骨折の回復をサポートする食事とは?摂るべき栄養素と簡単レシピ

骨折の治療中は、患部を固定し安静にすることが基本となります。しかし、ただ安静にしているだけでは、回復は早まりません。

損傷した骨が再び強く再生するためには、その材料となる適切な「栄養」を食事から補給することが、回復への重要な鍵を握っています。

この記事では、骨折からの回復をサポートするために、積極的に摂るべき栄養素、それらを効率よく摂取するための食品、そして誰でも簡単に作れるレシピまで、食事と栄養の観点から詳しく解説します。

骨折の回復を促す3つの食事戦略

骨折からのスムーズな回復を目指すために、日々の食事で意識すべき最も重要なポイントは以下の3つです。

  1. 骨の「材料」を最優先で摂る: 骨の主成分であるカルシウムと、骨の土台(コラーゲン)を作るタンパク質は、回復期間中に最も必要とされる栄養素です。これらを毎日の食事に必ず取り入れましょう。

  2. 栄養素の「チームワーク」を意識する: カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨への定着を促すビタミンK、タンパク質の合成を助けるビタミンCを一緒に摂ることで、栄養素が効率よく働きます。

  3. 回復を妨げる食事を避ける: 骨の再生に必要な栄養素の吸収を妨げる、インスタント食品やスナック菓子(リンの過剰摂取)、過度なアルコールなどは、回復期間中はできるだけ控えることが賢明です。

骨折回復に不可欠な5大栄養素とその働き

骨が作られるプロセスをサポートするために、特に重要な5つの栄養素と、それらを多く含む食品をご紹介します。

カルシウム:骨の強度を高める主成分

骨の材料として最もよく知られている栄養素です。骨密度を高め、新しい骨組織の形成に不可欠です。

  • 多く含む食品: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚(しらす、ししゃも)、豆腐、小松菜

タンパク質:骨のしなやかさを作る土台

骨の体積の約半分は、コラーゲンというタンパク質でできています。カルシウムが骨の「硬さ」を担うなら、タンパク質は「しなやかさ」を生み出す土台となります。

  • 多く含む食品: 肉、魚、卵、大豆製品(納豆、豆腐)

ビタミンD:カルシウムの吸収率を高める

カルシウムをどれだけ摂取しても、ビタミンDが不足していると体内への吸収率が著しく低下します。食事から摂るほか、日光を浴びることでも体内で生成されます。

  • 多く含む食品: 鮭、さんま、サバなどの魚類、きのこ類(きくらげ、しいたけ)、卵

ビタミンK:骨へのカルシウム沈着を促す

摂取したカルシウムが、骨にしっかりと取り込まれる(石灰化)のを助ける働きがあります。

  • 多く含む食品: 納豆、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜

ビタミンC:コラーゲンの合成を助ける

骨の土台となるコラーゲンを体内で作り出す際に、補酵素として働く不可欠なビタミンです。

  • 多く含む食品: ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類

[5大栄養素と代表的な食品をまとめたインフォグラフィック画像]

骨の健康と栄養に関する公的機関の見解

骨の健康を維持するためには、特定の栄養素だけでなく、それらを助ける栄養素を一緒に摂ることの重要性が指摘されています。

引用
カルシウムは骨の主成分ですが、(中略)カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨への沈着を助けるビタミンKも同時に摂取することが望まれます。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「骨粗鬆症の予防のための食生活」

コンビニでもOK!ギプス固定中の食事サポート食品

料理が難しいギプス固定中でも、コンビニで手軽に栄養補給ができる食品はたくさんあります。

  • タンパク質: サラダチキン、ゆで卵、焼き魚、豆腐

  • カルシウム: ヨーグルト、牛乳、チーズ、しらす入りのおにぎり

  • ビタミン類: 野菜ジュース、カットフルーツ、ほうれん草のおひたし

5分でできる!骨折回復応援・簡単レシピ

片手が不自由な時でも手軽に作れる、栄養満点の簡単レシピをご紹介します。

レシピ1:納豆しらすのせ豆腐

【材料】 豆腐、納豆、しらす、刻みネギ、醤油
【作り方】 豆腐の上に、タレと混ぜた納豆、しらす、ネギを乗せ、醤油をかけるだけ。カルシウム、タンパク質、ビタミンKが一度に摂れます。

レシピ2:サバ缶とカット野菜の味噌汁

【材料】 サバ水煮缶、カット野菜(きのこや根菜入りがおすすめ)、味噌、お湯
【作り方】 お椀にサバ缶(汁ごと)、カット野菜、味噌を入れ、お湯を注いで混ぜるだけ。タンパク質とビタミンDを手軽に補給できます。

骨折時の食事に関するよくあるご質問(Q&A)

Q1. サプリメントは摂った方がいいですか?
A1. 基本は食事からの摂取が理想ですが、食事が偏りがちな場合は、カルシウムやビタミンDなどをサプリメントで補助することも有効です。ただし、過剰摂取は体に害を及ぼす可能性もあるため、摂取量を守り、不安な場合は専門家にご相談ください。

Q2. 骨折中に特に避けるべき食べ物はありますか?
A2. リンを多く含むインスタント食品や加工食品、スナック菓子は、カルシウムの吸収を妨げることがあるため、摂りすぎに注意が必要です。また、多量のカフェインやアルコールもカルシウムの排出を促すため、控えめにしましょう。

Q3. 食欲がなくてあまり食べられません。どうすればいいですか?
A3. 一度にたくさん食べられない時は、栄養価の高いものを少量ずつ、回数を分けて摂るのがお勧めです。ヨーグルトやプロテインドリンク、具沢山のスープなどは、食欲がない時でも比較的摂りやすいでしょう。

Q4. 子供が骨折しました。大人と同じ食事で大丈夫ですか?
A4. 基本的に必要な栄養素は同じですが、子供は成長期でもあるため、特にタンパク質とカルシウムを意識してあげることが重要です。牛乳やヨーグルトなどの乳製品を、おやつに取り入れるのも良い方法です。

まとめ:より詳しい骨折治療については

骨折の回復には、適切な固定やリハビリだけでなく、体の中から修復を支える「食事」が不可欠です。今回ご紹介した栄養素や食品を参考に、日々の食事を少し工夫することが、回復への近道となります。

骨折の回復期間の目安や、部位別の注意点、日常生活の過ごし方など、骨折治療に関する網羅的な情報については、以下の記事で詳しく解説しています。

[骨折したら最初に読む記事|骨がつく期間の目安から生活の注意点まで網羅]

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資格:柔道整復師

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本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。症状が改善しない、または悪化する場合には、速やかに専門の医療機関を受診してください。