとっても誇らしく、同時に心配の種でもあるかと思います。
特にお子さんが口にする「痛い」「疲れた」という言葉。それは単なる身体の疲労だけでなく、言葉にできない心のSOSサインかもしれません。
この記事では、保護者様の視点から、受験生の心身の不調を見抜くための具体的なチェックポイントと、お子さんの心を追い詰めないための適切な関わり方について解説します。
なぜ受験生の「痛い」「疲れた」は見過ごせないのか?
受験期は、お子さんにとって人生で初めて経験するほどの、強いプレッシャーがかかる時期です。この過酷なストレスが、心だけでなく身体にも直接的な影響を及ぼすことがあります。
言葉にできないストレスが、身体の症状として現れる
子ども、特に思春期のお子さんは、自分が抱えている不安や焦りを「ストレスが溜まっている」と的確に言葉で表現するのが苦手な場合があります。
そんな言葉にならない心の負担が、頭痛、腹痛、腰痛、めまい、倦怠感といった、具体的な**身体の症状(身体症状化)**として現れることは、決して珍しいことではありません。
つまり、お子さんの訴える「痛み」や「疲れ」は、仮病などではなく、本人が本当に感じている紛れもないつらさなのです。
言葉以外のサインを見抜くためのチェックリスト
お子さんは、言葉にしなくても様々なサインを発しています。最近、以下のような変化が見られないか、少しだけ注意深く観察してみてください。
行動や態度の変化
感情の起伏が激しくなる
ささいなことでイライラしたり、急に泣き出したり、逆に部屋に閉じこもって口数が極端に減ったりしていないでしょうか。
好きだったことに興味を失う
以前は楽しみにしていた趣味やテレビ番組、友人との会話などに、興味を示さなくなっていないでしょうか。
勉強への向き合い方の変化
「どうせやっても無駄だ」といった投げやりな言葉が増えたり、机には向かうものの、明らかに集中できていない時間が増えたりしていないでしょうか。
身体や生活習慣の変化
睡眠の問題
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、逆に休日は昼過ぎまで寝ているなど、睡眠のリズムが乱れていないでしょうか。
食欲の変化
急に食欲がなくなったり、逆に甘いものやジャンクフードばかりを過剰に食べたがったりしていないでしょうか。
見た目の変化
顔色が悪く、目の下にクマができていたり、姿勢が以前より悪くなったりしていないでしょうか。
お子さんの心を追い詰めない「寄り添い方」と「NGな対応」
お子さんのSOSサインに気づいた時、保護者様の対応一つでお子さんの心の負担は大きく変わります。
まずは「聴く」姿勢から。「どうしたの?」の一言を
大切なのは、頭ごなしに否定したり、励ましたりするのではなく、まずはお子さんの訴えをありのまま受け止めることです。
この点について、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、周囲の人のサポートとして次のように解説しています。
まずは、相手の話をじっくり聴くことから始めましょう。相手の話を否定したり、自分の意見を押しつけたりせずに、まずは受け止めることが大切です。
出典:厚生労働省 こころの耳「ストレス軽減ノウハウ」
「腰が痛いんだ」と言われたら、「また?」と返すのではなく、「そうなんだ、つらいね。どんな時に特に痛むの?」と、まずは関心を持って耳を傾ける姿勢が、お子さんの安心感につながります。
やってはいけないNGな対応
他人との比較: 「〇〇ちゃんはもっと頑張っているよ」
根性論で片付ける: 「気合が足りないからだ」「受験生はみんなつらいんだから我慢しなさい」
症状の否定: 「気のせいでしょ」「気の持ちようだよ」
過度な励まし: プレッシャーが強い時の「頑張れ!」は、時に「これ以上何を頑張ればいいんだ」と本人を追い詰めてしまいます。
保護者様からよくいただくご質問(Q&A)
Q1. 受験が終われば、これらの不調は自然に治るのでしょうか?
A1. 受験という大きなストレス源がなくなることで、症状が軽くなるお子さんは確かにいらっしゃいます。しかし、注意が必要です。受験期に定着してしまった身体の緊張の癖や自律神経の乱れは、ストレスがなくなってもすぐには元に戻らない場合があります。また、大学生活や新しい環境で別のストレスがかかった際に、再び同じような症状を繰り返してしまう可能性も少なくありません。
受験期は、お子さんの心身のコンディションを見つめ直し、不調になりにくい身体の土台を作る良い機会と捉えることをお勧めします。
Q2. 病院に連れて行くべきか、接骨院に相談すべきか、判断基準はありますか?
