日々の診療の中で、膝関節水腫(膝のお水)がみられる患者様がよく来院されます。
膝にお水がたまる原因も人それぞれです。患者様に「膝にお水がたまっていますよ」とお伝えすると「抜かなくて大丈夫ですか?」と聞かれることが多々ありますが、膝のお水は抜かなくても大丈夫です。
膝のお水を悪者扱いする必要はありません。
膝関節に対する処置の他に、患部外の施術を組み合わせることにより膝のお水は穿刺をしなくても引いていきます。今回のブログでは、膝の水について当院での施術法を含めてご紹介いたします。
膝関節水腫(膝のお水)とは?
膝のお水と一言で言っても、もともと膝関節の周りには滑液包(お水のたまった袋)が多数あります。
お水と言っても水道の蛇口から出てくる水とは性質が違い、粘性があります。
膝関節には関節包や滑液包が存在します。一般的に良く膝に水がたまるとされるのは、青い丸の膝蓋上嚢という場所です。
膝関節水腫(膝のお水)がたまる原因
上の写真で挙げた、関節包や滑液包と言われる袋の中には、正常な状態でも関節液は存在しますが、さまざまな原因によって過剰に生産されてしまったときに「水がたまった」という状態になります。
一般的に原因とされている代表的なものを以下に挙げてみます。
- 外傷
- 変形性膝関節症による関節内の炎症
- 関節リウマチ・痛風・偽痛風・化膿←これらの疾患が疑われるときは医療機関へご紹介します。
通常では1番と2番が原因の事が多いとされています。
1番の外傷の場合は骨折や靱帯損傷などで膝関節水腫が出現します。
2番の変形性膝関節症ですが、以前のブログでもご紹介したとおり、関節の変形は痛みの原因とはなりません。それは、膝関節水腫の原因にも同じことが言えます。(実際には変形性膝関節症が原因で水が溜まる事はありません)
では、1番と3番以外の膝関節水腫の原因となってきますが、実は、膝関節水腫にも脳疲労が絡んでいます。
下の写真は、当院の待合室に置いてある本ですが、赤い丸の所に注目して戴きたいと思います。
9割の痛みは脳が原因だったとされていますが、痛みと同様に膝関節水腫の多くにも脳疲労が関係しています。
なかなか引かない膝関節水腫にお悩みの方や、繰り返し膝関節水腫を穿刺している(膝のお水を繰り返しぬいている)方は脳疲労が原因の可能性があります。
実際に膝関節水腫の患者様に問診をすると、膝関節に症状が出た時期に、何らかに脳疲労につながる出来事が、必ずと言っていい程、存在します。
膝関節水腫(膝にお水がたまる)の症状
一般的には屈曲制限や膝関節周囲の腫脹、膝の重だるさが見られます。
膝蓋骨の上部(膝のお皿の上)が健側と比較すると腫れており、膝蓋骨の位置がはっきりわからなくなります。
レントゲン写真には写りませんが、超音波観察装置を使用するとしっかりと見られます。
下の写真は膝関節水腫の外見と超音波関節画像です。
蛯原接骨院での膝関節水腫(膝のお水)の施術法
当院では、膝関節水腫の治療のメインとしては、患部の安静・固定・BFI療法を併用して施術します。
補助として物理療法も行います。
定期的に、超音波観察装置で膝関節水腫の状態を定期的にみながら施術をしていきます。
初診時に痛みが強かったり、強い屈曲制限があったりする場合は、膝関節を安定させるために副子(添木)にて固定をし、松葉杖をついていただきます。
症状の改善に伴い固定も軽くし、松葉杖も外します。
膝関節水腫の施術にBFI療法を施術に用いるようになってからは、膝関節水腫の引きが早いように実感しています。
BFI療法の説明はこちら↓
まとめ
膝関節水腫の原因にもさまざまなものがあり、脳疲労が原因の場合も多くみられます。
患部の安静・固定・BFI療法と物理療法を組み合わせることにより、早期に関節水腫の衰退が見られます。
また、最初の受傷原因は外傷によるものでも、関節水腫が長期化しているものは脳疲労が関係していることがあります。
「膝関節水腫は抜かなくても引きます」というお話を患者様にすると「本当に?」という方がいらっしゃいますが、ここ数年、当院では医療機関にて膝関節水腫を抜いてもらった方はいません。
長引く水腫でお困りの方、繰り返し膝のお水を抜いている方は、BFI療法をお試しください。