その癖が顎の痛みを招く!今日からやめたい顎関節症を悪化させる日常習慣リスト

「顎の痛みが、マッサージをしてもなかなか良くならない」
「特に何もしていないはずなのに、なぜか顎がだるい…」

もしあなたがそう感じているなら、その不調の原因は、自分では気づいていない「何気ない日常の癖」に隠されているかもしれません。私たちの顎関節は非常に繊細で、日々の小さな負担が積み重なることで、ある日突然、痛みや不調として現れることがあります。

この記事では、あなたの顎に静かにダメージを与えている可能性のある危険な日常習慣をリストアップし、なぜそれが悪いのか、そして今日から何をすべきかを詳しく解説します。

【セルフチェック】あなたはいくつ当てはまる?顎に負担をかける12の習慣

まずは、ご自身の生活を振り返ってみましょう。当てはまるものが多いほど、無意識のうちに顎へ負担をかけている可能性が高まります。

  • □ PC作業中やスマホを見ている時、気づくと猫背になっている。

  • □ 仕事や勉強に集中している時、上下の歯が接触していることがある。

  • □ ストレスを感じると、無意識に歯を食いしばっている。

  • □ 寝ている間に歯ぎしりをしていると指摘されたことがある。

  • □ 机に向かっている時、頬杖をつく癖がある。

  • □ 食事の時、いつも同じ側ばかりで噛んでいる。

  • □ フランスパンやナッツ、おせんべいなど硬いものが好きでよく食べる。

  • □ ガムを長時間噛む習慣がある。

  • □ 寝る時はうつ伏せか、いつも同じ側を下にして横向きで寝る。

  • □ 電話を肩と首で挟んで話すことがある。

  • □ 呼吸が浅い、または気づくと息を止めていることがある。

  • □ バッグをいつも同じ側の肩にかける。

いくつ当てはまりましたか?それでは次に、これらの習慣がなぜ顎に悪いのかを具体的に見ていきましょう。

なぜその癖がダメなのか?シーン別・悪習慣のメカニズム

デスクワーク・勉強中によくある癖

1. 猫背・前方頭位姿勢(ストレートネック)

PCやスマホの画面をのぞき込む姿勢は、顎にとって最大の敵の一つです。重い頭が肩より前に突き出ることで、首や肩の筋肉は頭を支えるために常に緊張し続けます。この緊張は、すぐ隣にある顎周りの筋肉にも直接伝わり、顎関節を圧迫してしまいます。

2. 頬杖

片手で頬杖をつくと、その片側の顎関節に数キログラムもの圧力がかかると言われています。この非対称な圧力が習慣化すると、顎の関節が本来あるべき位置からズレてしまったり、関節内のクッション(関節円板)を傷つけたりする原因になります。

食事中によくある癖

3. 片側噛み

いつも同じ側でばかり噛んでいると、片方の筋肉ばかりが酷使され、もう片方の筋肉は衰えていきます。この左右のアンバランスが、顎の動きを歪ませ、関節に不自然な負担をかけることにつながります。

4. 硬いものを頻繁に食べる

適度な硬さのものは顎の健康に良いですが、極端に硬いものを頻繁に食べる習慣は、顎の筋肉や関節に過剰なトレーニングを強いるようなものです。筋肉は疲労し、関節は摩耗しやすくなります。

見えないけれど最も厄介な「心の癖」:ストレスと自律神経

ここまでは物理的な癖について解説しましたが、顎の不調において最も根深い原因となるのが、目に見えない「ストレス」との付き合い方です。

5. TCH(上下歯列接触癖)と食いしばり

何もしていない時、私たちの上下の歯は本来、わずかに離れているのが正常です。しかし、ストレスを感じると、私たちの身体は無意識に「戦闘モード」に入ります。

  • 自律神経の働き: ストレスを感じると、自律神経のうち身体を興奮させる「交感神経」が優位になります。これは、危険から身を守るための本能的な反応です。

  • 身体の反応: 交感神経が優位になると、全身の筋肉がこわばり、特に顎、首、肩に力が入ります。これが、集中している時や緊張している時に無意識に歯を食いしばったり、軽く接触させ続けたりする「TCH」の正体です。

