今回のブログは、スポーツをはじめ日常生活でも発生することの多い、足関節捻挫のお話です。
足関節捻挫では、外側の靱帯損傷が多く発生し、靱帯の牽引力によって発生する、外くるぶしの(腓骨)裂離骨折の場合もあります。
損傷部位や損傷程度によって、処置の仕方や予後が変わってきます。
足関節捻挫を診療するうえで、当院が大事にしていることが有ります。
それは、なぜ捻挫したのかと言う原因をはっきりさせるということです。
実は、捻挫を起こしやすい体の条件というものがあります。
今回は、捻挫を起こす原因と捻挫を繰り返す原因について、当院の考えをご紹介いたします。
Contents
足関節捻挫で損傷される靱帯
足関節の捻挫で損傷しやすい靱帯です。
足関節の捻挫では外側部にあるこれらの靱帯(前脛腓靱帯・前距腓靱帯・踵腓靭帯・二分靱帯)が損傷されます。
損傷程度によりⅠ度からⅢ度に分類されます。
足関節捻挫の症状
損傷程度により症状も変わってきますが思いつくものを挙げてみます。
- 靱帯部分の圧痛(押した痛み)
- 損傷部周囲の腫脹・皮下出血
- 足関節の動きに伴う痛み
- 跛行
- 荷重痛
などが挙げられます。
症状が高度なものに関しては、骨折との鑑別が必要になってきます。
捻挫を起こしやすい体の条件
実際に足関節の捻挫を起こすにはさまざまな受傷原因があると思いますが、実は捻挫を起こしやすい体の条件というものが存在します。
足関節捻挫の患者様が来院された際に、当院が注目するポイントをご紹介します。
まずは、体幹部を安定させるための中臀筋の筋力低下に注目します。
中殿筋は、運動中の骨盤、下半身を安定させるために非常に大切な筋肉です。
また、片足に重心がかかった時に、骨盤がぐらつかないように安定させる働きをしています。
足関節捻挫を起こして来院された患者様の中殿筋をチェックすると、中殿筋の筋力が弱くなっている方が多くいらっしゃいます。
中殿筋のチェック方法
中殿筋のチェック方法は下のイラストの様に側臥位になった状態で脚を開いて(横に持ち上げて)もらいます。
次に赤い↓の部分に、脚を押し下げるように抵抗をかけていきます。
中殿筋の筋力が低下していると、その抵抗に耐えられず脚が閉じてしまいます。
その他、足の指の腱も筋力テストを行います。
足の指の腱も片足に体重がかかった時に、骨盤や体幹を安定させる働きがあります。
なので、この腱が弱くなっていても、捻挫しやすくなります。
中臀筋と合わせて検査を行います。
脳疲労によっても捻挫しやすくなる
また、脳疲労が起きている方も体の安定性が低下するため、結果としてバランスを崩しやすくなり捻挫をしやすくなります。
下に脳疲労のチェック方法をご紹介します。
マンテスト
両足を前後にそろえて、閉眼状態で10秒間立ちます。
その際の揺れ具合をチェックし、前後の足を変えて、左右両方を比較します。(目をつぶれなければ開眼状態でも結構です。
脳疲労がある場合では、このテストで立っていられないとか、体の揺れ具合が大きくなります。高齢者の転倒や運動をされている方(学生・スポーツ選手)の捻挫の原因になります。
このテスト法は立位で行うため、捻挫を起こしている足では痛みのために行う事ができません。
このブログをご覧になった方は、ぜひ、捻挫を起こす前に試していただきたいと思います。
足関節捻挫の原因についてのまとめ
今回のブログでは足関節捻挫を起こしやすい原因についてご紹介いたしました。
貴方が病院を受診た際に、診てもらった先生は、捻挫した理由を説明してくれましたでしょうか?
ここに挙げた以外でも下肢アライメント(knee out toe in)・大腿部の筋肉の硬さや腓骨筋についての問題もありますが、ここでは当院が特に注目している事をお伝えしました。
足関節捻挫の患者様が来院された際に、当院では「なぜ、捻挫したのか?」と言う事をお伝えするようにしています。
捻挫の治療をして捻挫が回復したとしても、捻挫を起こした原因がそのままでは、また捻挫を繰り替えしてしまいます。
足関節捻挫を引き起こす原因があれば、足関節捻挫の施術と一緒に原因への対処(施術・トレーニング)も行います。
捻挫を起こす原因は、捻挫を繰り返す原因にもなります。
足関節捻挫の痛みでお困りの方や足関節の捻挫癖でお困りの方は、ぜひ牛久市の蛯原接骨院までご相談ください。