夜中や明け方に、突然の激痛で目が覚めることはありませんか。繰り返す足のつり(こむら返り)には様々な原因がありますが、その大きな要因の一つが体の「冷え」による血行不良です。
結論から言うと、体が冷えると血管が収縮し、筋肉に必要な酸素や栄養素が届きにくくなるだけでなく、疲労物質も溜まりやすくなります。この状態が、筋肉の異常な緊張や痙攣(けいれん)を引き起こすトリガーとなるのです。
この記事では、日常生活に手軽に取り入れられる、体を内側と外側から温めるための具体的な「温活」習慣を5つ厳選してご紹介します。
なぜ「冷え」が足のつりを引き起こすのか?
血行不良が招く筋肉の悪循環
体が冷えを感じると、体内の熱を逃がさないように血管が収縮します。特に心臓から遠い足先は、もともと血行が滞りやすい部位です。血行不良に陥った筋肉には、主に2つの問題が生じます。
酸素と栄養の供給不足: 筋肉を動かすエネルギー源となる酸素や栄養素が、血流の悪化によって末端まで十分に行き渡らなくなります。
疲労物質の蓄積: 筋肉を使った後に発生する乳酸などの疲労物質が、血流の停滞によって排出されにくくなり、筋肉内に溜まってしまいます。
これらの状態が重なることで、筋肉は些細な刺激にも過敏に反応しやすくなり、突然の痙攣、つまり足のつりを起こしやすくなるのです。
夏でも油断できない「隠れ冷え性」
「冷え」は冬だけの問題ではありません。夏場でも、冷房の効いた室内で長時間過ごしたり、冷たい飲み物や食べ物を頻繁に摂取したりすることで、体は内側から冷えてしまいます。自覚がないまま体が冷えている「隠れ冷え性」も、夏場の足のつりの一因として注意が必要です。
今日から始める!体を温める5つの「温活」習慣
習慣1:毎日の入浴で体の芯から温める
シャワーだけで済ませず、38〜40℃程度のぬるめのお湯に15分ほどゆっくり浸かる習慣をつけましょう。全身の水圧と温熱効果で血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。リラックス効果により自律神経も整い、質の良い睡眠にもつながります。

習慣2:「3つの首」を温めて効率的に保温する
「首」「手首」「足首」は、皮膚のすぐ下を太い血管が通っているため、効率的に体を温めることができるポイントです。
首: マフラーやネックウォーマーを活用する。
手首: アームウォーマーや長袖の着用を心がける。
足首: レッグウォーマーや厚手の靴下を履き、足首を冷やさない。
特に足首を温めることは、足全体の血流改善に直結するため、足のつり予防に効果的です。
習慣3:体を温める食材を食事に取り入れる
体を内側から温めるためには、日々の食事が重要です。体を温める作用のある食材を意識的に取り入れましょう。
香味野菜: 生姜、ニンニク、ネギ、ニラ
根菜類: ごぼう、人参、大根、かぼちゃ
タンパク質: 羊肉、鶏肉、サバ、アジ
発酵食品: 味噌、納豆
これらの食材を使った温かいスープや鍋物は、体を温めるのに最適なメニューです。

習慣4:軽い運動で血行を促進する
ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲での適度な運動は、筋力維持と血行促進に役立ちます。特に、ふくらはぎの筋肉を動かす**「かかとの上げ下ろし運動」**は、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎのポンプ機能を高め、足に滞りがちな血液を心臓に戻すのを助けます。
習慣5:温かい飲み物で内側から潤す
冷たい飲み物は体を内側から冷やしてしまいます。水分補給は、常温の水か、白湯(さゆ)、生姜湯、ルイボスティーなどの温かい飲み物で行う習慣をつけましょう。内臓が温まることで、全身の血行改善につながります。
公的機関の情報を知る
国も、新たな国民健康づくり運動の中で、ウォーキングなどの日常的な身体活動の重要性を具体的な目標を掲げて推奨しています。
【引用】
身体活動は生活活動と運動に分けることができます。運動だけではなく、生活活動も含めた身体活動全般を反映した指標として歩数の目標が設定されています。目標は性・年代別の目標値(20~64歳の男女各8,000歩/日、65歳以上の男女各6,000歩/日)から算出した、全体の指標(20歳以上の全国民の平均歩数:7,100歩/日)も示されています。
[出典: 厚生労働省「健康日本21(第三次)」]
このように、日常的な運動習慣が健康維持に不可欠であることが示されています。
冷えと足のつりに関するよくあるご質問(Q&A)
Q1. 夏場でも靴下を履いて寝た方が良いですか?
A1. 冷房をつけて寝る場合など、足先が冷えやすい環境であれば、通気性の良いシルクやコットンの靴下を履くことは有効です。ただし、締め付けの強いものは血行を妨げる可能性があるため、ゆったりとしたサイズのものを選びましょう。
Q2. カイロや湯たんぽを直接足に当てるのは効果がありますか?
A2. 外から温めることで一時的に血行を良くする効果は期待できます。特に足首の周辺や、ふくらはぎを温めると効果的です。ただし、低温やけどには十分注意し、長時間同じ場所に当て続けないようにしてください。
Q3. 足のつりの原因が「冷え」なのか、他の原因なのか見分ける方法はありますか?
A3. 明確に見分けることは難しいですが、体が冷えていると感じる時や、冬場、冷房の効いた環境で特に症状が出やすい場合は、「冷え」が大きく関わっている可能性があります。しかし、水分不足やミネラル不足など他の要因も複合的に絡んでいることが多いため、温活を試しても症状が改善しない場合は、専門家に相談することをお勧めします。
冷えは重要な要因、しかし原因はそれだけではないかもしれません
この記事では、足のつりの大きな要因である「冷え」に焦点を当て、体を温める「温活」について解説しました。しかし、セルフケアを続けても症状が改善しない場合、水分不足やミネラル不足、筋肉疲労、身体の歪みなど、他の原因が複雑に絡み合っている可能性があります。
以下の記事では、足のつりを引き起こす様々な原因を網羅的に解説し、専門的な視点から、より多角的な解決策についてご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
→ 『くり返す足のつり(こむら返り)、原因は?今すぐできる対処法から専門的なアプローチまで徹底解説』
【お問い合わせ】
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
【接骨院詳細】
【蛯原接骨院】
住所: 〒300-1222 茨城県牛久市南2-1-12
電話番号: 029-872-2653
診療時間:
曜日 午前 午後 月~金 8:00~12:00 15:00~20:00 土 8:00~12:30 休診 日 休診 休診
アクセス: JR常磐線「牛久駅」徒歩5分
駐車場: 5台分有り
【監修】
院長:蛯原 吉正(EBIHARA YOSHIMASA)
資格:柔道整復師
痛みのある箇所だけに対処するのではなく、なぜそこに痛みが生じているのか、その背景にある本当の原因を追究することを信条としています。
一人ひとりの身体の状態や生活習慣と真摯に向き合い、不調が再発しにくい身体づくりをサポートすること。そして、来院された方が不安なく、健やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをすることを目指しています。
より詳しい経歴やご挨拶については、こちらのページをご覧ください。
→ [院長紹介ページはこちら]
【免責事項】
本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。症状が改善しない、または悪化する場合には、速やかに専門の医療機関を受診してください。




