【動画で解説】オスグッド病の痛みを軽減する正しいテーピングの貼り方

はじめに:「プレー中の、あの痛みをどうにかしたい…」

「試合の大事な場面で、膝の痛みが気になって集中できない」
「サポーターは持っているけれど、もっと手軽なケア方法も知りたい」
「テーピングに興味はあるけれど、貼り方が合っているか不安…」

オスグッド病の痛みは、特にスポーツの最中に顕著に現れることが多く、選手のパフォーマンスに直接影響を与えます。そんな時、正しく貼られたテーピングは、プレーを続けるための心強い味方となってくれます。

テーピングは、膝への負担を軽減し、動きをサポートする有効な手段です

キネシオロジーテープなどを用いたテーピングは、痛みの原因となっている膝下の骨(脛骨粗面)にかかる負担を軽減し、太ももの筋肉の働きをサポートすることで、プレー中の痛みを和らげる効果が期待できます。

この記事では、専門家が監修した正しいテーピングの貼り方を、動画とテキストで分かりやすく解説します。

なぜテーピングが有効なのか?その役割を理解しよう

テーピングには、主に2つの役割があります。

  1. 負担の軽減(除痛): 膝のお皿のすぐ下をテープで軽く圧迫・サポートすることで、大腿四頭筋が収縮した際に、痛みの元である脛骨粗面へかかる直接的な引っ張る力を分散させます。

  2. 筋肉のサポート(促通): 太ももの筋肉(大腿四頭筋)に沿ってテープを貼ることで、筋肉の過剰な緊張を和らげ、スムーズな動きをサポートします。

キネシオテープの貼付による効果として,筋機能の正常化,痛みの抑制,関節の矯正,血液やリンパ液の循環促進などが挙げられている.
J-STAGE「キネシオテープの貼付が筋活動および筋酸素動態におよぼす影響」より引用

テーピングを貼る前の準備

効果を最大限に引き出すため、貼る前にしっかりと準備をしましょう。

準備するものポイント
キネシオロジーテープ伸縮性のあるスポーツ用のテープを用意します。一般的には幅5cmのものが使いやすいでしょう。
ハサミテープを切るためのハサミ。角を丸く切るために、切れ味の良いものがおすすめです。
清潔な皮膚汗や皮脂、水分、体毛などはテープが剥がれる原因になります。貼る前は、皮膚を清潔で乾いた状態にしてください。

【動画で実践】オスグッド病のテーピングの貼り方

それでは、実際の貼り方を動画で確認しましょう。動画の通りに、順を追ってゆっくりと貼ってみてください。

動画のポイント(テキスト解説)

動画で解説しているテーピングは、**「長いY字テープ1本」「短いテープ2本」**の合計3本を使用します。

Step 0:準備

  1. 姿勢: 仰向けに寝て、膝の下に丸めたタオルなどを入れ、膝が軽く曲がるようにします。

  2. テープのカット: 長いテープは太ももの付け根から膝下まで、短いテープは膝を一周できる程度の長さにカットします。長いテープは、先端から15cmほど残して、縦に半分に切り込みを入れ、Y字にします。

