【専門家監修】自宅でできるコーレス骨折のリハビリメニュー|時期別の注意点と効果的な進め方

コーレス骨折の治療において、接骨院で行う施術と並行して非常に重要になるのが、ご自宅でのリハビリテーション、いわゆる「自主トレーニング」です。

適切な自主トレを継続することで、関節が硬くなるのを防ぎ、筋力を維持・向上させ、回復を大きく後押しすることができます。しかし、やり方を間違えたり、焦って無理をしたりすると、かえって症状を悪化させてしまう危険性もあります。

この記事では、専門家の監修のもと、コーレス骨折の回復段階に合わせた安全かつ効果的な自宅リハビリメニューと、その進め方について詳しく解説します。

【重要】自主トレーニングを始める前の大原則

これからご紹介するメニューは、**必ず担当の専門家に相談し、許可を得てから行ってください。**自己判断で始めたり、痛みを我慢して行ったりすることは絶対に避けてください。

  • 痛みを感じない範囲で行いましょう。

  • ゆっくりとした動きを心がけ、反動をつけないようにしましょう。

  • 毎日少しずつでも継続することが大切です。

  • 途中で不安になったり、痛みが出たりした場合は、しましょう。すぐに中止して専門家に相談

時期1:固定期間中のリハビリ(早期)

この時期の目的は、固定されていない関節の機能を維持し、血行を促進することです。固定している手首に負担がかからないよう、細心の注意を払って行いましょう。

指の運動(グー・パー運動)

固定で動かせない手首の代わりに、指を積極的に動かすことで、腫れの軽減や関節が硬くなるのを防ぎます。

やり方

  1. 指をゆっくりと、できるだけ大きく開きます(パーの状態)。

  2. 次に、全ての指をゆっくりと握り込みます(グーの状態)。

  3. この動きを10〜20回ほど繰り返します。1日に数セット行いましょう。

肘の曲げ伸ばし運動

肘の関節が硬くなるのを防ぎます。

やり方

  1. 腕の力を抜き、ゆっくりと肘を最大限まで曲げます。

  2. 次に、ゆっくりと肘を完全に伸ばします。

  3. 10回ほど繰り返しましょう。

肩の運動(振り子運動)

肩関節の拘縮を予防し、腕全体の血行を良くします。

やり方

  1. 痛くない方の手でテーブルや椅子の背もたれに軽くつかまり、少し前かがみになります。

  2. 骨折した方の腕を、力を抜いてだらんと下に垂らします。

  3. そのまま、体を少し揺らすようにして、腕を前後・左右に優しく振ります。

  4. 各方向に10回ほど、ゆっくりと振りましょう。

時期2:固定除去後のリハビリ(中期)

固定が外れた直後の手首は、関節が硬くなり、筋力も低下しています。この時期は手首の関節の動き(可動域)を慎重に取り戻していくことが目的です。

手首の自動運動

自分の力だけで、ゆっくりと手首を動かします。お風呂の中など、温めながら行うと筋肉がほぐれて動かしやすくなります。

やり方

  1. 肘を机の上などに置き、手首から先をリラックスさせます。

  2. ゆっくりと、痛みが出ないギリギリのところまで、手のひら側に手首を曲げます(掌屈)。

  3. 次に、ゆっくりと手の甲側に手首を反らせます(背屈)。

  4. 親指側(橈屈)、小指側(尺屈)にも同様にゆっくり曲げます。

  5. 各方向に10回ずつ行いましょう。

前腕の回内・回外運動

ドアノブを回す、鍵を開けるといった日常動作に必要な動きを取り戻します。

やり方

  1. 肘を90度に曲げ、脇を締めます。

  2. ゆっくりと、手のひらを真上に向けます(回外)。

  3. 次に、ゆっくりと手のひらを真下に向けます(回内)。

  4. 10回ほど繰り返しましょう。

時期3:骨癒合後・回復期のリハビリ(後期)

骨が安定し、ある程度手首が動くようになったら、筋力の強化と、より実践的な動きの回復を目指します。

手首のストレッチ

反対側の手を使い、優しくストレッチを加えていきます。

やり方

  1. 肘を伸ばし、手のひらを上に向けます。

  2. 反対側の手で指先を持ち、ゆっくりと手前に引き、前腕の内側の筋肉を伸ばします。気持ちよく伸びるところで20〜30秒キープします。

  3. 次に、手のひらを下に向けて同様に行い、前腕の外側を伸ばします。

握力のトレーニング

柔らかいボールやタオルなどを使い、握力を回復させます。

やり方

  1. スポンジボールやハンドグリップ(一番弱いもの)などを、5秒ほどかけてゆっくり握り、ゆっくり戻します。

  2. 10回ほど繰り返しましょう。痛みが出る場合は、タオルを握る程度から始めます。

タオルギャザー

指の細かい動きと、手首から指への連動性を高めます。

やり方

  1. テーブルの上にタオルを広げます。

  2. 手首はテーブルにつけたまま、指の力だけでタオルを少しずつたぐり寄せていきます。

  3. 全てたぐり寄せたら、今度は逆の動きでタオルを広げていきます。

まとめ:焦らず、着実に。専門家と二人三脚で進めましょう

自宅でのリハビリは、コーレス骨折からの回復を左右する非常に重要な要素です。しかし、その効果は正しい方法で、適切な時期に行われてこそ発揮されます。

ご紹介したメニューはあくまで一般的なものです。あなたの回復状態に最適なリハビリの内容や進め方は、身体の状態を直接見ている専門家が最もよく知っています。

焦らず、痛みと相談しながら、担当の先生と二人三脚で一歩ずつ着実に進んでいくことが、確実な回復への一番の近道です。

コーレス骨折全体の情報や、具体的な治療法については、こちらの総合案内記事もご覧ください。
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【監修・柔道整復師】コーレス骨折の治療とリハビリ|手術以外の選択肢と後遺症を残さないための注意点

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【監修】

蛯原 吉正(柔道整復師)

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本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。症状や治療法は個々の状態によって異なりますので、必ず専門家(医師、柔道整復師など)にご相談の上、適切な診断と治療を受けてください。記事の内容に基づいた自己判断による行動で生じたいかなる不利益についても、当院は一切の責任を負いかねます。