変形性股関節症は比較的に女性の方に多く見られます。
痛み方や変形の具合には個人差がありますが、初期の対応次第でその方の運命が変わると言っても過言ではありません。
変形が進行していくと「手術で人工骨頭へ交換」という話が出てきてもおかしくないと思います。
変形の度合いにも個人差がありますが、痛みのコントロールを行う事ができれば、変形の進行の管理が可能と考えます。
今回のブログでは実際の症例をふまえて当院での施術法をご紹介いたします。
変形性股関節症とは
股関節に起きる関節部分の変形のことを言います。
まずは、痛みが先行して発症し、次第に関節の硬さが表れ、また、次第に関節軟骨の部分に変形が現れます。

原因
- 股関節痛後の痛みの管理がうまくできなかった方
- 臼蓋形成不全があった方
- 仙腸関節の機能異常があった方
- 先天性股関節脱臼があった方
- ステロイド薬を使用していた方
などが挙げられます。
症状
- 股関節の可動域制限(変形性股関節症における股関節の可動域制限は、関節軟骨の変形による可動域制限と股関節周囲の筋肉の緊張による可動域制限が複合して出現するものです。)
- 変形によって脚長差(足の長さの左右差)が発生すると跛行を呈する(脚長差が大きくなると左右に揺れた歩き方になります)
- 鼠径部痛
- 大腿部~膝痛
- 臀部痛
- 股関節可動時の疼痛
- 大腿部の筋委縮


変形性股関節症の施術方法
一般的には、物理療法・股関節のサポーター装着・また、脚長差がある患者さんは、靴を履いた時の脚長差を減らすために、靴の中敷を入れるなどの処置が施されます。
当院でももちろんこれらの施術法も行いますが、一般的な施術内容では良くならない患者さんに対しては、BFI療法を施すことにより、変形を起こした股関節の動きの改善(股関節周囲の筋緊張による可動域制限の改善)と、疼痛の管理(痛みが楽になる)が可能になります。
このような施術を施す事により、当院での施術前に撮影したレントゲン写真では、関節の軟骨の減少により関節の隙間が著しく狭かったものの、施術回数を重ねることにより関節の隙間が広くなってきた症例もありました。(すべての方に同じような結果が見られるというわけではありません)
茨城県取手市から来院された実際の症例
BFI療法を行っている施術所を探して、遠方より当院に来院された患者様がいらっしゃいました。
この方の場合は当院に来院する前に通院していた病院で、大腿部や臀部のトレーニングをするように指導を受けておりました。
一生懸命ご自分でトレーニングをしていたものの、痛みが強くなってどうにもならなくなり、知人の紹介で当院に来院されました。
当院来院時
痛みのために歩行に大分支障が出ている状態で、杖をついていらっしゃいました。
今までの経緯や現在の症状を詳しくお聞きしBFI療法による施術を施しました。
変形性股関節症の患者様は脳疲労につながる深いお悩みをお持ちの方が殆どです。
前の病院で指導を受けていた筋力トレーニングは、患部の痛みが強いので中止するよう指示を出しました。
股関節に限らず、変形が起きている関節を動かして筋力トレーニングすると、より変形が進みます。
ご本人は筋力が落ちることを心配していましたが、痛みを抑えることを第一優先とし、痛みが治まったら関節を動かさない状態で行う「アイソメトリックトレーニング」をして頂く様にお話ししました。
それと、心の不安や周囲からの様々な情報(痛くても筋トレしないと歩けなくなっちゃうよ!!というようなもの)が痛みに影響する事もお話ししました。
定期的に施術を施す事により痛みの管理が可能となり、初診時についていた杖も必要なくなりました。
さらに、以前は変形により非常に狭くなっていた関節の隙間が、レントゲン写真でもしっかりと写るようになりました。
まとめ
変形性股関節症は、早期に施術を施す事により、痛みの管理が可能となります。
痛みの管理が行えれば変形の進行を止める事が可能という報告もあります。
変形性股関節症の発生原因にも脳疲労が関係しています。
また、脳疲労の発生原因として深いお悩みをお持ちの方が殆どです。
今回ご紹介した症例のように、すべての症例で関節の隙間が広くなってくるとは言い切れませんが、変形性股関節症の施術に、BFI療法を組み合わせることにより、一般的な物理療法と比べ、痛みの改善や筋緊張の改善が早期に可能になります。
※手術をするかどうかの選択肢は患者さんにありますが、股関節の可動域制限が強い方や脚長差(足の長さの違い)が大きい方は人工骨頭への置換術をお勧めします。
現在、股関節痛にお悩みの方、出産後に股関節が痛む方、股関節に変形があり歩き方に変化が出てしまっている方、できれば手術をしたくないという方はBFIを療法をぜひ、お試しください。