A2. まず、高熱がある、痛みが急激に強くなった、手足の麻痺があるなど、緊急性が高い、あるいは感染症などが疑われる場合は、速やかに小児科や内科、整形外科などの医療機関を受診してください。
一方で、**「病院で検査をしても特に異常なしと言われた」「長期間、同じような痛みやだるさが続いている」「ストレスが関係していそうだと感じる」**といった場合は、当院のような自律神経や身体の緊張にアプローチする接骨院にご相談いただくのが良いかと思います。
私たちは、検査では見つかりにくい「筋肉の過緊張」や「脳疲労」といった視点から、お子さんの不調の原因を探るお手伝いができます。
Q3. 子どもが自分の不調について話してくれません。どうすれば良いですか?
A3. 思春期のお子さんが、親に弱みを見せたくない、心配をかけたくないという気持ちから、自分のつらさを話したがらないことはよくあります。無理に聞き出そうとすると、かえって心を閉ざしてしまうかもしれません。
大切なのは、「いつでも話を聞く準備があるよ」という姿勢を見せ続けることです。普段の何気ない会話の中で、「最近、よく眠れてる?」「何か面白いことあった?」といった軽い質問を投げかけたり、何も言わずに温かい飲み物を差し入れたりするだけでも、「気にかけてくれている」というメッセージは伝わります。
お子さんが話したくなったタイミングを逃さない、焦らず待つ姿勢が重要です。
Q4. 塾や勉強の時間を減らしてでも、休ませるべきでしょうか?
A4. これは非常に難しい問題ですが、一つの判断基準は**「インプットの効率が著しく落ちていないか」**です。机には向かっているものの、痛みや倦怠感で全く頭に入っていない状態が続いているのであれば、その時間は効果的とは言えません。
その場合は、勇気を出して**「質の高い休息」を優先した方が、結果的に学習効率が上がる可能性があります。「今日は1時間早く切り上げて、ゆっくりお風呂に入ろう」「日曜の午前中は、思い切って好きなことをする時間にしよう」といったように、メリハリをつけることが重要です。
ただ休ませるのではなく、「コンディションを整えるための積極的な休息」**であることを親子で共有できると、お子さんの罪悪感も和らぎます。
Q5. 父親(母親)と、子どもの状態に対する温度差があります。どうすれば良いですか?
A5. ご夫婦間での認識の違いは、少なくありません。「気の持ちようだ」と考えるお父様と、「何かおかしい」と心配するお母様、というケースはよくお見受けします。
このような場合は、感情的に「もっと心配してよ!」とぶつかるのではなく、客観的な事実を共有するのが有効です。「この記事に書いてあるチェックリストの、この3つの項目が当てはまるんだ」「学校の先生からも、最近少し元気がないと聞いた」といったように、具体的な情報を基に対話を試みてください。
また、「専門家がこう言っている」という**第三者の意見(この記事のような)**を一緒に読んでみるのも良い方法です。ご家庭全体でお子さんをサポートするチームとして、同じ方向を向くための第一歩となります。
まとめ:保護者様は一番の理解者であり、安全基地
受験という孤独な戦いの中で、お子さんにとって家庭は唯一の「安全基地」です。
保護者様が「あなたのことを一番気にかけているよ」というメッセージを伝え続けることが、お子さんにとって何よりの心の支えになります。
もし、身体の不調が長く続いたり、生活に支障が出たりしている場合は、一人で抱え込まず、ぜひ一度当院のような専門家にご相談ください。心と身体の両面から、大切な受験シーズンを乗り切るためのお手伝いをさせていただきます。
▼ お子さんの身体の痛みが、単なる疲れだけでなく「脳疲労」から来ている可能性について、こちらの記事で詳しく解説しています。親子で一緒にコンディションを整えるヒントが見つかるかもしれません。
→ 【牛久市の受験生へ】その腰痛・自律神経の不調、原因は「脳疲労」かも?
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【監修】
蛯原 吉正(柔道整復師)
けがと痛みの専門家として、伝統的な施術と最新の知識・技術を融合させ、日々多くの患者様と向き合っています。特に、脳と痛みの関係に着目したアプローチに力を入れており、どこへ行っても変わらなかったという方を一人でも多く救いたいという想いで情報発信を行っています。
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