  • 顎へのダメージ: 本来ならリラックスしているべき時間に、顎の筋肉は常に筋トレをしているような状態になります。24時間働き続ける筋肉は疲弊しきってしまい、だるさや痛みを引き起こすのです。

6. 浅い呼吸

ストレス状態が続くと、呼吸も浅くなります。これも交感神経が優位になっているサインです。浅い呼吸は、首や肩周りの筋肉(呼吸補助筋)を緊張させ、結果的に顎周りの筋肉にも悪影響を及ぼします。

リラックスタイム・睡眠中によくある癖

7. うつ伏せ寝・横向き寝での圧迫

うつ伏せで寝ると、顔が左右どちらかにねじれた状態が長時間続きます。これにより、顎関節には持続的な圧迫とねじれのストレスがかかります。いつも同じ側を下にして寝るのも、同様に片側の顎に負担を集中させる原因となります。

今日からできる!癖を改善するための3つのステップ

これらの癖は無意識で行っているため、「やめよう」と意識するだけではなかなか治りません。大切なのは、やめるための「仕組み」を作ることです。

Step1:まずは「気づく」こと

癖を治す第一歩は、自分がその癖をしている瞬間に「あっ、今やっている」と気づくことです。

  • TCH・食いしばり対策: PCモニターやデスクの隅に「歯を離す」「力抜く」と書いた付箋を貼っておきましょう。視界に入るたびに、歯が接触していないか、肩に力が入っていないかチェックする習慣がつきます。

  • 姿勢対策: スマートフォンのアラームやリマインダー機能を使い、「1時間に1回姿勢チェック&深呼吸」など設定してみましょう。

Step2:「置き換える」こと

癖そのものをやめるのが難しければ、別の行動に置き換えてみましょう。

  • 頬杖の代わり: 頬杖をしたくなったら、代わりに両手を組む、クッションを抱える、一度立ち上がって伸びをする、などの行動に切り替えます。

Step3:「環境を整える」こと

癖が出にくい物理的な環境を作ることも非常に効果的です。

  • デスク環境: PCモニターの高さを目線がまっすぐになる位置に調整する。椅子に深く座り、足の裏全体が床につくようにする。

  • 睡眠環境: 抱き枕などを活用して、仰向け寝がしやすいようにサポートする。自分の首の高さに合った枕を見直す。

まとめ:身体の癖と心の癖、両方を見直そう

今回ご紹介した癖は、一つひとつは些細なものかもしれません。しかし、物理的な癖と、ストレスによる無意識の緊張という「心の癖」が合わさることで、頑固な顎の痛みや不調を引き起こすのです。

まずは、ご自身の生活に潜む癖に気づき、一つでも改善しようと試みることが、症状緩和への大きな一歩です。

ただし、長年の癖やストレスによって身体のバランスが深く崩れてしまっている場合、意識だけで修正するのは難しいこともあります。そのような場合は、専門家による身体の調整を受け、癖が出にくい身体の土台を整えることが、改善への近道となります。

顎関節症全体の情報や、他の症状との関連については、こちらの総合案内記事もご覧ください。
→ 長引く顎の痛み、もう諦めない。顎関節症の多様な原因と当院の新しいアプローチ

私たちの身体は、日々の習慣から作られています。良い習慣を積み重ね、不快な症状のない毎日を目指しましょう。

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このブログ記事は、顎関節症に関する情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。記載されている内容は、一般的な知見に基づくものであり、効果には個人差があります。症状の診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。当ブログの情報に基づいてご自身の判断で行ったいかなる行為に関しても、当院は一切の責任を負いかねます。