勉強効率が劇的に変わる!受験生のための正しい「姿勢」と「椅子選び」

「長時間勉強していると、腰や肩が痛くなって集中できない…」
多くの受験生が抱えるこの悩み、実は「姿勢」が大きく関係しています。

悪い姿勢は、単に身体が痛くなるだけでなく、脳のパフォーマンスを低下させ、知らず知らずのうちに勉強効率を下げてしまう原因になります。

この記事では、なぜ姿勢が重要なのかという理由から、今日から実践できる正しい座り方、そして受験という長丁場を乗り切るための椅子選びのポイントまで、詳しく解説します。

なぜ悪い姿勢は勉強のパフォーマンスを下げるのか?

何気なくとっている姿勢が、なぜ勉強の妨げになるのでしょうか。その背景には、身体と脳の密接な関係があります。

身体への直接的な負担:筋肉の過緊張と血行不良

猫背や前かがみの姿勢は、頭の重さ(約5〜6kg)を首や肩、腰の筋肉だけで支えることになります。これは、常にボーリングの球を背負っているようなものです。

このような姿勢が身体に与える影響について、日本整形外科学会は次のように説明しています。

長時間同じ姿勢でのデスクワークや、前かがみの姿勢などが原因となり、筋肉が緊張して血行が悪くなることで、重く感じたり痛みを覚えたりします。
出典:公益社団法人 日本整形外科学会「肩こり」

この状態が続くと、特定の筋肉が常に緊張し続ける「過緊張」という状態に陥ります。筋肉が硬くなると血行も悪化し、痛みや疲労物質が溜まりやすくなるため、慢性的な肩こりや腰痛、緊張型頭痛の原因となるのです。

呼吸が浅くなり、脳への酸素供給が低下

姿勢と呼吸には、深い関係があります。背中が丸まると胸郭(肋骨で囲まれた部分)が圧迫され、肺が十分に広がることができません。

その結果、一度に取り込める酸素の量が減り、呼吸が浅くなります。脳は身体の中で最も多くの酸素を消費する器官です。その脳への酸素供給が不足すると、集中力の低下、眠気、思考力の低下といったパフォーマンスダウンに直結してしまいます。

「脳疲労」を加速させる悪循環

身体の痛みや不快感は、常に微弱なストレス信号として脳に送られ続けます。脳はこれらの信号を処理するために、無意識のうちに多くのエネルギーを消費しています。

つまり、悪い姿勢は「勉強の内容を記憶・理解する」という本来使うべき脳のエネルギーを、「身体の不快感を処理する」という別の作業に奪わせてしまうのです。この状態が「脳疲労」を加速させ、頑張っているのに成果が出にくいという悪循環を生み出します。

 集中力が続く!身体に負担をかけない「正しい座り方」

では、具体的にどのような座り方を意識すれば良いのでしょうか。ポイントは「骨盤を立てる」ことです。

骨盤を立てる「坐骨座り」の基本

STEP1:椅子に深く腰掛ける

まず、お尻を背もたれに突き当たるまで、椅子に深く腰掛けます。浅く座ると、どうしても背中が丸まりやすくなります。

STEP2:坐骨(ざこつ)で座る

お尻の下に手を当てて座り、左右のお尻でゴリゴリと硬い骨が当たるのを確認します。これが坐骨です。この左右の坐骨に均等に体重が乗るように座ることが、骨盤を立てる基本です。

STEP3:骨盤の上に頭を乗せるイメージ

骨盤という土台の上に、背骨が一本まっすぐ積み上がり、その一番上に頭がふわりと乗っているようなイメージを持ちましょう。顎を軽く引き、目線はまっすぐ前を向きます。

理想的なデスク環境を作る3つのポイント

ポイント1:足裏全体が床につく椅子の高さ

椅子に深く腰掛けたとき、膝が90度に曲がり、足の裏全体がぴったりと床につく高さが理想です。足が浮いてしまう場合は、フットレスト(足置き台)や雑誌などを置いて調整しましょう。

ポイント2:肘が90度になる机の高さ

腕を自然に下ろし、肘が90度になる位置に机の天板がくるのがベストです。机が高すぎると肩が上がり、低すぎると前かがみの原因になります。

ポイント3:目線が下がりすぎないPC・参考書の位置

目線が下がりすぎると、首への負担が大きくなります。参考書の下に台を置いたり、書見台を使ったりして、少しでも目線が上がるように工夫すると、首や肩への負担を軽減できます。

受験生の椅子選びで失敗しないためのチェックポイント

長時間を共にする椅子は、大切なパートナーです。もし新しい椅子の購入を検討しているなら、以下の点をチェックしてみてください。

最低限おさえたい3つの機能

高さ調整機能

座る人の体格に合わせて、座面の高さを調整できる機能は必須です。これにより、足裏をしっかりと床につけることができます。

背骨のS字カーブをサポートする背もたれ

人間の背骨は、本来ゆるやかなS字カーブを描いています。このカーブにフィットし、しっかりと支えてくれる背もたれを選びましょう。特に腰部分(ランバー)をサポートしてくれる機能があると、腰への負担が大きく減ります。

アームレスト(肘掛け)

アームレストは、腕の重さ(両腕で体重の約16%)を支え、肩にかかる負担を軽減してくれる重要なパーツです。高さや角度を調整できるものだと、より身体にフィットさせることができます。

今ある椅子を快適にする便利グッズ

新しい椅子を買うのが難しい場合でも、工夫次第で学習環境は改善できます。

  • 骨盤サポートクッション: 椅子の上に置くだけで、骨盤が立つようにサポートしてくれます。

  • フットレスト(足置き): 椅子の高さが合わない場合に、足元を安定させることができます。

  • PCスタンド・書見台: 目線を上げ、首への負担を減らすのに役立ちます。

まとめ:正しい姿勢は、未来への最高の投資

正しい姿勢を保つことは、単に腰痛や肩こりを予防するだけでなく、脳のパフォーマンスを最大限に引き出し、学習効率を高めるための重要な戦略です。

毎日何時間も座り続ける受験生にとって、姿勢や学習環境を見直すことは、参考書を一冊増やすのと同じくらい、あるいはそれ以上に価値のある「未来への投資」と言えるでしょう。

もし、長年の癖で姿勢が改善しなかったり、すでに身体に痛みや不調を感じていたりする場合は、一人で悩まずご相談ください。身体のコンディションを整えることが、目標達成への一番の近道です。

▼ 姿勢を整えても改善しない腰痛や、原因のわからない集中力の低下でお悩みではありませんか?その根本には、受験勉強による「脳疲労」が隠れているかもしれません。身体と脳の両面からコンディションを整える方法について、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 【牛久市の受験生へ】その腰痛・自律神経の不調、原因は「脳疲労」かも?

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蛯原 吉正(柔道整復師)

けがと痛みの専門家として、伝統的な施術と最新の知識・技術を融合させ、日々多くの患者様と向き合っています。特に、脳と痛みの関係に着目したアプローチに力を入れており、どこへ行っても変わらなかったという方を一人でも多く救いたいという想いで情報発信を行っています。

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