その顎の痛み、姿勢が原因かも?スマホ首・猫背と顎関節症の深い関係

「顎が痛いから、顎周りをマッサージしているけど良くならない」
「頑固な肩こりと、顎のだるさがセットでやってくる」
「猫背をよく注意されるし、口を開けるとカクカク鳴る…」

もしあなたが、このような状況に当てはまるなら、その顎の不調の根本原因は、顎そのものではなく、もっと離れた場所にある**「日常の姿勢」**かもしれません。

この記事では、現代人にとって最も身近な悪姿勢である「猫背」と、それに伴う「頭部前方突出姿勢(スマホ首)」が、どのようにして顎関節症の引き金となるのか、そのメカニズムを詳しく解説します。

姿勢を崩す、見えない根本原因:脳疲労と自律神経

「姿勢を良くしよう」と意識しても、気づけばすぐに元の悪い姿勢に戻ってしまう。なぜでしょうか?
実は、姿勢の乱れは単なる身体の癖だけでなく、その背景には**「脳疲労」「自律神経の乱れ」**という、目に見えない根本原因が隠れていることが非常に多いのです。

  • 脳疲労と姿勢制御
    私たちの脳は、ストレス、情報過多、睡眠不足などによって疲労します。脳が疲れると、身体のバランスを保ったり、筋肉を適切にコントロールしたりする能力が低下します。その結果、私たちは無意識のうちに、エネルギー消費の少ない「楽な姿勢」、つまり猫背やスマホ首といった崩れた姿勢に頼ってしまうのです。

  • 自律神経の乱れと筋肉の緊張
    脳疲労は、自律神経のバランスも乱します。身体を「戦闘モード」にする交感神経が過剰に働き、常に全身が緊張状態になります。特に、首、肩、背中の筋肉はガチガチに固まり、この筋肉の持続的な緊張が、身体を悪い姿勢のまま固着させてしまうのです。

つまり、**「脳疲労・自律神経の乱れ」→「筋肉の過緊張」→「悪姿勢の定着」**という負の連鎖が、すべての始まりと言えます。

悪姿勢が引き起こす物理的な問題

この負の連鎖の結果として、身体にはどのような物理的な変化が起こるのでしょうか。

1. 頭部前方突出姿勢(一般に「スマホ首」と呼ばれる状態)

頭が肩よりも前に突き出る姿勢は、**「脳疲労や筋肉の緊張の結果として現れる状態」**です。

  • 何が起きているのか?
    頭はボーリングの球ほどの重さ(約5kg)があります。頭が前に出るだけで、首の後ろの筋肉にかかる負担は何倍にも膨れ上がります。首や肩の筋肉は、この重い頭を一日中支えるために、過緊張状態となり、血行が悪化。これが「頑固な首こり・肩こり」の直接的な原因です。

2. 猫背

背中が丸まり、肩が内側に入り込む姿勢です。頭部前方突出姿勢とセットで起こることがほとんどです。

  • 何が起きているのか?
    胸の筋肉が縮こまり、背中側の筋肉は引き伸ばされて弱くなります。この筋肉のアンバランスが、首や肩の緊張をさらに悪化・慢性化させます。

では、なぜ姿勢の乱れが「顎の痛み」につながるのか?

ここが最も重要なポイントです。首や肩と、顎は、筋肉によって密接に連携しています。

プロセス1:筋肉の緊張が「渋滞」のように伝わる

ガチガチに固まった首・肩の筋肉の緊張は、すぐ隣にある顎を動かすための筋肉に、交通渋滞のように直接伝わっていきます。顎自体には何もしていなくても、その**「もらい事故」**のような形で、顎周りの筋肉まで緊張してしまうのです。

プロセス2:顎関節への物理的ストレス

首が前に突き出た姿勢を続けると、下顎は首の筋肉によって後方へと引っ張られるような力がかかります。これにより、顎関節の内部に持続的な圧迫ストレスがかかり続けます。

プロセス3:顎関節が悲鳴を上げる

この「筋肉の過緊張」と「関節への圧迫ストレス」という二重の負担が毎日続くことで、痛み、口の開きにくさ、関節音といった顎関節症の典型的な症状が現れます。

つまり、あなたが感じている顎の痛みは、「顎」が最終的な悲鳴を上げている場所であり、その大元の原因は「姿勢をとる習慣」と、さらにその背景にある「脳疲労や自律神経の乱れ」にある可能性が非常に高いのです。

当院の専門的アプローチ:意識しなくても良い姿勢がとれる身体へ

長年の癖や脳疲労で固まってしまった身体は、意識だけで正しい姿勢を保つのは困難です。
当院では、**「結果としての悪姿勢」「原因としての脳疲労・自律神経の乱れ」**の両方にアプローチし、無理なく良い姿勢を維持できる身体の土台作りを目指します。

  • 結果へのアプローチ(ノーマライザ)
    特殊な治療器「ノーマライザ」を使い、姿勢の乱れによって固まってしまった首や肩甲骨周りの深層筋(トリガーポイント)を正確に見つけ出し、その過緊張を和らげます。

  • 原因へのアプローチ(BFI療法)
    「BFI療法」は、姿勢を崩す根本原因である脳疲労自律神経の乱れに直接アプローチします。ごく優しい刺激で、蓄積した脳疲労を和らげ、高ぶりすぎた交感神経を鎮めることで、身体の緊張スイッチをOFFにします。これにより、リラックスした状態で、正しい姿勢を保ちやすくなるのです。

まとめ:顎を触る前に、姿勢とその原因を見直そう

もしあなたが長引く顎の不調に悩んでいるなら、一度、顎から意識を離して、ご自身の「姿勢」、そして「心と脳の疲れ」に目を向けてみてください。そこに、解決への大きなヒントが隠されているかもしれません。

顎関節症全体の情報や、他の症状との関連については、こちらの総合案内記事もご覧ください。
→ 長引く顎の痛み、もう諦めない。顎関節症の多様な原因と当院の新しいアプローチ

姿勢とその根本原因から身体を見直し、不快な症状のない快適な毎日を取り戻しましょう。

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蛯原 吉正(柔道整復師)

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免責事項

このブログ記事は、顎関節症に関する情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。記載されている内容は、一般的な知見に基づくものであり、効果には個人差があります。症状の診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。当ブログの情報に基づいてご自身の判断で行ったいかなる行為に関しても、当院は一切の責任を負いかねます。