以前、交通事故にあってしまった際のご来院までの手続きをご紹介しました。今回は、当院が行っている交通事故施術についてご紹介いたします。
交通事故外傷の中でよくみられるものとしては、頚椎捻挫(むち打ち症)が挙げられます。
むち打ち症の場合、首の痛みや可動域制限等の症状の他に自律神経症状を訴えられて見える患者様もいらっしゃいます。
Contents
むち打ち症とは
むち打ち症とは、交通事故での衝撃により頭や体が大きく振られた際、首に強い力がかかったことが原因となる首の捻挫です。
衝撃を受けた時に、ちょうど鞭がしなるように頭が振られて首が強制的に動かされるので、むち打ち症と呼ばれています。
頸椎捻挫や外傷性頚部症候群という診断名がつくことがあります。
首のレントゲン写真
下のレントゲン写真を見てもらえばわかる通り、交通事故による骨折等の異常がない場合は、レントゲン写真に異常が出る事は殆どありません。
交通事故後には、ストレートネックと言われる方が多いですが、それは痛みやしびれの原因にはなりません。
以前、埼玉で行われた学会にて、整形外科の先生の講演を拝聴したことが有りますが、特にレントゲン上に骨折等の異常がなくはっきりしない場合は、むち打ち症という病名をつけることが多いというお話でした。
右のレントゲンのように追突時は頸椎がむちのようにしなります。


交通事故の際のレントゲンやMRI検査
事故後、当院に来院されるまでに医療機関を受診していない場合は、提携医療機関をご紹介しております。
治療費の支払いの関係で、保険屋さんが間に入ることが多いため、レントゲンの検査やMRIの検査が求められます。
当院では、整形外科に関しては、主に龍ケ崎市の野村医院をご紹介しております。
交通事故外来やペインクリニックがあり、一般的な整形外科の先生よりも、より患者様の除痛に対して親身になってくださる先生です。
通常は、当院に通院していただきながら、1月に1~2回、野村医院にて診察を受けていただいております。
当院来院時の施術方法
受傷した部位によっても施術の仕方が変わってきます。
当院での頚椎捻挫での初診時の診療の流れとしては、問診後、頚部の可動域と可動時にどこに痛みが出るかを確認します。
その後、上肢の知覚のチェックと筋力検査をします。
レントゲン検査で骨の間がせまかったり、MRI検査でヘルニアが写っていても、上肢に痛みやしびれがあっても痛覚があれば、それらは神経が原因の症状では有りません。
また、筋力低下が症状であれば、施術により徐々に回復してくることがほとんどです。
問診・諸検査の後は、症状に応じてBFI療法・さまざまな電気施術・マッサージ等を組み合わせて施術します。
必要であれば頸椎カラーなどで固定を施し、生活上の注意点などをご説明します。
交通事故外傷もソフトペイン(脳が作り出す痛み)が関係する
患者様の中には、痛みがあるために病院で検査したものの「異常なし」と言われて、「この症状はよくなるのだろうか?」と思い、不安や疑問が大きくなっている方も多くいらっしゃいます。
また、長期の通院となっている患者様の中には「まだ痛いですか?まだ通院していますか?」と保険屋さんから度々プレッシャーをかけられている方もいらっしゃいました。
交通事故での物理的・金銭的・心理的影響で、本来なら受けなくてもいいような不安やストレスがあると、脳疲労が起きてソフトペイン(脳が作り出す痛み)が出現してきます。
そういったことも踏まえて、交通事故の施術としてはBFI療法をメインとしています。
補助の施術として低周波治療・微弱電流治もいたします。
患者様の症状によって治療内容が変わります。
過去の経験から、電気治療とマッサージをメインとした治療のみでは、通院が長期化します。
保険屋さんにも無期限で治療費を払っていただけるわけではありません。
他院にて、電気治療やマッサージ等の治療を受けていてもなかなか症状の改善が見られない場合は、現在通院中の医療機関より転院することも可能です。(保険屋さんに転院の承諾を得ることが条件となります)
実際、他院より転院されて来院された方もいらっしゃいます。
頚椎・腰椎牽引は有害になる場合も有ります
以前は当院でも頚椎や腰椎の牽引をしておりましたが、現在はドクターの中でも頸椎・腰椎に対しての牽引は、肯定的な意見より否定的な意見が多くなってきております。
牽引治療は一般的に保険点数が高いため、いまだに牽引をしている病院も多々あるようですが、当院では基本的に、牽引治療は行いません。
まとめ
まず、交通事故の場合は事故直後に症状がなくても安心しない事です。
時間が経過してから出てくる痛みやしびれも多々あります。
また、なかなか症状の改善が見られない場合は、治療法が合わないか、ソフトペイン(脳が作り出す痛み)が症状の中に混在していると思われます。
現在交通事故で通院中の方で、あまり症状の改善がみられない場合は、早めの転院をお勧めします。
以前のブログでもご紹介しましたが、ソフトペインは薬や注射では改善しません。
ソフトペインの治療には、不安を取り除くこととBFI療法による治療が有効です。