  3. 角を丸くする: すべてのテープの角をハサミで丸くカットしておきます。こうすることで、服などに引っかかりにくくなり、剥がれを防ぎます。

Step 1:Y字テープで太ももをサポートする

  1. Y字テープの切り込みがない側(ベース部分)の裏紙を剥がし、太ももの付け根近くに貼ります。

  2. Y字の分かれ目から、片方ずつ裏紙を剥がしながら、膝のお皿を両側から挟み込むように貼っていきます。

  3. テープの先端は、痛む骨の出っ張り(脛骨粗面)の両脇に来るようにします。

  4. 【重要】このテープは、皮膚の上に「置く」ように、引っ張らずに優しく貼りましょう。

Step 2:短いテープで膝下を圧迫・固定する

  1. 1本目の短いテープの真ん中部分の裏紙を剥がします。

  2. テープの中央を、痛む骨の出っ張りのすぐ下(膝蓋腱の上)に当て、ここだけ少し引っ張りながら貼ります。

  3. テープの両端は、引っ張らずに膝の裏側に向かって優しく貼ります。

  4. 2本目の短いテープも同様に、1本目のテープと少し重ねて「×」印を作るように、中央を少し引っ張りながら貼り、両端は優しく貼ります。

  5. 最後に、テープ全体を手で軽くこすり、皮膚にしっかりとなじませます。

よくある失敗例と注意点

  • 強く引っ張りすぎ: テープを強く引っ張りすぎると、皮膚がかぶれたり、動きが制限されたりする原因になります。

  • シワが寄ってしまう: テープと皮膚の間にシワができると、そこから剥がれやすくなります。

  • 貼った直後に運動する: テープの粘着が安定するまで、少なくとも30分~1時間ほど時間を置くのが理想です。

世界の最新研究:テーピングの役割

米国の理学療法士やアスレティックトレーナーの間では、キネシオロジーテープは単なる「固定」や「圧迫」のツールではなく、**「神経系へのフィードバック」**を促すツールとして認識されています。
テープが皮膚に貼られることで、脳はその部分の動きや位置をより正確に認識できるようになります(固有受容覚の向上)。これにより、身体は無意識のうちに膝に負担のかからない動き方を選択しやすくなる、と考えられています。

よくあるご質問(Q&A)

Q1: テープはどのくらいの時間、貼っておいて良いですか?

A1: 製品にもよりますが、通常は1~2日程度です。かゆみやかぶれなどの皮膚トラブルが出た場合は、すぐに剥がしてください。毎日貼り替える必要はありませんが、衛生面を考慮し、長くても2~3日で貼り替えることをお勧めします。

Q2: 貼ったままお風呂に入っても大丈夫ですか?

A2: はい、大丈夫です。入浴後は、タオルで優しく押さえるようにして水分を拭き取ってください。ドライヤーの冷風で乾かすと、より剥がれにくくなります。

Q3: テーピングをすれば、サポーターは必要ないですか?

A3: テーピングとサポーターは、どちらも膝への負担を軽減するという目的は同じですが、サポート力や手軽さが異なります。テーピングの方がより細かな調整が可能ですが、毎回貼る手間がかかります。サポーターは手軽に着脱できます。ご自身の好みや、その日の練習内容によって使い分けるのが良いでしょう。

まとめ:テーピングを味方につけて、痛みを賢くコントロールしよう

正しいテーピングは、オスグッド病の痛みを抱えながらスポーツを続ける選手にとって、非常に有効なセルフケアの一つです。動画を参考に、ぜひ一度試してみてください。

ただし、重要なのは、テーピングはあくまで**「痛みを軽減させるための補助的な手段」**であるということです。痛みが楽になるからといって、身体のケアを怠ったり、無理な練習を続けたりすれば、根本的な改善には繋がりません。

テーピングをしても痛みが続く…その不調には、さらに深い原因があるかもしれません

もし、テーピングをしても痛みが変わらない、あるいは練習を休んでいるのに痛みが引かないという場合は、痛みの原因が単なる膝への負担だけでなく、身体全体のバランスや回復力の低下にある可能性があります。

当院では、なぜ痛みが長引くのか、その大元にある「脳の疲労」や「自律神経」に着目したアプローチを行っています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
→【オスグッド病が治らない方へ】痛みの原因は膝じゃない?脳疲労と自律神経に着目した新しいアプローチ

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【蛯原接骨院】

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  • 駐車場: 5台分有り

【監修】

院長:蛯原 吉正(EBIHARA YOSHIMASA)
資格:柔道整復師

痛みのある箇所だけに対処するのではなく、なぜそこに痛みが生じているのか、その背景にある本当の原因を追究することを信条としています。

一人ひとりの身体の状態や生活習慣と真摯に向き合い、不調が再発しにくい身体づくりをサポートすること。そして、来院された方が不安なく、健やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをすることを目指しています。

より詳しい経歴やご挨拶については、こちらのページをご覧ください。
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本記事は、当院の施術に関する情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代行するものではありません。症状に関する診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。当ブログの情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。