【写真で学ぶ】怪我をしない身体を作る。アスリート向け体幹トレーニング実践ガイド

「体幹を鍛えれば、パフォーマンスが上がる」

誰もが一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。しかし、それはなぜでしょう?そして、本当に正しい方法でできていますか?

体幹トレーニングとは、腹筋を6つに割るためのものではなく、身体の中心に「天然のコルセット」を作り上げ、あらゆる動きの土台を安定させることで、怪我を予防し、パワーを引き出すためのトレーニングです。

腹筋運動のように身体をガンガン動かすのではなく、**「いかに身体を動かさないか(安定させるか)」**が重要になります。

この記事では、初心者から上級者まで、レベル別に正しい体幹トレーニングの方法を写真付きで徹底解説。あなたの身体を怪我から守り、眠っている能力を引き出すお手伝いをします。

なぜ「体幹」は、それほどまでに重要なのか?

体幹とは、単なるお腹周りの筋肉(腹筋)だけではありません。肩から下、脚の付け根までの胴体部分全体、つまり身体の「幹」となる部分すべてを指します。この幹がしっかりしていることで、木が枝葉を伸ばすように、手足がしなやかに、そして力強く動くのです。

体幹の3つの超重要役割
① 全ての動きの「土台」
② 身体を守る「天然のコルセット」
③ パワーを伝える「中継役」

やってはいけない!よくある体幹トレーニングの3つの間違い

良かれと思ってやっているトレーニングが、実は効果が半減していたり、腰を痛める原因になっていたりすることも。まずは、よくある間違いを確認しましょう。

  1. 息を止めてしまう

    • 力むあまり、呼吸を止めてしまうのはNG。**「力を入れる時に、フッと息を吐く」**のが基本です。

  2. 速く動かしすぎる

    • 回数をこなすことよりも、一つ一つの動きをゆっくり、丁寧に行う方が100倍効果的です。

  3. 腰を反らせてしまう

    • これが最も危険な間違い。常におへその下あたりに軽く力を入れ、腰と床の間に隙間ができないように意識しましょう。

【レベル別】今日からできる体幹トレーニング実践ガイド

それでは、実際のトレーニングに挑戦してみましょう。各種目10回×3セットが目安ですが、回数よりもフォームの正確さを最優先してください。

LEVEL 1:まずはここから!土台を作る基本の2種目

① デッドバグ 〜寝ながらできる、究極の入門編〜

▼ なぜ効くの?
手と足をバラバラに動かす中で、体幹を「動かさない」ことを脳と身体に覚えさせる、非常に重要なトレーニングです。

▼ やってみよう!

  1. 仰向けに寝て、膝を90度に曲げて持ち上げます。両腕は天井に向かってまっすぐ伸ばします。

  2. 息を吐きながら、**「右腕と左脚」**を、床につかないギリギリの位置までゆっくりと下ろしていきます。この時、腰が反らないように、お腹でしっかり床を押し返します。

  3. ゆっくりと元の位置に戻し、今度は**「左腕と右脚」**を同様に下ろします。これを繰り返します。

② バードドッグ 〜四つ這いで、身体の軸を意識する〜

▼ なぜ効くの?
お尻の筋肉にも刺激を入れながら、身体の対角線をまっすぐ保つことで、身体の軸を作る感覚を養います。

▼ やってみよう!

  1. 肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるように、四つ這いになります。

  2. 息を吐きながら、**「右手と左脚」**を、身体が一直線になる高さまでゆっくりと持ち上げます。

  3. 頭からかかとまでが一直線になるのを意識し、3秒キープ。身体が左右に傾かないように注意します。

  4. ゆっくりと元の位置に戻り、今度は**「左手と右脚」**を同様に上げます。これを繰り返します。

LEVEL 2:安定性を高める!中級編

③ プランク 〜「動かない」トレーニングの王道〜

▼ なぜ効くの?
体幹全体の筋肉を同時に使い、身体を一枚の板のように固めることで、強力な安定性を養います。

▼ やってみよう!

