長時間、参考書や画面とにらめっこしていると、ズキズキ、ギューッと締め付けられるように、こめかみが痛くなることはありませんか?
その頭痛のせいで勉強に集中できず、焦りや不安を感じてしまう受験生は少なくありません。
この記事では、多くの受験生を悩ませるこめかみの痛みの正体、その根本にある3つの原因、そして今日からすぐに実践できる対処法について、専門家の視点から詳しく解説します。
その頭痛の正体は「緊張型頭痛」かもしれません
受験生に起こる頭痛の多くは、「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプです。まずは、この頭痛がどのようなものかを知ることから始めましょう。
緊張型頭痛の主な症状
緊張型頭痛には、以下のような特徴があります。
頭全体や後頭部、こめかみがギューッと締め付けられるような痛み
「ヘルメットをかぶったような」「ハチマキで締め付けられるような」と表現される圧迫感
フワフワしためまい感を伴うことがある
動けないほどの強い痛みではないが、ダラダラと続く
この頭痛について、日本頭痛学会は次のように説明しています。
身体的ストレスや精神的ストレスがいくつも重なることによっておこる頭痛です。 (中略) ストレスにより頭や首のまわりの筋肉が収縮し、血行が悪くなることによって、頭痛がおこると考えられています。
出典:一般社団法人 日本頭痛学会 「頭痛Q&A」
まさに、受験生が置かれている心身の状態が、この頭痛を引き起こしやすいと言えるのです。
勉強に集中できない!こめかみが痛くなる3つの原因
では、なぜ受験生の頭や首まわりの筋肉は、そこまで緊張してしまうのでしょうか。その背景には、3つの大きな原因が隠されています。
原因1:長時間の同じ姿勢による「首・肩の筋肉の過緊張」
勉強中の姿勢は、頭痛の最大の引き金となります。
前かがみ姿勢が首にかける大きな負担
人間の頭の重さは、体重の約10%(約5〜6kg)もあります。勉強に集中して前かがみになると、その重い頭を首と肩の筋肉だけで支えることになり、筋肉は常に緊張し続ける「過緊張」状態に陥ります。
筋肉の緊張が「関連痛」を引き起こす
首や肩の筋肉が過緊張状態になると、血行が悪くなり、痛み物質が発生します。この時、脳は「首や肩」だけでなく、神経でつながっている「こめかみ」や「後頭部」が痛いと錯覚してしまうことがあります。これを「関連痛」と呼び、こめかみが痛む直接的な原因の一つです。
原因2:目の酷使による「眼精疲労」
小さな文字を長時間追い続ける受験勉強は、想像以上に目を酷使します。
ピント調節筋の凝り
参考書やPC・スマホの画面を長時間見続けると、目のピントを調節する筋肉(毛様体筋)が凝り固まってしまいます。この目の周りの筋肉の緊張が、すぐ近くにある側頭筋(こめかみにある筋肉)にまで伝わり、頭痛を引き起こすのです。
ブルーライトの影響
PCやスマホから発せられるブルーライトは、脳を興奮させ、自律神経のバランスを乱す原因となります。これにより、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりして、疲労が抜けにくくなり、頭痛を悪化させる悪循環につながります。
原因3:精神的ストレスによる「脳疲労」
見過ごせないのが、受験のプレッシャーという精神的なストレスです。
無意識の食いしばりと筋肉の緊張
「成績が伸びない」「試験に合格できるだろうか」といった不安や焦りは、無意識のうちに歯を食いしばらせ、あごやこめかみの筋肉を緊張させます。また、ストレスは自律神経の交感神経を優位にし、全身の血管を収縮させて血行を悪化させるため、さらなる筋肉の緊張を招きます。
脳が痛みに対して過敏になる
強いストレスが続くと、脳自体が疲労し、痛みをコントロールする機能がうまく働かなくなることがあります。その結果、本来なら気にならない程度のわずかな筋肉の緊張さえも、「強い痛み」として感じてしまう「痛みの過敏状態」に陥ってしまうのです。
今すぐできる!こめかみの痛みを和らげる3つのセルフケア
つらい頭痛を感じたとき、そして予防のために、勉強の合間にできる簡単なセルフケアを取り入れましょう。
セルフケア1:首と肩のストレッチ
椅子に座ったまま、背筋を伸ばします。
右手で頭の左側を持ち、ゆっくりと右に倒して首の左側を20秒ほど伸ばします。
反対側も同様に行います。
両肩を耳に近づけるようにすくめ、5秒キープしたあと、ストンと力を抜きます。これを数回繰り返します。
セルフケア2:蒸しタオルで目と首を温める
濡らしたタオルを電子レンジで温めて蒸しタオルを作り、目の上や首の後ろに当てます。血行が良くなることで、目の疲れや筋肉の緊張が和らぎ、リラックス効果も得られます。
セルフケア3:側頭筋を優しくほぐす
両手の指の腹を左右のこめかみに当てます。
「気持ちいい」と感じる程度の圧で、ゆっくりと円を描くように1分ほどマッサージします。
強く押しすぎないように注意しましょう。
まとめ:頭痛は無理を知らせる身体からのサイン
受験生を悩ませるこめかみの頭痛は、「身体と脳が少し疲れているよ」という重要なサインです。
単なる頭痛と軽視せず、その背景にある姿勢やストレス、生活習慣を見直すことが、パフォーマンスを維持し、万全の状態で本番を迎えるためのカギとなります。
セルフケアを続けても痛みが改善しない、あるいは痛みがどんどん強くなるような場合は、我慢せずに専門家へご相談ください。
▼ こめかみの頭痛だけでなく、腰痛や原因不明の不調(めまい・不眠など)も感じる場合、その根本には受験勉強による「脳疲労」が隠れているかもしれません。身体と脳の両面からコンディションを整える方法について、こちらの記事で詳しく解説しています。
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蛯原 吉正(柔道整復師)
けがと痛みの専門家として、伝統的な施術と最新の知識・技術を融合させ、日々多くの患者様と向き合っています。特に、脳と痛みの関係に着目したアプローチに力を入れており、どこへ行っても変わらなかったという方を一人でも多く救いたいという想いで情報発信を行っています。
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