  1. うつ伏せになり、両肘を肩の真下につきます。

  2. つま先を立て、身体を持ち上げます。

  3. 頭、肩、お尻、かかとが一直線になるように意識し、その姿勢をキープします。お尻が上がりすぎたり、腰が落ちたりしないように注意しましょう。まずは30秒キープを目指します。

LEVEL 3:動きを加えて、実践的な強さへ!上級編

④ ロシアンツイスト 〜ひねる動きで、脇腹を強化〜

▼ なぜ効くの?
身体をひねる動作は、あらゆるスポーツで使われる重要な動きです。体幹を安定させながら上半身をひねることで、競技に直結する、より実践的な強さを手に入れます。

▼ やってみよう!

  1. 体育座りの状態から、上半身を少し後ろに倒します。両膝は軽く曲げ、かかとは床につけておきます(上級者は浮かせる)。

  2. 両手を胸の前で組み、息を吐きながら、上半身をゆっくりと右にひねります。この時、顔だけでなく、胸ごとひねるのがポイントです。

  3. 元の位置に戻り、今度は左にひねります。これを繰り返します。

国のスポーツ政策の指針においても、特に幼少期から多様な遊びなどを通じて基礎的な動きを身につけ、「生涯にわたってスポーツに親しむための基礎を培う」ことの重要性が示されています。これは、特定のスポーツ動作だけでなく、あらゆる動きの土台となる体幹を安定させ、身体各部をスムーズに連動させるという考え方と深く一致します。

[引用元:スポーツ庁「第3期スポーツ基本計画」]

体幹トレーニングに関するよくある質問(Q&A)

Q1. 毎日やった方が効果がありますか?
A1. 毎日やる必要はありません。筋肉にも回復する時間が必要です。週に2〜3回、トレーニングのウォーミングアップや、一日の終わりの習慣として取り入れるのがおすすめです。継続することが何よりも大切です。

Q2. トレーニング中、腰が痛くなってしまいます…
A2. それは、腰が反ってしまっているサインです。体幹の筋肉がまだ弱いか、フォームが間違っている可能性があります。すぐに中止し、より簡単なLEVEL 1の種目に戻って、腰を反らさない感覚を丁寧につかむことから再開しましょう。

Q3. お腹は割れますか?
A3. 体幹トレーニングは、お腹の深層にある「インナーマッスル」を主に鍛えるため、これだけで腹筋がバキバキに割れるわけではありません。しかし、このインナーマッスルが引き締まることで、お腹周りがスッキリとし、姿勢が劇的に良くなる効果が期待できます。

まとめ:全ての動きは「体幹」から始まる

体幹は、あなたの身体の中心にどっしりと構える、パフォーマンスの源であり、身体を守る砦です。

今回ご紹介したトレーニングは、決して派手ではありません。しかし、この地道なトレーニングを続けることで、あなたの身体の軸はブレなくなり、手足はもっと自由に、もっと力強く動くようになります。

それは、怪我の不安なく、スポーツを心から楽しめる身体を手に入れるための、確実な一歩となるはずです。

▼体幹の弱さが、怪我の再発につながっていませんか?

体幹の不安定さは、身体の様々な部分に「かばう動き(代償動作)」を生み出し、怪我が再発する大きな原因の一つとなります。なぜ怪物が繰り返されるのか、その全体像と本質的なアプローチについて、中心となるこちらの記事で詳しく解説しています。

【スポーツ障害】なぜ、怪我は再発するのか?パフォーマンスを落とさないための本質的なアプローチとは

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【監修】

院長:蛯原 吉正(EBIHARA YOSHIMASA)
資格:柔道整復師

痛みのある箇所だけに対処するのではなく、なぜそこに痛みが生じているのか、その背景にある本当の原因を追究することを信条としています。

一人ひとりの身体の状態や生活習慣と真摯に向き合い、不調が再発しにくい身体づくりをサポートすること。そして、来院された方が不安なく、健やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをすることを目指しています。

より詳しい経歴やご挨拶については、こちらのページをご覧ください。
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【免責事項】
本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。症状が改善しない、または悪化する場合には、速やかに専門の医療機関を受診してください。